
「やればできる」と伝える講師ほど、自分にはできないと思ってしまう理由
はじめに
クライアントには自然に「大丈夫、やればできますよ」と言えるのに、自分のことになると「でも私は無理かもしれない」「やっても変わらない気がする」と感じてしまう。
そんなもやもやを抱えているスピ系講師の方は、決して少なくありません。むしろ、人の心に真剣に向き合ってきた講師ほど、自分自身には厳しくなりやすいものです。
目の前のクライアントには希望を見つけられる。可能性も見える。必要な言葉も出てくる。けれど、自分の集客、自分の商品づくり、自分の発信、自分の人生の選択になると、急に手が止まってしまう。
この記事では、その状態を「意志が弱いから」「行動力がないから」と責めるのではなく、心の癖としてやさしく整理していきます。Day1ではまず、なぜ人には言えるのに自分には言えなくなるのか、その基本を見ていきましょう。
目次
人には言えるのに、自分には言えない理由
クライアントに対しては「やればできる」と言えるのに、自分にはそう思えない。これは矛盾しているように見えますが、実はとても自然なことです。
なぜなら、人のことを見るときと、自分のことを見るときでは、心の距離がまったく違うからです。
クライアントの悩みを聞いているとき、あなたは少し離れた場所から相手を見ています。だからこそ、相手の強み、変化のきざし、今できていることに気づけます。
しかし、自分のことになると距離が近すぎます。過去の失敗、誰かに言われた言葉、うまくいかなかった記憶、年齢への焦り、収入への不安などが一気に重なります。
その結果、本当はできる力があるのに、自分だけが見えなくなってしまうのです。
つまり、あなたが未熟だからではありません。講師としての言葉が嘘なのでもありません。ただ、自分自身を見る視点が近くなりすぎているだけです。
スピ系講師が抱えやすい3つのもやもや
1. 人を励ますほど、自分との差を感じてしまう
クライアントには「本当の自分を信じてください」「今の一歩が未来を変えます」と伝えている。けれど、自分は発信を続けられない。募集文を書けない。価格を上げられない。
そんなとき、「私が言っていることは本当に正しいのかな」と不安になることがあります。
でも、ここで大切なのは、講師も人間だということです。人を導く立場だからといって、いつも完璧に前向きでいなければならないわけではありません。
2. できない自分を見せてはいけないと思ってしまう
スピ系講師は、癒し、気づき、変化、自己信頼を扱うことが多い仕事です。そのため、「自分が迷っていてはいけない」「不安を見せてはいけない」と思いやすくなります。
しかし、迷いがあることと、講師として価値がないことは別です。
むしろ、自分の揺れを丁寧に見つめてきた人ほど、クライアントの小さな不安にも気づけます。弱さをなかったことにする必要はありません。
3. やりたいのに動けない自分を責めてしまう
本当はもっと講座を広げたい。もっと必要な人に届けたい。相談依頼も増やしたい。けれど、いざ発信しようとすると止まってしまう。
この状態が続くと、「私は覚悟が足りないのかも」「向いていないのかも」と考えてしまいます。
でも、多くの場合、問題は覚悟の不足ではありません。心の中にある「失敗したらどうしよう」「批判されたらどうしよう」「またうまくいかなかったら傷つく」という防衛反応が、行動を止めているのです。
「やってもできない」は本音ではなく防衛反応かもしれない
「やってもできない」と感じるとき、それは本当の結論ではなく、心が自分を守るために出している言葉かもしれません。
人は、期待して傷つくことを避けようとします。最初から「どうせ無理」と思っていれば、うまくいかなかったときの痛みを少し減らせるからです。
たとえば、講座を募集して反応がなかった経験がある。投稿しても申し込みにつながらなかった経験がある。誰かと比べて落ち込んだ経験がある。
その記憶が残っていると、新しい行動を始める前に心がブレーキをかけます。
そして、そのブレーキの言葉が「やってもできない」なのです。
でも、ここで見方を変えてみてください。その言葉は、あなたの才能のなさを証明しているのではありません。あなたが過去にちゃんと傷つき、それでも今また前に進もうとしている証でもあります。
まず整えるべきは行動量ではなく自己対話
動けないとき、多くの人は「もっと頑張らなきゃ」と考えます。
毎日投稿しよう。募集文を書こう。動画を撮ろう。新しい講座を作ろう。もちろん、行動は大切です。
けれど、心の中で「どうせ私には無理」と思ったまま行動量だけを増やすと、苦しくなります。行動するたびに、自分への疑いも強くなるからです。
だから最初に必要なのは、大きな行動ではありません。自己対話を整えることです。
自己対話とは、自分にどんな言葉をかけているかということです。
クライアントには「今できていることを見てみましょう」と言うのに、自分には「まだ足りない」「また止まっている」「全然できていない」と言っていないでしょうか。
クライアントには「小さな一歩で大丈夫」と言うのに、自分には「これくらいできて当然」と言っていないでしょうか。
クライアントには「あなたのペースで進みましょう」と言うのに、自分には「早く結果を出さないと意味がない」と言っていないでしょうか。
まずは、自分に向けている言葉に気づくこと。そこから変化は始まります。
今日できる小さなワーク
Day1では、行動を大きく変える必要はありません。まずは、自分に向けている言葉を見える形にしてみましょう。
ワーク1:自分に言っている言葉を書き出す
紙やメモアプリに、最近自分に対してよく言っている言葉を書いてください。
- どうせ私には無理
- また続かなかった
- もっとちゃんとしないと
- このままでは選ばれない
- 他の先生の方がすごい
きれいに書く必要はありません。まずは、頭の中にある言葉を外に出すことが大切です。
ワーク2:同じ悩みをクライアントが言ったら何と返すか考える
次に、その言葉をクライアントが言ってきたと想像してください。
たとえば、クライアントが「どうせ私には無理です」と言ったら、あなたは何と返すでしょうか。
おそらく、「本当に無理だと決める前に、できていることも見てみましょう」「今まで一歩も進んでいないわけではないですよね」と、やさしく返すのではないでしょうか。
その言葉を、今度は自分に向けてください。
ワーク3:今日の自分にかける一言を決める
最後に、今日の自分にかける一言を決めましょう。
- 私は止まっているのではなく、整えている途中
- 小さな一歩でも、未来は変わり始める
- 人に言える言葉を、自分にも少しずつ向けていい
- 完璧な講師ではなく、誠実な講師でいればいい
この一言は、毎朝読むだけでも構いません。大切なのは、自分を動かす前に、自分を責める言葉を少しゆるめることです。
Day1の小さな課題
今日の課題は、次の3つです。
- 最近、自分に言っている否定的な言葉を3つ書き出す
- それをクライアントが言ったら、何と返すかを書く
- その返答を、自分にも一度だけ声に出して言う
声に出すのが恥ずかしい場合は、心の中で読むだけでも大丈夫です。
ここで大事なのは、「できる自分に変わろう」と無理に思い込むことではありません。「できないと思ってしまう自分にも、やさしく向き合える」と知ることです。
まとめ
クライアントには「やればできる」と言えるのに、自分には「やってもできない」と感じてしまう。これは、講師として失格だから起きることではありません。
人のことは少し離れて見られるから可能性に気づけます。一方で、自分のことは過去の失敗や不安が重なり、見えにくくなります。
だからこそ、最初に必要なのは無理な行動量ではなく、自分への言葉を整えることです。クライアントに向けているやさしい言葉を、自分にも少しずつ向けていく。その小さな練習が、講師としての安心感と行動力を取り戻す第一歩になります。
明日のDay2では、自分を止めている思い込みを見つけ、講師として自然に動き出すための考え方を整理していきます。
相談したい方へ
「頭では分かっているのに、自分のことになると動けない」 「講師として進みたいのに、心のどこかで止まってしまう」
そんな方は、一人で抱え込まずにご相談ください。今の状態を整理するだけでも、次に進む道が見えやすくなります。
よくある質問
Q1. クライアントには前向きなことを言えるのに、自分ができないのはおかしいですか?
おかしくありません。人のことは客観的に見られますが、自分のことは不安や過去の経験が重なりやすいものです。まずは、その違いに気づくことが大切です。
Q2. 講師なのに自信がないまま活動してもいいのでしょうか?
自信が完全についてから始める必要はありません。大切なのは、完璧に見せることではなく、誠実に向き合うことです。不安があるからこそ、クライアントの気持ちに寄り添える場合もあります。
Q3. 「やってもできない」と思う癖は変えられますか?
変えていくことはできます。ただし、いきなり前向きになろうとするより、まずは自分にどんな言葉をかけているかに気づくことが大切です。
Q4. 行動できないときは、無理にでも動いた方がいいですか?
無理に動くことで苦しくなる場合もあります。まずは小さな行動に分け、自分を責める言葉をゆるめながら進める方が続きやすくなります。
Q5. スピ系講師として相談依頼を増やすには何から始めればいいですか?
最初は、自分の言葉を整えることから始めるのがおすすめです。自分への信頼が少し戻ると、発信や募集の言葉にも自然な力が出てきます。