
Day3:60分セッションの進め方・台本つき
Day3は実装。
60分を「冒頭の合意→中盤の探求→終盤の統合」で滑らかに運ぶための台本・質問例・チェックリストを提供します。
スピリチュアルな価値観を尊重しつつ、過度な期待や依存を生まない“健全な枠”を保ちましょう。
台本
GROWモデル
NVC
動機づけ面接
質問集
困難場面
目次
60分タイムライン(保存版)
分 | 意図 | 具体行動 |
---|---|---|
0–5 | 安心と合意 | 守秘・範囲の確認/今日のゴール確認/録音可否 |
5–10 | 現状要約 | 前回・事前フォームの要点を鏡写し要約 |
10–35 | 探求 | オープン質問→スケーリング→具体化→再フレーム |
35–50 | 統合 | 選択肢2–3提示→本人選択→家庭での練習を1つ決定 |
50–55 | 合意の再確認 | 今日の学び・次の一歩・サポートが欲しい点 |
55–60 | クロージング | 次回案内/領収書/フォロー連絡の説明 |
台本:冒頭合意→探求→統合
冒頭5分(合意)
「本日はありがとうございます。ここは安心して話せる場として守秘を大切にします。
本日の60分は、現状の整理と“次の一歩”を一緒に決めることを目標にします。
医療や法的判断は行いません。よろしいでしょうか?」
中盤25分(探求)
「一番大事にしたいテーマはどれでしょう?」 「0〜10で今の困りごとを点数にすると?」→「その1点上げるには何が役立ちそう?」 「最近の出来事の中で、少し楽になった瞬間は?」(例外の探索)
終盤15分(統合)
「今お聞きした内容から、次の選択肢が考えられます。A:〜、B:〜、C:〜。いまの感覚に合うのはどれですか?」
「ご自宅でできる“小さな練習”を一つ決めましょう。できたら◎、できなくても×でOKです。」
「次回は、今日の実験を一緒に振り返る回にしましょうか?」
コツ 台本は“読み上げ口調”でOK。
棒読みにならないよう、語尾だけあなたの言葉に置き換えましょう。
棒読みにならないよう、語尾だけあなたの言葉に置き換えましょう。
質問バンク(GROW/NVC/MI)
G(Goal)/R(Reality)
- 今日のゴールをひと言で表すと?
- 今の現実を3つの事実で教えてください。
- 1週間後、何が変わっていたら「進んだ」と感じますか?
O(Options)/W(Will)
- 似た状況で役立った方法は?
- 全てがうまくいくと仮定したら、何を試しますか?
- 明日、最初の5分でできる一歩は?
NVC(観察→感情→ニーズ→お願い)
- (観察)最近あった具体的な出来事は?
- (感情)その時どんな気持ちでしたか?
- (ニーズ)その気持ちが教えてくれる大切なニーズは?
- (お願い)今できる小さなお願い/行動は?
MI(動機づけ面接)の言い換え例
- 要約:「つまり___と感じつつ、___も大事にしたいのですね。」
- 是認:「ここまで継続してきたのは本当に力が要りましたね。」
- 開放質問:「もし変化が少し起きたら、何が楽になりそうですか?」
困難場面のハンドリング
状況 | 兆候 | 対処の台詞例 |
---|---|---|
泣き出す | 言葉が出ない、呼吸が浅い | 「いまは感情が大切なサインを教えてくれています。少し静かな時間を取りましょう。水をお持ちしましょうか。」 |
長話で焦点が拡散 | 話題が次々移る | 「ここまでの要点を一度まとめても良いですか。AとB、どちらを先に扱いましょう。」 |
強いアドバイス要求 | 「正解を教えて」 | 「2–3の選択肢をご提案します。いまの感覚に合うものを一緒に選びましょう。」 |
沈黙が怖い | 互いに無言 | 「いま、内側で何か動いている気がします。あと30秒、この沈黙を一緒に味わってみても良いですか。」 |
時間オーバー | 50分を超える | 「残り5分で今日の学びと次の一歩を言葉にして、ここで区切りましょう。」 |
安全第一:自傷他害・急性症状・法的課題の兆候がある場合は、Day2のリファー基準に従い、適切な専門機関へ案内します。
当日チェックリスト
- 5分前入室・音声/映像の確認
- 事前フォームの要点を付箋3枚に
- 録音可否・守秘・範囲の確認
- タイムラインを机上に置く(0–5/5–10/10–35/35–50/50–55/55–60)
- 終了後アンケ1問(満足度/次回希望)
- フォロー連絡(宿題・次回リンク・領収書)
データで見る:満足度と次回予約率
“終盤15分の統合”を入れたことで何が変わるか、サンプル(置き換え推奨)を示します。
条件 | 満足度(5点満点) | 次回予約率 | N(セッション) |
---|---|---|---|
統合パートなし | 4.2 | 46% | 58 |
統合パートあり | 4.7 | 63% | 61 |
少数データでは偶然の影響も大きい点に注意。Day4でダッシュボード雛形と信頼区間の見方を扱います。
まとめと次のステップ
今日の鍵は、(1) 冒頭で役割とゴールを明確に合意、(2) 中盤はGROW/NVC/MIで“気づき→具体化”を回す、(3) 終盤で選択肢を絞り“家庭での小さな練習”を一つ決める、の3点でした。明日のセッションでタイムラインを机上に置き、台本を読み上げ口調で試してみてください。
次回(Day4)は「最適化:KPI・記録・フィードバックの回し方」。小規模統計の読み方とABテスト設計を実務化します。
FAQ
- Q. 台本通りに進まない時は?
- A. タイムラインに“戻る地点”を作っておきましょう。「ここで一度、今日のゴールに戻ってもよいですか?」と合図します。
- Q. スピリチュアルな話題で相違が出たら?
- A. 是正・否定は避け、意味づけの探索へ。「その体験はあなたに何を教えてくれていますか?」と価値の次元に移します。
- Q. オンラインでの集中力が切れやすいです
- A. 25分ごとに小休止の合図を入れ、水分や姿勢を整える時間を提案します。