
Day5:統合—長期関係・紹介・コミュニティ・価格改定
最終回は統合。
日々のセッションを越えて、長期の信頼・紹介・コミュニティ・価格設計へ。
優しさと実務の両立を“仕組み”に落とし込みます。
よくある失敗
紹介プログラム
コミュニティ運営
行動規範
価格改定
LTV
目次
よくある失敗と対策(スクリプト付)
失敗 | 兆候 | 対策・台詞例 |
---|---|---|
境界線の曖昧化 | 時間外の長文DMが常態化 | 「安心して続けられるよう、返信は営業時間内に統一しますね。急ぎの際は○○にご連絡ください。」 |
過剰共感 | 相手の感情を背負い、疲弊 | 「いまの気持ちを大切に扱いながら、今日できる小さな一歩に意識を戻しましょう。」 |
過剰な約束 | 効果保証のような表現 | 「私の役割はご自身の変化を支えること。結果は一緒に作っていきましょう。」 |
スケジュールの破綻 | 遅延・延長が常習化 | 「残り5分で今日の学びと次の一歩を言葉にしましょう。」(Day3のタイムラインへ戻る) |
無料対応の拡大 | 追加相談が無償で無限化 | 「本件は有料フォローの範囲になります。必要でしたら○○プランをご案内します。」 |
“優しさ”と“仕組み”は両立します。Day1–4のテンプレと合わせて、言語化し“事前に伝える”ことが予防策です。
紹介プログラムの作り方(テンプレ)
紹介は最も信頼度の高い新規導線。条件の明確化と一貫した案内が鍵です。
項目 | 基本案 | 備考 |
---|---|---|
特典 | 紹介者:次回10%OFF/被紹介者:初回10%OFF | 現金ではなくサービス価値で |
条件 | 初回予約完了・入金確認後に適用 | 有効期限:発行から3か月 |
トラッキング | 専用コード/フォーム選択「紹介者名」 | 重複や不正防止のルールを明記 |
告知 | 終了メール/SNS固定投稿/サイト告知 | 毎月1回リマインド |
案内文テンプレ
件名:大切な方へご紹介いただけますか(特典あり) 本文:もし周りに必要な方がいれば、このリンクから初回10%OFFでご案内できます。
ご紹介者さまにも次回10%OFFを差し上げます。小さな一歩を応援する輪を広げましょう。
コミュニティ運営の基本(行動規範・モデレーション)
コミュニティは“継続の場”。
安心と活発さは行動規範(Code of Conduct)と運営の一貫性で生まれます。
行動規範(抄)
1) 尊重:信念・体験の多様性を尊重し、否定・嘲笑を禁じます。 2) 安全:個人情報の第三者共有を禁止します。 3) 境界線:医療・法務等の専門的判断を求めないでください。 4) 宣伝:営利目的の勧誘は事前許可制。 違反時:注意→一時停止→退出(段階措置)。
運営の最小ルーチン
- 月例オンライン会(60分):近況共有→テーマ講義→Q&A
- 週次スレッド:今週の“小さな一歩”を宣言→週末に振り返り
- モデレーション:通報フォーム→24h以内に初期対応
プラットフォーム Facebookグループ/Discord/クローズド掲示板など、あなたの習慣に合う場を選び、入会条件と退会手続きを明記します。
価格設計・改定の伝え方
価格は価値と持続可能性のバランス。改定は予告・理由・救済の3点セットで静かに行います。
- 価値の棚卸し:成果・プロセス・付帯サービスを言語化(Day3の統合パート=価値)。
- 区分設計:初回/単発/継続/回数券などの段差を設計。
- 予告:14〜30日前に既存顧客へ先出し通知。
- 救済:据え置き期間(グランドファザー)や回数券の駆け込みを提供。
- FAQ:意図・影響・代替手段を明記。
告知テンプレ(メール)
件名:価格改定のお知らせ(○/○適用・既存の方の救済あり) 本文:継続的に質を維持するため、○/○より価格を改定します。既存の皆さまは△/△まで現行価格を据え置き、回数券のご購入も可能です。ご不安は遠慮なくご相談ください。
サイト告知(短文)
○/○より価格改定を実施します。既存の皆さまの救済措置あり。詳細はリンク先をご確認ください。
データ:紹介率とLTVの算出
指標の定義
指標 | 定義 | 式 |
---|---|---|
紹介率 | 紹介経由の新規割合 | 紹介新規 / 全新規 |
LTV | 顧客生涯価値(粗利ベース) | 平均単価 × 平均継続回数 × 粗利率 |
サンプル計算(置き換え推奨)
項目 | 値 | メモ |
---|---|---|
平均単価 | ¥9,000 | 60分セッション |
平均継続回数 | 5.2回 | 過去6か月平均 |
粗利率 | 0.80 | 手数料・経費を除外 |
LTV | ¥37,440 | = 9,000×5.2×0.80 |
注意:LTVは前提で大きく変わります。キャンセル率・割引・回数券の影響を反映しましょう。Day4のダッシュボードに列を追加すると便利です。
まとめと最終CTA
5日間で、(1) 用語と境界線(Day1)、(2) ヒアリングと同意(Day2)、(3) 60分の進行(Day3)、(4) KPIと改善(Day4)、(5) 長期関係と価格設計(本日)をつなげました。これで“優しさを仕組みに変える”土台は完成です。次はあなたの現場に合わせて微調整し、数字で確かめながら磨いていきましょう。
FAQ
- Q. 紹介特典は金額よりも別特典の方が良い?
- A. サービス価値(優先枠・追加10分・資料)が喜ばれる傾向。割引と併用する場合は条件を明確に。
- Q. コミュニティでの対立が不安です
- A. 行動規範と段階措置(注意→一時停止→退出)を先に明示。モデレーションの“時間目標”を決めておきましょう。
- Q. 価格改定で離脱が出たら?
- A. 価値の再言語化と代替プラン(回数券・短時間枠)を用意。一定の離脱は“適合”の健全化でもあります。