
会社員+週末起業/専業 別・お金の設計図テンプレ
Day1で「給与は年末調整・事業は確定申告」というレーン分けを学びました。Day2はさらに一歩進め、お金が混ざらない“4レーン設計”を完成させます。会社員+週末起業でも、専業でも、やることは同じ。違うのはレーンの使い方だけです。
この記事は一般的な情報提供であり、個別の税務・会計助言ではありません。制度や適用は状況により異なります。迷ったら早めに専門家へご相談ください。
Day1の要点ふりかえり(30秒)
- 年末に慌てる原因=分解不足。まとまり→分類→手順→習慣に細分化。
- 給与は年末調整、事業は確定申告のレーンで処理。
- 「見る時間を先に置く」:1分入力/15分締め/月1見直し。
“4レーン設計”の全体像
迷いの多くは「どこに、何を、どう置くか」が曖昧なことから生まれます。以下の4つのレーンを決めるだけで、ほとんどの混乱は解消します。
4レーンの定義と役割
| レーン | 目的 | 主なツール | 成果物/確認ポイント |
|---|---|---|---|
| ① 収支 | 売上・経費・利益の把握 | 会計アプリ/表計算 | 月次サマリ、粗利、未回収一覧 |
| ② 口座 | 資金の出入りを分離 | 銀行口座(事業/家計) | 入出金の混在ゼロ、税積立の自動化 |
| ③ レシート/証憑 | 取引の証拠を残す | 写真保存・メールフォルダ・クラウド | 欠損ゼロ、検索性、家事按分メモ |
| ④ 請求/売上 | 請求と入金の同期 | 請求書ツール/スプレッドシート | 請求・入金の一致、滞留の見える化 |
働き方別(会社員+週末起業/専業)の使い分け
| 項目 | 会社員+週末起業 | 専業(個人事業主) |
|---|---|---|
| 口座/カード | 家計口座+事業用1口座に集約。カードも事業専用を1枚。 | 事業用口座複数(運転/税積立)まで拡張可。カードは事業専用を基本2枚(予備)。 |
| 記帳頻度 | 月2回15分で十分。繁忙期は週1。 | 週1×15分+月末締め。入金/未収の管理を強化。 |
| 税積立 | 売上入金時に一定割合を自動振替(例:入金の一部)。 | 粗利ベースで月次調整。別口座へ自動振替+四半期で見直し。 |
| 請求/入金 | 都度or月1請求。入金確認は15分締め時に一括。 | 締め日・回収条件を標準化。滞留は即時アラート。 |
| 証憑管理 | 写真保存+メールフォルダ固定。家事按分メモを一箇所に。 | クラウド保管+命名規則。証憑欠損の定期チェック。 |
口座・カードの用途固定化(混ざりを0に)
- 必須 事業用口座を最低1つ。家計と完全分離。
- 推奨 税積立専用のサブ口座を1つ。入金時に自動振替の設定。
- 推奨 事業専用クレカを1枚(専業は2枚)。オンライン決済も事業用に一本化。
- 命名 インターネットバンキングの口座名に「【事業】運転」「【事業】税積立」などと付記。
- 検索性 レシート写真は「YYYY-MM-店名-金額-用途.jpg」の命名規則。
迷ったら「これは家計?事業?」と自問し、事業の流れにのった支出は事業カード、それ以外は家計カードへ。曖昧はメモして保留→後で判断。
週次・月次ルーティン:15分で回す
週次(または月2回)15分メニュー
- 1分入力の漏れ補完(写真/メールの証憑をひとまとめ)
- 口座明細の確認:家計と事業の混在ゼロを維持
- 請求と入金の照合、滞留フラグ
- 税積立の自動振替が実行されているか確認
月末ミニ締め(30分まで)
- 売上・経費のサマリ、粗利の目視
- 未回収・未入金の把握とアクション決定
- 翌月の入金予定表を更新(キャッシュの谷を回避)
移行期チェック:開業届/青色/控除/税積立
「週末起業→専業」へ移る/移りそうな方は、以下の観点だけ先に押さえましょう。詳細の制度適用は個別に異なります。
- 開業届:切り替えを意識したら早めに準備。屋号・業務内容・開業日を決める。
- 青色申告:メリット(控除・家事按分・引当等の枠組み)を検討。記帳体制の整備が前提。
- 控除:保険料控除、医療費、扶養などは家計側の管理も必要。家計×事業の連動を意識。
- 税積立:入金の一定割合を税積立口座へ。四半期ごとに割合を見直す。
比率は状況で変わります。まずは小さく始め、回しながら調整が正解です。
ミニワーク:テンプレと提出方法
ミニワーク:あなたの“4レーン設計”を3分で作る
対象:会社員+週末起業/専業 いずれでも同じ型。まずは空欄を埋め、後で調整でOK。(入力内容は端末内のみ/コピー保存可)
基本プロフィール
① 収支(売上・経費・利益)
目的:粗利と固定費のあたりを掴む。完璧でなくてOK、まずは列挙。
② 口座(混在ゼロ化)
入口で勝つ:家計と事業の分離が最優先。曖昧はメモして後で判断。
③ レシート/証憑(散らばり防止)
「後でやる」をなくすための検索性を先に作る。
④ 請求/売上(入金ズレ対策)
目的は可視化。まずは一覧→次に運用ルールを1つ決める。
週次/ 月2回:15分ルーティン(チェック)
疑問メモ(あとで相談)
※ 迷いは年末まで保留せず、メモ→相談へ。
FAQ
- Q. 事業用口座は必ず新規で作るべき?
- A. 既存口座でも運用は可能ですが、混在ゼロにできる方を選んでください。名称やメモで用途を明確にすると続きます。
- Q. 税積立の割合はどれくらい?
- A. 目安は状況により異なります。まずは固定の割合を小さく始める→四半期ごとに実績でチューニングが現実的です。
- Q. レシートの写真がごちゃつきます。
- A. 命名規則を作ると検索が一気に楽になります。例:
2025-11-10_cafe_650_training.jpgのように「日付_店名_金額_用途」。 - Q. 請求書の作り方が不安。
- A. まずはテンプレに沿って必須項目(宛名・日付・品目・金額・支払期日)を揃えましょう。入金確認のフロー(通知・チェック)までセットで。
- Q. 週末起業から専業に切り替えるタイミングは?
- A. 数字と生活の両面で準備が整ったサイン(安定した粗利、税積立が回る、未回収率の低さ)が目安です。迷ったらLINEで現状を共有してください。
つまずいたら30秒で相談
テンプレを埋めた写真をLINEで送れば、あなたの働き方に合わせた最小の一手をメッセージで返します。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の読者に対する税務・会計・法的助言ではありません。最新の制度や具体的な適用については、必ず公的機関や専門家にご確認ください。