
視える・感じる力との付き合い方:プライバシーを尊重するスピ講師という選択【Day5】
※本記事は本シリーズの最終回です。
Day1〜4で、「おせっかいとプライバシーの境界線」「決めつけないヒアリング」「一緒に進めるセッション設計」「無意識のおせっかいのチェックと事例」を整理してきました。
Day5では、それらすべてを統合し、「視える・感じる力との付き合い方」と「自分なりの在り方宣言」を形にしていきます。
はじめに:力をどう使うかを決めるのは「自分自身」
視える・感じる。
それ自体は、間違いなく大切な才能です。スピ系の講師として活動しているからこそ、その感性がクライアントの支えになってきた場面も、きっとたくさんあるはずです。
けれど、その力を「どう使うか」「どこまで使わないと決めるか」を選ぶのは、ほかの誰でもなく自分自身です。
Day5は、「視えるから」「感じるから」ではなく、「どう在りたいから、そうするのか」を明確にしていく回です。
- 視える・感じる力との距離感を、自分の手で調整する
- 自分なりの「やらないことリスト」と「やることリスト」を言語化する
- クライアントのプライバシーと自立を守る在り方宣言を書く
- 今後6ヶ月〜1年の成長計画を、無理のない形で描いてみる
という流れで、「倫理観のあるスピ講師としての土台」を整えていきます。
記事の最後では、書き上げた在り方宣言を一緒に確認したい方向けに、1対1の個別相談のご案内もしています。必要だと感じたときに、いつでも活用してください。
1. 4日間の学びを統合する:何を手放し、何を大切にするか
まずは、この5日間のレッスンで扱ってきたポイントを、シンプルな2つの軸で整理してみます。
これから「手放していく」もの
- 先回りして世話を焼くこと
- 許可なく未来や家族を視ること
- 「本当の原因は◯◯だ」と決めつけるヒアリング
- 不安をあおって行動を促す関わり方
- セッション外で際限なく相談に乗り続けるパターン
これから「大切にしていく」もの
- クライアントのペースと選択の自由
- 許可を取ってから視点を共有する姿勢
- 事実・感情・望みを丁寧に聴くヒアリング
- 本人の言葉でまとめてもらう時間
- 「今ここからできる一歩」に意識を戻す関わり
大きなポイントは、「何をしないか」をはっきり決めることで、「何をするか」がクリアになるということです。
視える・感じる力があると、「できてしまうこと」が増えます。だからこそ、
- あえて「やらない」と決めるライン
- どれだけ視えても、踏み込まない領域
を持つことが、倫理観のあるスピ講師としての土台になります。
2. 視える・感じる力を「コントロールする側」に立つ
「視えてしまうから仕方ない」「感じてしまうから、言わない方が不自然に思える」。
そう感じる場面があるかもしれません。
ですが、Day5で大切にしたいのは、「視える・感じる力に振り回される側」ではなく、「それを扱う側」に立つという意識です。
2-1. ON/OFFを意識的に切り替えてみる
たとえば、次のような簡単なイメージワークを取り入れてみてください。
- セッション前に、「今から必要な範囲だけ開きます」と意図してから始める
- セッション後に、「今日はここまで。今からは自分の時間に戻ります」と意図して閉じる
目を閉じて、胸のあたりにある「スイッチ」をイメージし、
「必要な強さ」「必要な範囲」だけ明るくするイメージでも構いません。
ポイントは、「自分で決めている」という感覚を持つことです。
2-2. 「視えたから言う」のではなく、「必要だから言う」を基準にする
次に、視えたこと・感じたことを伝えるかどうかの基準を、次のように変えてみます。
- × 視えたから、言う
- ○ クライアントが望んでいて、今のタイミングで必要だと感じるから言う
そのための具体的な確認として、
- 「この視点を聞く準備はありますか?」
- 「今のタイミングで、この話を聞きたいですか?」
といった、許可を取るための質問を挟む癖をつけていきます。
2-3. 「クライアントの自由が広がるかどうか」で判断する
伝えるか迷ったときのシンプルな基準として、
- この情報を伝えることで、この人の自由は広がるか?それとも狭まるか?
と自分に問いかけてみてください。
不安をあおり、選択肢を狭めてしまうような伝え方であれば、あえて伝えない選択をすることも、誠実さの一つです。
3. 自分なりの「やらないことリスト」と「やることリスト」を作る
ここからは、より具体的に、自分なりのルールを作っていきましょう。
ここでのルールは、「守れなかったら自分を責めるため」ではなく、迷ったときに立ち戻れる「基準」として扱うイメージです。
3-1. やらないことリスト(例)
まずは、参考としていくつか例を挙げます。
- クライアントが望んでいない未来や過去の情報を勝手に伝えない
- 家族やパートナーのことを、許可なくリーディングしない
- 「あなたは◯◯すべき」と断定する言い方をしない
- 不安や恐怖をあおる形で行動を促さない
- セッション外で深い相談に長時間応じ続けない
ここから、自分にも当てはまりそうなもの・特に大事にしたいものを3つほど選んでみてください。
3-2. やることリスト(例)
次に、「積極的にやっていきたいこと」を整理します。
- 最初に「話したくないことは話さなくて大丈夫」と伝える
- 視点を伝える前に、「聞きたいかどうか」を必ず確認する
- クライアントの言葉でまとめてもらう時間を毎回とる
- セッション後、「モヤモヤした場面」をノートに記録する
- 定期的に、自分の在り方を振り返る時間を取る
こちらも、まずは3つ程度から始めてみるのがおすすめです。
3-3. ルールは「一生このまま」ではなく「今の自分のベスト」でOK
ここで作るルールは、一生変えてはいけないものではありません。
むしろ、経験を重ねる中で少しずつアップデートしていくのが自然です。
今の時点での「私なりのベスト」として、一度言葉にしてみる。
そのうえで、半年後・1年後に見返したときに、「ここはもう少し変えたい」と感じたら、そのときに変えていけば良いのです。
4. つまずいたときのリカバリー:境界線を越えてしまったと感じたら
どれだけ気をつけていても、完璧に境界線を守り続けることは難しいものです。
大切なのは、境界線を越えてしまったと感じたときに、どう立て直すかです。
4-1. まずは自分を責めすぎない
「またやってしまった…」と気づいたとき、真面目な講師ほど、自分を強く責めてしまいがちです。
ですが、自分を責めることにエネルギーを使いすぎると、行動を変える力が残りません。
そんなときは、
- 「あのときの自分は、あの状況でできる範囲で精一杯だった」と一度受け止める
- 「次はどうしたいか?」に意識を向け直す
ことを意識してみてください。
4-2. 必要であれば、素直に言葉で修正する
セッション中や次の機会に、
- 「先日は、少し踏み込みすぎたかもしれません。」
- 「あのときの言い方が強すぎたと感じていて、もし受け取りにくかったらごめんなさい。」
と、シンプルに言葉にするだけで、クライアントとの関係性がむしろ深まることもあります。
ポイントは、「謝る=自分を下げる」ではなく、「関係性を大切にしたいからこそ整える」というスタンスで伝えることです。
4-3. 振り返りの質問を通じて、次につなげる
つまずいたときこそ、学びのチャンスです。
次のような質問を使って、ノートに振り返りを書き出してみましょう。
- あのとき、何に反応して、おせっかいが出たのだろう?
- あの瞬間、私は何を守ろうとしていたのだろう?(クライアント?自分の不安?)
- 次に同じ場面がきたら、どうしたい?どんな言葉を選びたい?
この3つの問いを重ねることで、「同じ失敗」を減らしつつ、「同じ場面に出会ったときの自分の選択肢」が少しずつ増えていきます。
5. 在り方宣言ワーク:プライバシーを尊重するスピ講師として生きる
ここからは、Day5の中心となるワークです。
これまでの学びを踏まえたうえで、「どんなスピ講師でありたいか」を自分の言葉で宣言してみましょう。
5-1. 在り方宣言に含めたい3つの要素
在り方宣言には、次の3つの要素を含めてみるのがおすすめです。
- クライアントとの関係性に関すること
例)「私は、クライアントの人生とペースを尊重し、主導権を奪わない講師でいます。」 - 視える・感じる力の使い方に関すること
例)「私は、視えたこと・感じたことを、相手の許可と自由を尊重しながら扱います。」 - 自分自身との約束に関すること
例)「私は、境界線を越えてしまったと感じたら、正直に認め、次の選択を整えます。」
5-2. ひな形を使って書いてみる
もし、いきなりゼロから書くのが難しく感じる場合は、次のひな形をベースにしてみてください。
在り方宣言:プライバシーを尊重するスピ講師としての私
わたしは、クライアントの人生とプライバシーを尊重するスピ講師として、次のことを大切にして生きていきます。
- 1)クライアントとの関係性について:
例)私は、クライアントの◯◯を尊重し、◯◯しない講師でいます。 - 2)視える・感じる力の使い方について:
例)私は、視えたこと・感じたことを、◯◯なときにだけ伝え、◯◯な使い方はしません。 - 3)自分自身との約束について:
例)私は、◯◯してしまったとき、◯◯と向き合い、◯◯を選び直します。
【自由記述スペース】
5-3. 書き上げた宣言の扱い方
書き上げた在り方宣言は、
- 手帳やノートの最初のページに貼る
- セッション前に読み返す「お守りの言葉」として扱う
- 必要であれば、信頼できる人にだけ共有する
といった形で、日常の中に置いておきましょう。
「忘れてしまわないように」ではなく、迷ったときに原点に戻れる「ホームポジション」として扱うイメージです。
6. 今後6ヶ月〜1年の成長計画と、必要なら1対1で整えるという選択
最後に、この5日間の学びを、今後6ヶ月〜1年の時間軸に乗せてみましょう。
6-1. 短期(1〜3ヶ月):小さな実験を重ねる期間
まずは、
- ヒアリングの言葉がけを1つ変えてみる
- 視点を伝える前に必ず許可を取る
- セッション後に一行だけでも振り返りを書く
といった、小さな行動の変化から始めてみてください。
6-2. 中期(3〜6ヶ月):セッション設計とルールを整える期間
少し慣れてきたら、
- セッションの流れを、自分なりの「型」として整える
- 講座・スクールの募集ページに「やらないこと」も明記する
- セッション外の関わりについて、自分なりの線引きを言葉にする
といった形で、仕組み・設計のレベルも少しずつ整えていきましょう。
6-3. 長期(6〜12ヶ月):在り方を深めながら、必要なサポートを受ける期間
半年〜1年のスパンでは、
- 定期的に在り方宣言を見直し、アップデートする
- 難しいケースや境界線の判断に迷う場面について、1対1で相談できる相手を持つ
といった形で、一人で抱え込みすぎない環境を作っていくのもおすすめです。
6-4. 必要だと感じたときに、1対1で整える選択肢
「具体的なケースで迷うことが多い」「自分一人だとどうしても主観になってしまう」と感じるときは、
個別に状況を整理しながら、一緒に境界線と在り方を整えていく場を持つことも一つの選択肢です。
もし、あなたが
- 今いるクライアントさんとの関係性を大切にしながら、無理なくスタイルを変えていきたい
- 具体的な場面ごとの言葉選びや線引きについて、一緒に考えてほしい
と感じているなら、下のボタンからLINEに登録のうえ、「在り方相談希望」とメッセージを送ってください。
状況を少し伺ったうえで、1対1セッションのご案内や、今の段階でできる簡単なステップをお伝えします。
※LINE登録後、「在り方相談希望」とメッセージをいただければ、詳細をお送りします。
こちらから一方的に何かのグループやコミュニティに誘導することはありません。ご希望の場合のみ、1対1の個別セッションについてご案内いたします。
まとめ:視える力よりも、「どう在るか」が土台になる
Day5では、これまでの学びを統合しながら、
- 何を手放し、何を大切にしていくのか
- 視える・感じる力に振り回されず、「扱う側」に立つ視点
- 自分なりの「やらないことリスト」と「やることリスト」
- 境界線を越えてしまったと感じたときのリカバリー方法
- 在り方宣言ワークと、今後6ヶ月〜1年の成長計画
を整理してきました。
スピ講師として活動していると、「どれだけ視えるか」「どれだけ当てられるか」に意識が向きがちです。
ですが、クライアントが本当に受け取っているのは、「どれだけ視えるか」以上に、「この人になら安心して話せる」という感覚です。
プライバシーと自立を尊重する在り方は、すぐに結果が見えにくいかもしれません。
それでも、時間をかけて信頼を育てていくうえで、とても大きな差になっていきます。
この5日間の学びを、今日で終わりにするのではなく、これからの実践の中で少しずつ育てていくことができれば、それで十分です。
必要なときには、またどこからでも読み返して、自分の在り方を整えるために使ってあげてください。
よくある質問
- Q. 在り方宣言を作っても、守れない日が来そうで怖いです。
-
在り方宣言は、「一度決めたら絶対に破ってはいけないルール」ではなく、「迷ったときに戻るための目印」として扱ってみてください。
守れなかったと感じたときは、「ダメな自分」と決めつけるのではなく、「今の自分には何が難しかったんだろう?」と振り返るきっかけにしていけば大丈夫です。
- Q. 視えることを抑えすぎて、自分の良さが消えてしまわないか不安です。
-
大切なのは、「視えることをやめる」ことではなく、「視えることの使い方を選ぶ」ことです。
許可を取り、相手の自由を広げる方向で使っていくことで、むしろあなたの感性は、以前よりも安心して使えるものになっていきます。
不安なときは、「どこまでなら自分もクライアントも安心でいられるか」という視点から、範囲を少しずつ調整してみてください。 - Q. 倫理観を意識し始めてから、今までのセッションを思い出してつらくなります。
-
真面目に向き合っているからこそ、過去の自分の関わりに対して胸が痛くなることもあると思います。
そのときは、
- あのときの自分も、「その時点でのベスト」を尽くしていたこと
- 今こうして見直そうとしていること自体が、クライアントを大切に思っている証拠であること
を、何度でも思い出してあげてください。
どうしても心が苦しいときは、1対1で一緒に整理する時間を持つのも一つの方法です。
必要であれば、LINEから「在り方相談希望」とメッセージを送ってくださいね。