
なぜ「言語化できない」と伝わらないのか?
あなたのセッションは確かに深く、目の前の人の内側に触れているはずなのに、言葉にした瞬間、なぜか薄まってしまう――。
そんな経験はありませんか。
スピ系の知覚は繊細で、比喩や感覚で捉えることが多いため、そのまま話すと共通言語にならず、相手の頭の中に同じ像が結ばれません。
結果として「伝わらない」「わからない」と感じさせてしまいます。
Day1では、なぜ伝わらないのかを構造で理解し、明日からの言語化練習に備える土台を作ります。
スピ系の表現が伝わりにくい3つの理由
① 感覚語が多く、解像度が足りない
「軽い・重い」「流れが悪い」「波動が…」などの感覚語は、人によって意味がズレます。
同じ言葉でも読み手の経験と文脈で別の像になるため、共通言語として機能しにくいのです。
② 原因と結果の関係が曖昧
「整えると良くなる」という一般化のみだと、相手は行動に移せません。
何を・どのように・どれくらいで変化が起きるのか、因果の筋道が必要です。
③ 具体例・境界条件の不足
良いとき/悪いときの境界線が示されないと、相手は「自分はどちら?」と迷います。
クライアントは判断材料を求めています。
感覚→概念→言葉:言語化の基本モデル
言語化の第一歩は、感じたものをいきなり言葉にせず、中間に“概念”の層を挟むことです。
次の3段階で整理します。
- 感覚:身体・視覚・比喩で捉えた一次情報(例:胸がざわつく)。
- 概念:感覚が示す意味を、範囲と条件で定義(例:境界が曖昧で他者と混線している状態)。
- 言葉:相手の世界に届く表現へ翻訳(例:人の期待を優先して疲弊しやすい)。
このモデルを通すだけで、あなたの内側の体験が相手の行動に結びつく言葉へと変換されます。
明日のDay2では、このモデルをペルソナに合わせて具体化します。
「伝わらない」→「伝わる」ミニ変換例
- NG:「波動が重い」 → OK:「人の顔色を読み過ぎて睡眠が浅くなるループが続いている」
- NG:「整えると楽になる」 → OK:「朝の5分呼吸+境界線ワークで、夕方の頭痛が週3→週1に減った」
- NG:「流れを良くする」 → OK:「タスクを3つに限定し、締切を決めることで先延ばしを止める」
ポイント:主語を人間の行動に置き、測れる変化の例を添えると、相手の頭に同じ像ができます。
今日のワーク:自分の言葉の“ほつれ”を見つける
- 自分の定番フレーズを3つ書き出す(例:整える、流れ、軽くなる)。
- 各フレーズについて、
感覚 → 概念 → 言葉
の順で1行ずつ書く。 - 境界条件(誰に/いつ/どの範囲で)を追記する。
仕上げに、次のチェックをかけます。
- その言葉は行動に変換できるか?
- 測れる目安はあるか?(頻度・時間・回数など)
- 別解釈の余地を減らせているか?
もし書いてみて詰まったら、LINEで相談する から短い文章で送ってください。
どの段階でほつれているか、一緒に見つけましょう。
まとめと次への橋渡し
今日は、スピ系の言葉が伝わりにくい構造と、感覚→概念→言葉の基本モデルを学びました。
あなたの体験は尊いまま、表現の解像度だけを上げれば、相手の中に同じ像が生まれます。
明日のDay2では、ペルソナの文脈に合わせて、あなたの専門性を共通言語に落とし込む手順を解説します。
FAQ
Q. 感覚の良さが薄まってしまいませんか?
A. 薄めるのではなく、輪郭をつけるだけです。
大切な体験の核は保ったまま、相手にも同じ像が見えるように補助線を引きます。
Q. 難しい用語は使いたくありません。
A. 専門用語は必須ではありません。行動・状態・変化という生活に近い言葉へ置き換えることで十分に伝わります。
Q. どの程度の具体性が必要?
A. 行動が1つ決まる程度が目安です(例:朝5分の呼吸、週1回の振り返り)。