
反復パターンを見抜く観察フレーム
Day1では言葉の定義を揃えました。
今日は、判断より観察を合言葉に、反応の起点と流れを記録する仕組みを整えます。
カルマは“罰”ではなく傾向性。
その仮説を静かに管理し、明日以降の共存プロトコルづくり(Day3)へ橋渡しします。
観察テンプレ:TFBR(Trigger→Feeling→Behavior→Result)
感情は悪者ではありません。
反応のナビゲーターです。TFBRは、出来事(Trigger)から結果(Result)までの流れを短時間で掬い取るための最小構成。
事後に1〜2分で十分です。
記録項目と例
項目 | 例 | メモ |
---|---|---|
Trigger(出来事) | 上司から急ぎの修正依頼 | 状況・場所・人を簡潔に |
Feeling(感じたこと) | 焦り、恥ずかしさ、肩のこわばり | 身体感覚も一緒に |
Behavior(とった行動) | 即返信、昼食抜きで対応、独力で抱え込む | やったこと・やらなかったこと |
Result(結果) | 間に合うが疲労、夕方に不機嫌 | 短期の結果でOK |
回復までの時間 | 2時間 | Day4のKPIに活用 |
気づき・次の一歩 | 5分の深呼吸→優先順位確認→必要なら相談 | 小さく・具体的に |
書き方のコツ
- 事実→主観→行動→結果の順で短く。
- 評価語を足さず、描写を優先(例:×「最悪」→○「肩が固い、息が浅い」)。
- 毎回すべて書けなくてOK。気づき・次の一歩だけでも価値があります。
カルマ仮説の立て方(断定を避ける)
カルマを傾向性として取り扱うため、仮説は次の3点を守ります。
- 行動可能性:次の一歩に変換できる仮説にする(例:境界線の再設定)。
- 可逆性:観察により修正・撤回できる余地を残す。
- 非断定:人や出来事に本質的なレッテルを貼らない。
×「私は過去世からの罰で人に尽くす運命」
○「人に尽くしすぎる傾向があるかも。お願いを一旦持ち帰るを試す」
意図マップの描き方
意図マップは、目的・価値・避けたいことを一枚にまとめ、日常の選択を助けるシートです。
領域 | 例(仕事) | 例(人間関係) |
---|---|---|
目的 | 集中して質を上げる | 安心して話せる関係を育てる |
価値 | 誠実・学び・境界線 | 尊重・ユーモア・境界線 |
避けたいこと | 過剰適応・完璧主義 | 自己放棄・迎合 |
合言葉 | 「急がば一呼吸」 | 「一度持ち帰ってOK」 |
印刷やスマホのメモに入れて、朝・昼・夕のいずれかで読み返すだけでも効果があります。
記録セットアップ(3分で準備)
- メモアプリに以下のテンプレを保存(タイトル例:TFBR-2025)。
- ホーム画面にショートカット配置。
- 1日1回、寝る前に1件だけ書く(余裕があれば2件)。
日付: 出来事(Trigger): 感じたこと(Feeling): とった行動(Behavior): 結果(Result): 気づき・次の一歩: 回復までの時間(分/時間):
小ワーク:3日間のミニ記録宣言
以下の文を自分宛に送る(メモやLINEの自分グループで)。
「3日間、TFBRを1日1件だけ書く。完璧は求めない。終えたら自分をねぎらう。」
続け方が不安な方は、無料相談で初回の棚卸しと優先順位決めを一緒に行えます。
よくあるつまずきと対処
- 書くと落ち込む:評価ではなく描写に戻る。身体感覚を1行足す。
- 時間がない:1件30秒でOK。Feelingと次の一歩だけでも。
- 仮説が重くなる:言い切りを避け、かもしれないを付ける。
まとめ
観察は、自己否定の道具ではなく選択を増やすための灯りです。
TFBRで反応の流れを可視化し、カルマ仮説は行動につながる形で仮置きする。
意図マップは、その日その時の選択を支える小さな羅針盤。
明日のDay3では、これらを使って共存プロトコル(呼吸・境界線・セルフトーク・リハーサル)へ落とし込みます。