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その「好意」が場を荒らす前に——スピ系講師のためのエネルギースポット倫理入門(Day1)

スピ系講師のためのエネルギースポット倫理入門|荒らさない訪問術(Day1)

その「好意」が場を荒らす前に——スピ系講師のためのエネルギースポット倫理入門(Day1)

はじめに

「良いエネルギーを受け取りたい」「受講生にも体感してほしい」。そんな純粋な意図でエネルギースポットを訪れたのに、結果として場所や他者に負担をかけてしまうことがあります。 本稿では、物理的なマナーエネルギーの衛生(エネルギーハイジーン)をセットで扱い、スピ系講師が今日から実践できる「荒らさない訪問術」を具体化します。 キーとなるのは、持ち込まない・置いてこない。つまり、各自が抱える不純物やネガティブを現地に持ち込みすぎず、滞在後に残留させない仕組みを講師が用意することです。

エネルギースポットを「場」として捉える概念モデル

エネルギースポットは、自然・歴史・地域の営み・来訪者のふるまいが重なり合う共存空間です。ここでは以下の3層で考えます。

  • 物理層:音量、占有、ゴミ、土壌・植生、文化財保護。
  • 社会層:地域の生活、他の来訪者、ガイドや管理者の負荷。
  • エネルギー層:来訪者が持ち込む感情の高ぶり、ネガティブ、未消化のテーマ、儀式後の残留。

荒らさないための第一歩は、どの層にも「容量(キャパシティ)」があると理解すること。講師は人数・時間帯・天候・周辺イベントを鑑み、場所の許容に合わせた設計を行います。

物理マナーの基本(音・占有・撮影・ゴミ・動線)

Do(やるべきこと)

  • 少人数・短時間・静穏を基本とし、混雑時間帯を避ける。
  • 写真は掲示・ガイドに従い、被写体のプライバシーを尊重。
  • 歩行ルートを外れない。立入禁止・保護エリアには近づかない。
  • 持ち込んだ物は全て持ち帰る(微小な供物も原則持ち帰り)。
  • 万一のための連絡先・救急動線を事前確認。

Don’t(避けるべきこと)

  • 大声の誘導・唱和・スピーカー使用で周囲の静けさを損なう。
  • 長時間の場所占有や、順番待ちを無視した儀式・撮影。
  • 生態系に影響する投げ入れ・撒きもの・埋設。
  • SNSライブ配信での位置特定・他者の映り込み。

エネルギーハイジーンの基本:持ち込まない・置いてこない

物理マナーに加え、エネルギーの衛生はエネルギーワーカーの基礎教養です。特に講師は、グループ全体の「場の清潔さ」に責任を持ちます。

持ち込まない(Before)

  • 到着前センタリング:3分の呼吸法で自他境界を整える。
  • 感情の棚卸し:未処理の怒り・悲しみは現地で扱わないと宣言。
  • グラウンディング:足裏感覚の確認、姿勢の安定、スマホ通知の遮断。

置いてこない(After)

  • クローズ手順:感謝→コードカット(比喩的)→静止→解散。
  • 残留チェック:重さ・ざわつき・だるさ等の主観指標を全員1〜3で記録。
  • 転写の回避:石・植物・砂などの持ち帰りを行わない。

訪問前セルフチェック

以下は講師・参加者共通で使える簡易版。

  1. 本日の目的は明確か(学び/祈り/観察など一つに絞る)。
  2. 人数・時間帯・移動手段は場所の許容量に合致しているか。
  3. 撮影・供物・儀式に関する掲示・ガイドを確認したか。
  4. 未消化の強い感情を現地で処理しようとしていないか。
  5. 終了時のクローズ手順(感謝→静止→解散)を全員に周知したか。

到着〜滞在〜撤収のミニ手順

到着(2〜3分)

  • 深呼吸3回→静止10秒→周囲の音に意識を広げる。
  • 声かけ例:「ここに在らせていただきます。静かに学びます」

滞在(15〜30分)

  • 音量は通常会話以下。儀式的な動作は最小限・短時間。
  • 視線・動線を分散させ、待機者には必ず譲る。
  • 感じたことは個人メモへ。場でのシェアは控えめに。

撤収(2〜5分)

  • 感謝→静止→比喩的なコードカット→一礼→退場。
  • ゴミ・落とし物・供物の持ち帰り確認。
講師メモ:重さ・ざわつき等の主観報告はその場で収集せず、移動後に回収。場での感情発散が残留の引き金になるため。

よくある質問

Q. ネガティブを感じた参加者が泣き出しました。どう対応すべき?
A. その場での深掘りは避け、静かな場所に移動して水分補給→呼吸→落ち着き次第解散。感情処理は後日のセッションで扱う方針を共有します。
Q. 小さな石を記念に持ち帰っても良い?
A. 原則不可。転写・残留の抑制と保全の観点から、置いてこないのが基本です。
Q. 供物はどうする?
A. 管理側の指示がない限り、自然物・食品ともに持ち帰りが安全。野生動物・土壌への影響を避けます。
Q. グループの人数はどのくらいが目安?
A. 混雑状況・広さで変動しますが、講師1名につき3〜6名が基本。長滞在を避け、2グループに分割するなどの工夫を。

まとめ

Day1では、エネルギースポットを「場」として尊び、物理マナーエネルギーハイジーン(持ち込まない・置いてこない)を同時に管理する発想を確認しました。 講師の役割は、体験を深めるだけでなく、場所と他者を守る設計者であること。次回Day2では、受講生の期待と場の保全を両立させる「事前設計と周知テンプレ」を作ります。

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