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何を任せる?何を持つ?お金業務の線引き設計|スピ講師のためのお金アウトソーシング5DAYS【Day2】

何を任せる?何を持つ?お金業務の線引き設計|スピ講師のためのお金アウトソーシング5DAYS【Day2】

はじめに

Day1では、お金業務を抱え込むコストと、外注によるリターンを整理しました。
今日はさらに一歩進み、あなたの現場に合わせて 「何を任せ、何を自分で持つか」を具体化します。
お金にまつわることが苦手でできないのなら、無理に抱え込まず アウトソーシングする方が良い
——ただし、線引きと権限の設計が前提です。

本記事は一般情報であり、税務・法務の最終判断は専門家(税理士・弁護士・FP)にご相談ください。

1. お金業務の全体マップ

主要タスク群

  • 請求:見積・請求書発行・送付・督促
  • 入金:入金照合・未収フォロー
  • 経費:領収書回収・仕分・証憑保管
  • 記帳:クラウド会計入力・月次試算表
  • 税務:年末調整(該当時)・確定申告サポート
  • 契約:NDA/基本契約/個別契約の管理
  • ツール:請求/会計/ストレージ/パスワード管理

よくあるボトルネック

  • 請求送付の遅延→入金遅れ→キャッシュ不安
  • レシート後回し→月末一括入力→ミス増加
  • アカウント共有の雑さ→セキュリティリスク

後回しは“波”を乱します。仕組みで先に整えるのが近道です。


2. “任せる/共同/自分で”の線引きマトリクス

判断基準は「価値への影響」「専門性」「リスク」「個人性」の4軸です。下表は一般的な目安です。

タスク推奨区分理由注意点
請求書発行・送付任せる手順化しやすい・定期性高いテンプレ統一、送信前ダブルチェック
入金照合・未収フォロー任せるSOPで自動化/半自動化可督促文面は雛形+最終送信は本人承認
領収書回収・仕分任せるルール化で品質安定科目ルール表を共有
クラウド会計への記帳任せる(または共同)専門性・分量が大きい仕訳基準の指示書を作成
月次レポート作成共同数値解釈は本人の意思決定に直結フォーマット固定+ミーティング
税務申告(確定申告)任せる(専門家)法令遵守・リスク対応必要資料の期日提出は本人が責任
価格改定・返金可否決定自分でブランド・信頼に直結外注は材料整理まで
重要告知文面の最終承認自分でメッセージの“温度”を守る外注はドラフト作成まで

“自分で”は「手作業する」の意味ではなく、最終判断・承認の責任を持つという意味です。

3. 線引きテンプレ

下記のサンプルを自分用にコピーして使ってください。

カテゴリタスク区分(任せる/共同/自分)品質基準(Doneの定義)SLA/期限
請求請求書発行・送付任せるテンプレNo.01に沿い相手名/金額/期日一致毎週火曜12:00まで
入金入金照合任せる入金一覧と請求台帳の差異0週次レポート金曜17:00
経費領収書回収・仕分任せる証憑100%回収、科目ルールに一致翌月3営業日内
記帳会計入力共同エラー率1%未満、承認フロー通過翌月5営業日内
税務確定申告任せる(専門家)必要書類一式提出済・確認MTG完了税理士指定期日
契約NDA/基本契約管理共同最新版のみ稼働、失効なし四半期レビュー

4. 役割と権限:最小権限の考え方

外注時の基本は最小権限(Least Privilege)。閲覧・編集・送金を分け、送金だけは本人が実行する形を推奨します。

タスクあなたオンライン秘書記帳代行/税理士権限の例
請求書発行A(承認)R(実行)C(相談)請求ツール:編集可/送信は要承認
入金照合ARC入金CSVの閲覧のみ、銀行は閲覧権限
経費仕分ARC会計:入力可/承認はあなた
月次レポートA/RRCダッシュボード閲覧可
確定申告ACR会計データ共有、提出は税理士
  • 共有はパスワードマネージャで(直送付は避ける)
  • 2段階認証のバックアップコードは金庫保管
  • アクセスログは月次で確認

5. 運用KPIとレビュー頻度

線引き後は、見える化継続レビューで品質を保ちます。

KPI目標値の目安レビュー頻度備考
請求遅延率0%週次締切前自動リマインド
入金未照合件数週末時点で0件週次差異は即共有
仕訳エラー率<1%月次サンプル監査
証憑回収率100%月次不足は翌月3営業日内に補完
月次締め日遵守100%月次ダッシュボードで可視化

6. 小さなワーク提出(習慣化の第一歩)

一貫性を育てるための“超ミニ”ワークです。10分でOK。

  1. 今月のタスクから、任せたい3つ自分で持つ3つを選ぶ。
  2. 上のテンプレ(抜粋)にSLAと品質基準を1行ずつ追記。
  3. 結果のスクリーンショットをLINEに送信(後日フィードバック)。

提出することで「やる」と決めた自分との約束を守れます。小さく始めて、続けましょう。

FAQ

Q. はじめから全部任せても大丈夫?

A. 段階移行が安全です。まずは請求・入金照合など定型から。判断が必要な領域は共同→慣れたら外注拡張でもOK。

Q. 情報共有が怖い…

A. 最小権限・NDA・2段階認証・ログ監査。これらの仕組みが前提です。送金は分離しましょう。

Q. 予算感は?

A. ライト運用(5〜15時間/月)で1.5〜4万円が一つの目安。記帳量や税理士の関与で変動します。

まとめ:線引きが、安心と余白をつくる

「任せる/共同/自分で」の3分類と最小権限の設計ができれば、外注は怖くありません。お金が苦手なら、できない部分は 適切にアウトソーシングする方が良い。今日決めた線引きは、あなたの本業の集中力と波を守る土台になります。 次回Day3は、求人→選定→契約→引継ぎの実装手順へ。

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