
はじめに:なぜ「すぐ変わらない前提」を知ることが、講師の心を守るのか
スピリチュアルな講座やスクールでクライアントと向き合っていると、こんなモヤモヤを抱えやすくなります。
- 「セッションや講座で、もっと早く悩みや問題を解消してあげないと…」
- 「あれだけ伝えたのに、クライアントの行動が変わっていない…私の力不足?」
- 「“人生を変えたい”と言っていたのに、結局何も変えようとしていない気がする…」
真面目で誠実なスピ系女性講師ほど、「クライアントを早急に0-100で変化させなければ」と自分を追い込みがちです。 しかし現実には、クライアントがすぐに大きな変化を起こすことはほとんどありません。
むしろ、「すぐ変わるはず」「1回で劇的に変化させてあげたい」という期待こそが、 講師自身を疲弊させ、クライアントとの関係を歪めてしまうことさえあります。
このDay1では、 「クライアントがすぐに変化を起こすなんてことがないことを、講師は知っておくべきである」 という前提を丁寧に整理し、 「本当にその変化をしたいのか?」を見極める視点の土台をつくっていきます。
スピ系30代女性講師が、クライアントの変化を正しく見極めつつ、自分を責めすぎない講座運営ができるようになること。
そして、必要なタイミングで安心して相談依頼をしてもらえる関係づくりを目指します。
目次
Day1のゴール:講師側の「前提」を整える
まずは、技術やノウハウよりも先に、講師であるあなた自身の「前提」を整えることが重要です。
Day1で目指すゴールは、次の3つです。
- クライアントがすぐに変化しないのが「普通」であると理解する
- 「変わりたい」と「本当に変える覚悟がある」は別物だと知る
- 講師の役割は、変化を「押しつける」のではなく「見守り・支える」ことであると捉え直す
特にスピリチュアル分野の講座・スクールでは、「奇跡」「一瞬で変わる」などの表現が マーケティングに使われがちです。その空気に飲まれると、講師自身も 「クライアントの悩みや問題を、早急に、完全に解消してあげなければ」とプレッシャーを感じてしまいます。
しかし、現実に人が変わるプロセスは、ゆっくり・段階的・ときどき後戻りしながら進むものです。 ここを事実として受け入れることが、講師として長く活動していくための土台になります。
クライアントがすぐに変化を起こさない3つの理由
「どうしてあのクライアントさんは、セッションの後もあまり変わらないのだろう?」
その疑問には、いくつかの共通した背景があります。
1. 悩みや問題には「二次的なメリット」が隠れているから
人は、自分でも気づかないうちに、 今の悩みや問題を持ち続けることで得ているメリット(=二次利得)を抱えていることがあります。
例えば、こんなケースです。
- 「自信がない」状態でいることで、周囲から優しくされる・守ってもらえる
- 「お金の悩み」があることで、「本気出していないから」と言い訳できる
- 「恋愛がうまくいかない」ことで、家族のそばにいる理由が保てる
表面的には「悩みを解消したい」と言っていても、心の奥深くでは 「でも、このままのほうが都合がいい部分もある…」と感じていると、 本気で0-100の変化を起こすことは難しくなります。
2. 変化には「喪失」が伴うから
もう一つの理由は、変化=何かを手放すことでもあるからです。 新しい自分になるためには、古い習慣、人間関係、考え方を手放す必要があります。
スピリチュアルな成長では、「波動が変わる」「ステージが変わる」といった表現が使われますが、 実際にはそれに伴い、 これまで仲が良かった人との距離感が変わる、仕事のスタイルが変わるといった 現実的な変化が起こります。
その喪失が怖いと感じていると、クライアントは無意識のうちにブレーキを踏み、 変化を「ゆっくり」にしようとします。
3. 変化に必要な「時間」と「現実的なステップ」をまだ持っていないから
心の気づきは一瞬でも、現実を変えるには時間とステップが必要です。 悩みの本質に気づいても、 行動を変える・環境を整える・習慣を変えるには「現実的な段取り」が欠かせません。
多くのクライアントは、スピの講座やセッションを受けるのが初めてであり、 どうやって現実側の変化を作っていけばいいのかがわかりません。 そのため、気づきはあっても、行動の変化に時間がかかるのです。
「すぐに変わらない」のは、講師の力量不足ではなく、
人が変化するときの自然なプロセスであることを思い出しておきましょう。
0-100の早急な変化を求めてしまうと何が起こるか
スピの世界には、「一瞬で人生が変わる」「たった1回で悩みを完全解消」といった キャッチコピーが溢れています。その影響で、講師側もつい、 0-100でクライアントを変化させることが理想だと思い込んでしまいがちです。
しかし、その思い込みは、次のようなリスクを生みます。
- 1回ごとの講座・セッションに過度なプレッシャーがかかり、講師の心が疲弊する
- 「もっとやってあげなきゃ」と、クライアントのペースを無視してしまう
- クライアントが小さな一歩を踏み出しているのに、「まだ変わっていない」と見落としてしまう
これでは、講師もクライアントも苦しくなってしまいます。
講座やスクールで長く活動していくためには、0-100の早急な変化ではなく、
0-10、10-20…といった段階的な変化を大切にする視点が必要です。
「本当にその変化を望んでいるか」を見極める3つの視点
では、クライアントは本当にその変化を望んでいるのでしょうか?
ここを見極めるには、次の3つの視点が役に立ちます。
1. 「悩み」ではなく「理想の状態」をどれだけ具体的に語れるか
ヒアリングの際に、クライアントが悩みや問題だけを長く話し続ける場合、 まだ「どうなりたいか」が明確になっていないことが多いです。
こんな質問をしてみましょう。
- 「その悩みがもし今すぐ解消されたとしたら、日常はどう変わっていますか?」
- 「朝起きてから寝るまで、どんな気分で過ごしていると思いますか?」
理想の状態を具体的に語れるほど、その変化を望む気持ちは強くなります。 逆に、理想のイメージがぼんやりしているときは、 まだ「変わりたい」が感情レベルにとどまり、「行動」にはつながりにくいと捉えましょう。
2. 変化に伴う「怖さ」や「失いたくないもの」を言語化できているか
先ほど触れたように、変化には喪失が伴います。 そこで、あえてこんな質問をしてみるのも有効です。
- 「もしその変化が本当に起きたとしたら、少し怖い部分はどこですか?」
- 「その変化が起きることで、失うかもしれないものはありますか?」
これらの質問に対して、クライアントが正直に話せるかどうかは、 講師への信頼度と、変化に向き合う覚悟の深さの目安になります。
3. 具体的な「次の一歩」を自分で決められるか
セッションや講座の最後に、クライアント自身の言葉で「次の一歩」を決めてもらうことは非常に重要です。
例えば、次のような問いかけです。
- 「今日のお話を踏まえて、明日からできる小さな一歩は何でしょう?」
- 「この1週間で、現実を少しでも変えるためにやってみたいことはありますか?」
ここで、クライアントが「やってみます」と具体的な行動を自分から言葉にできるかどうかで、 変化に向かう準備がどれくらい整っているかが見えてきます。
初回ヒアリングで使える質問テンプレ
ここでは、スピ系講座・スクールでの初回ヒアリングに使える、 「変化の本気度」と「望んでいる方向性」を見極めるための質問テンプレをご紹介します。 テキストをそのまま読み上げるだけでも使えるようにしてあります。
ヒアリング質問テンプレ(例)
- 今、一番気になっている悩みや問題は何ですか?
- その悩みが続いていることで、日常生活のどんな場面で困っていますか?
- もしその悩みが今すぐ解消されたとしたら、どんな1日を過ごしていると思いますか?
- その理想の状態を10点満点だとしたら、今は何点くらいだと感じますか?(0〜100%の感覚でもOK)
- その点数を「今より1〜2点だけ」上げるために、できそうなことはありますか?
- その変化が起きることで、少し怖かったり、失うかもしれないと感じるものはありますか?
- 今日のセッション(講座)で、特に得たいこと・持ち帰りたいことは何でしょう?
講師側のチェックリスト
ヒアリング中、講師として次のポイントを意識してみてください。
- 悩みの「深刻さ」だけでなく、クライアントの「話し方」や「エネルギー感」も観察する
- 「変わりたい」と言う言葉の奥に、「でも本当は怖い」という気持ちがないか感じてみる
- 一度のセッションで0-100を目指すのではなく、0-10の一歩を一緒に決めることに集中する
※この質問テンプレは、そのままPDFやシートにしてクライアントへ配布することもできます。
無料のワークシートとしてプレゼントすることで、クライアントからの信頼感(返報性)にもつながります。
まとめ:変化のスピードよりも「向き合う姿勢」を見る
Day1では、「クライアントがすぐに変化を起こすなんてことがないことを講師は知っておくべきである」 という前提を中心にお伝えしました。
人が変わるプロセスは、決してまっすぐでも、早急でもありません。
スピリチュアルな講座やスクールで悩み・問題の解消をサポートするとき、
講師にできることは、「変化を急かすこと」ではなく、「変化に向き合う土台を一緒につくること」です。
クライアントが今どの段階にいるのか、どんなペースで進みたいのか。
その現実的な姿を大切にしながら伴走していくことで、結果的に、
クライアントは自分のペースで確かな変化を積み重ねていきます。
次回のDay2では、「講座・スクール全体の設計」という視点から、 クライアントの変化を支えるカリキュラムやステップの組み立て方を見ていきます。
「自分のケースだとどう考えればいいのか知りたい」「クライアントとの関わり方に不安がある」
そう感じたときは、一人で抱え込む必要はありません。
以下のLINEからお気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. クライアントが全然行動してくれないとき、どこまで関わるべきでしょうか?
行動を促すことは大切ですが、講師が「変わらせよう」としすぎると、かえって関係性が重くなりがちです。 ヒアリングで「なぜ行動できていないのか」「どんな怖さがあるのか」を丁寧に聴き、 クライアント自身が「できる一歩」を決められるようサポートすることを意識しましょう。
Q. すぐに成果が出ないと、講座やスクールの価値がないように感じてしまいます…
成果を「現実の変化」だけで測ると、どうしても短期的な結果に振り回されてしまいます。 スピ講座・スクールの価値は、気づき・視点の変化・自己理解の深まりなど、 目に見えにくい部分にも存在します。Day2以降では、「成果」を多面的に捉える方法も扱っていきます。
Q. クライアントから「もっと早く変わりたい」と言われたときはどう答えればいいですか?
まずは、その気持ちをしっかり受け止めることが大切です。その上で、 「できるだけ早く変化が起きるように一緒に考えたいです。ただ、人によってペースが違うので、 無理のないステップを一緒に決めていきましょうね」といった形で、 現実的なペースと段階的な変化について丁寧に説明してあげると安心してもらえます。