
見えない変化を“測る”方法:KPIと改善サイクル
Day3の実装を続けると、確かに楽になっているのに言葉にしにくい瞬間が出てきます。
今日はその“見えにくい変化”を、測れる指標(KPI)で静かに可視化。
小実験(AB的比較)→週次の振り返り→2週間の改善プラン、という循環を作ります。
KPIの設計(回復時間・頻度・強度・睡眠・行動数)
指標定義と測り方
| 指標 | 定義 | 測り方の例 | 目安 |
|---|---|---|---|
| 回復時間 | トリガーから平常に戻るまでの時間 | TFBRの「回復までの時間」に分・時間で記録 | 60分→20分の短縮を目標 |
| 頻度 | 1週間の強い反応の回数 | 寝る前に件数をメモ | 週5→週3→週2を目安 |
| 強度 | 主観的強度スコア(0〜10) | 最も強かった瞬間を0〜10で採点 | 平均−2を目安 |
| 睡眠 | 睡眠の質(0〜10) | 朝の目覚め時に自己採点 | 平均+1を目安 |
| 行動数 | 安全プロトコルの実施回数 | 4-2-6、合言葉、タイムアウトの実施をカウント | 週に5回以上 |
1週間ダッシュボード(例)
| 週 | 回復時間(中央値) | 頻度 | 強度(平均) | 睡眠(平均) | 行動数 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| W1 | 42分 | 5 | 7.0 | 5.8 | 3 | 合言葉未整備 |
| W2 | 28分 | 4 | 6.1 | 6.2 | 6 | タイムアウト導入 |
| W3 | 19分 | 3 | 5.2 | 6.8 | 7 | 境界線フレーズ固定 |
指標は競争のためでなく、意思決定のために使います。数字が重くなったら、1〜2指標に絞るか、週次だけに切り替えましょう。
小実験(AB的比較)の進め方
ABテストは厳密な統計実験ではなく、自分に合うやり方探しの軽い比較です。
期間は1〜2週間、同時に試すのは1要素だけに限定します。
実験設計シート
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| テーマ | 急な依頼への返答 |
| 比較する要素 | 境界線フレーズ(A/B) |
| 期間 | 2週間(各1週間) |
| 主要KPI | 回復時間(中央値)、頻度、強度 |
| 記録 | 毎晩TFBR+KPI転記 |
| 判定基準 | 回復時間が10分以上短縮 or 強度が1.0以上低下 |
例:境界線フレーズA/B
A:確認してからお返事します
落ち着きやすいが、相手から再確認の連絡が来やすい。
B:明日の午前にお返事します
期限が明確で交渉がスムーズ。自分の回復時間を確保しやすい。
| 週 | 条件 | 回復時間(中央値) | 頻度 | 強度(平均) | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| W1 | A | 24分 | 4 | 5.8 | 再確認が2件 |
| W2 | B | 15分 | 3 | 4.9 | 締切の明確化で安心感 |
相手や文脈で結果は変わります。自分の体感(胸・肩・胃など)にも注目し、総合で選択しましょう。
振り返りミーティングの型(1人/相談併用)
1人での振り返り(10分)
- 良かった点を3つ書く。
- 数字の変化を1行でまとめる。
- 来週のフォーカスを1つだけ決める。
無料相談を併用(15〜30分)
- TFBRとKPIのスクリーンショットを共有。
- 解釈が重くなっていないかチェック。
- 次の小実験案を一緒に設計。
第三者視点が入ると「決めつけ」から離れやすくなります。
断定を避け、選択肢を増やすための伴走として無料相談をご活用ください。
小ワーク:2週間のミニ改善プラン
| 週 | フォーカス | 行動 | KPI | 予想される障害 | 対処 |
|---|---|---|---|---|---|
| W1 | タイムアウトの固定化 | 「5分だけ席を外します」を1日1回 | 回復時間・強度 | 周囲の目が気になる | 前置きの台詞を決めておく |
| W2 | 境界線フレーズの固定 | Bフレーズで返信を先出し | 頻度・回復時間 | 相手の反応が不安 | 期限+代替案を添える |
完璧に埋めなくて大丈夫。フォーカスは常に1つに絞ると、効果が分かりやすくなります。
匿名事例②:人間関係の境界線での変化
読者Bさん(30代後半・販売職)。同僚の突然の依頼に応じ続け、自分の休憩が削られるパターンが反復。Day3で合言葉とタイムアウトを導入し、Day4でKPIを計測。
| 期間 | 回復時間 | 頻度 | 強度 | 睡眠 | 行動数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 導入前(W0) | 55分 | 6 | 7.4 | 5.2 | 2 |
| 2週後(W2) | 21分 | 3 | 5.1 | 6.6 | 8 |
ポイント
- 休憩時間を予定化し通知をオン。
- 「明日の午前にお返事します」を固定フレーズに。
- 週次の振り返りで、強度−2の目標を維持。
数値はBさんの自己記録に基づくもので個人差があります。保証や断定ではなく、意思決定の材料としてお使いください。
まとめ
コンプレックスとカルマへの取り組みは、感じる→選ぶ→測る→見直すの循環で静かに強くなります。KPIは「うまくやれていない証拠」ではなく、次に何を小さく変えるかを教えてくれる羅針盤。数字が重くなったら、指標を減らし、ペースを軽くしましょう。明日のDay5では、長期運用のコツとよくある失敗、FAQをまとめ、自分軸の宣言へつなげます。