
自分を許すということ Day2:許せない原因をほどく(講師としての“理想”と“現実”の間を整える)
Day1では「自分を許す=起きたことを認めた上で、自分への攻撃をやめること」と整理しました。
とはいえ、頭でわかっても、心がついてこない日があります。
今日は「なぜ許せないのか」をやさしくほどきます。
原因がわかると、必要な対策も見えてきます。
許すことは気合いではなく、設計です。
許せない気持ちの正体は「理想の自分」との距離
自分を許せないとき、多くの場合、心の中でこんなことが起きています。
- 「本当はこうあるべきだった」という理想がある
- 現実の自分が、その理想に届いていないと感じる
- その距離が苦しくて、自分を責める
ここで大切なのは、理想が悪いわけではないことです。
理想は、あなたのプロ意識や誠実さの証でもあります。
問題は、理想と現実の距離が広いときに、自分を責めることで距離を縮めようとしてしまうことです。
でも、責めても距離は縮まりません。むしろ心が縮み、行動が止まり、距離が広がります。
だからDay2の目的は、理想を捨てることではなく、距離の縮め方を変えることです。
「責める」ではなく、「整える」に切り替えていきます。
スピ系講師がハマりやすい“許せない原因”6つ
1)理想が高く、基準が“見えない”
「もっと良いセッションができたはず」「もっと響く発信ができたはず」
でも、その“もっと”の基準が自分の中でも曖昧だと、いつまでも合格点が出ません。
基準が曖昧なままだと、どんな結果でも「足りない」と感じます。
許せないのではなく、合格の定義がない状態です。
2)「整っていないと提供してはいけない」と思い込む
自分が揺れている日に、「こんな私が提供していいの?」と感じることがあります。
でも、揺れているからこそ伝えられることもあります。
“整っている=無風”ではありません。
波があっても、戻ってこられる。これも整いの一部です。
3)相手の反応を「自分の価値」と結びつける
返信が遅い、申し込みが少ない、セッション後の感想が薄い。
こういうことがあると、「私の価値がないのかも」と落ち込みやすいです。
でも、相手の反応には相手の事情もあります。
反応を“自分の価値”に直結させると、心が上下し続けます。
4)比較が増える(SNS・同業・過去の自分)
比較は自然に起きます。問題は、比較が“自分攻撃”になることです。
- 同業の売上やフォロワー数を見る
- 華やかな発信を見る
- 過去の自分の勢いと比べる
比べるほど「足りない」が増え、許す余白がなくなります。
これは意思の問題というより、見ている情報の量と質の問題でもあります。
5)境界線が薄く、背負いすぎる
スピ系講師は、共感力が高い方が多いです。
その分、お客様の感情や状況を、自分の中に入れすぎてしまうことがあります。
「なんとかしてあげたい」が強いほど、結果が出ないときに自分を責めやすい。
でも、本来、変化の主役はお客様です。講師は伴走者です。
6)疲れている(体・睡眠・食事・予定の詰め込み)
意外と見落としがちですが、心の余裕は体の状態に影響されます。
疲れているときほど、自分に厳しくなり、許せなくなります。
「許せない」は、心の問題だけでなく、体からのサインの場合もあります。
まず休むだけで、考え方が変わることも多いです。
許しに向かう設計:考え方・習慣・環境の3点セット
許すために必要なのは、気合いではなく「戻ってこれる仕組み」です。
ここでは、すぐに使える3点セットを紹介します。
考え方:合格ラインを“見える化”する
合格ラインが見えないと、永遠に自分を責めます。
そこで、あなたの中の「最低限ここができていればOK」を決めます。
例:セッションの合格ライン(仮)
- 相手の話を最後まで聞けた
- 相手の言葉をまとめて返せた
- 次の一歩を一緒に決められた
これだけでも十分価値があります。
まず合格にして、次に改善点を足していく。順番を逆にしないことが大切です。
習慣:自責が出たら「事実→選択→次の一歩」
自責が出たときは、頭の中が「評価」でいっぱいになります。
そこで、毎回この順番に戻します。
- 事実:何が起きた?(評価を入れない)
- 選択:今できる選択は何?(1つでOK)
- 次の一歩:今日の小さな行動は?(5分でできること)
これを繰り返すと、心が「責める」から「整える」に移ります。
環境:比較の火種を減らす(情報を整える)
比較が止まらないとき、あなたが弱いのではありません。
比較が増える環境に、長くいるだけです。
- 寝る前のSNSをやめる(代わりに音楽・ストレッチ)
- 見るアカウントを減らす(刺激が強いものは一度外す)
- 通知を切る(自分のペースを守る)
情報を整えると、心が落ち着く時間が増えます。
その時間が、許す余白になります。
ワーク:自責のループをほどく「3つの質問」
ここからは、書ける人はメモに書いてみてください。
書けない人は、頭の中で答えるだけでも大丈夫です。
質問1:いま自分を責めている“きっかけ”は何?(1つだけ)
例:申し込みが少ない/お客様の反応が薄い/家族にイライラした/発信できなかった
質問2:その出来事を、事実だけで言うと?(評価を抜く)
例:今日は投稿できなかった/体調が重くて動けなかった/返信がまだ来ていない
質問3:その状況の自分に、どんな“現実的な助け”を出せる?
「気合いを入れろ」ではなく、「助け」を出します。
例:10分休む/投稿のハードルを下げる/テンプレを使う/誰かに相談する
ポイントは、“正しい答え”を出すことではありません。
自分を責めるループから抜けて、整える方向に戻ることです。
許しを遠ざけるNG行動(よくある落とし穴)
NG1:いきなり前向きになろうとする
「大丈夫」「ありがとう」「うまくいく」と言おうとして、逆につらくなることがあります。
それは、心が追いついていないからです。
まずは事実に戻るほうが早いです。
NG2:疲れているのに、原因を“心だけ”に探す
本当に必要なのが睡眠や休息なのに、心のワークばかり増やすと逆効果です。
心は体に乗っています。まず整える順番を間違えないでください。
NG3:相手の課題まで抱える
「変われないのは私のせい」と思うほど、苦しくなります。
伴走はできます。でも、人生を代わりに背負うことはできません。
境界線を引くことは冷たさではなく、長く続けるための優しさです。
まとめ+要約
まとめ
自分を許せないときの正体は、「理想の自分」と「現実の自分」の距離が苦しいことです。
スピ系講師は、理想の高さ・共感力・責任感から自責が強まりやすい傾向があります。
だから必要なのは気合いではなく、許しに向かう設計です。
合格ラインを見える化し、自責が出たら「事実→選択→次の一歩」に戻る。
そして比較が増える環境(情報)を整える。これだけで、心は現実的に軽くなります。
要約
- 許せないのは「理想の自分」との距離が苦しいから
- 原因は、基準の曖昧さ/整っていなければの思い込み/価値と反応の結びつけ/比較/背負いすぎ/疲労など
- 対策は「考え方(合格ライン)」「習慣(事実→選択→次の一歩)」「環境(比較の火種を減らす)」
- ワークは“正解”より「責める→整える」に戻ることが目的
よくある質問(FAQ)
- Q1. 合格ラインを決めると、手を抜くことになりませんか?
-
手を抜くことにはなりません。合格ラインは「最低限の土台」です。
土台があるから、安心して改善できます。土台がないと、常に不合格になって苦しくなります。 - Q2. 比較がやめられません。どうしたら?
-
まず環境から整えるのが早いです。
見る時間を決める、通知を切る、刺激の強い情報を減らす。
比較を“根性で止める”より、比較が起きにくい仕組みにしてください。 - Q3. お客様の結果が出ないとき、どう考えたらいいですか?
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結果は、講師の関わりだけで決まりません。
お客様の選択やタイミングも含めた“共同作業”です。
あなたは伴走者としてできることをし、背負いすぎないことが大切です。 - Q4. 疲れているときほど不安が強くなります。
-
それは自然です。疲労時は、心が守りに入りやすくなります。
まず睡眠・食事・予定の詰め込みを見直してください。
回復すると、同じ出来事でも受け止め方が変わることが多いです。