
月次15分で終わる!スピ系講師の超シンプル経理
Day2で作成した“4レーン設計”を、いよいよ日常運用に落とし込みます。鍵は「溜めない仕組み」×「迷わない分類」。本稿では、スマホ中心の即時入力フローと、スピ系講師で頻出する“8割パターン”の分類表を配布。月次15分で締められる具体手順までを一気に整えます。
この記事は一般的な情報提供であり、個別の税務・会計助言ではありません。制度や適用は状況により異なります。迷ったら早めに専門家へご相談ください。
Day1/Day2の要点ふりかえり(30秒)
- 給与=年末調整、事業=確定申告。レーンを分けるが基本。
- “4レーン設計”=収支/口座/レシート/請求。まず置き場所を決める。
- 「1分入力」「15分締め」「月1見直し」で溜めない。
最小セットアップ:口座・カードの用途固定化
事業用口座
- 必須 家計と完全分離(入出金が混ざらない)。
- 推奨 税積立専用サブ口座を追加し、入金時に自動振替。
事業用カード
- 必須 事業専用カードを1枚(専業は2枚)。
- 推奨 サブスク等の固定費は同じカードに集約。
命名&可視化
- 命名 口座名に「【事業】運転」「【事業】税積立」。
- 可視化 明細は月2回エクスポート(CSV)。
スマホ即時入力フロー(1分運用)
- 購入直後にレシートを撮影(全体が入るように)。
- 写真のファイル名を「YYYY-MM-DD_店名_金額_用途」に。
- クラウドの月別フォルダへ保存(例:2025-11)。
- 同時にメモへ金額・用途・支払方法を1行追記。
- オンライン決済はメールを専用フォルダへ自動振り分け。
目的は完璧な仕訳ではなく、証憑が散らばらないこと。後で15分締めのときに整えれば十分です。
“8割パターン”で迷わない科目分類
スピ系講師で頻出の支出は、以下のパターンでほぼ網羅できます。ツール名や呼び名は使っている会計サービスに合わせて調整してください。
| よくある取引 | 分類の考え方(例) | 補足メモ |
|---|---|---|
| 会場費・レンタルスペース | 地代家賃 or 会議費 | 短時間の打合せ用途は会議費扱いのことも。用途メモ必須。 |
| オンライン会議ツール(Zoom等) | 通信費 | サブスクはカード固定化。 |
| 広告・SNSプロモーション | 広告宣伝費 | キャンペーン名でタグ付け。 |
| 決済手数料(Stripe等) | 支払手数料 | 売上と紐づけ管理。手数料差引入金に注意。 |
| 教材・書籍・講座受講 | 研修費 or 新聞図書費 | 成果メモ(学び→実践)を残す。 |
| 備品(マット、撮影ライト等) | 消耗品費 | 金額や耐用年数で固定資産判定の可能性に注意。 |
| 通信・スマホ料金 | 通信費(家事按分) | 按分比率と根拠をメモ。 |
| 交通費(対面セッション移動) | 旅費交通費 | 行先・目的の記録。 |
| 写真・デザイン外注 | 外注費 | 請求書・契約履歴を保管。 |
月次15分締めチェックリスト(手順)
- 証憑集約:写真フォルダとメールフォルダを開く。
- 明細確認:事業口座・事業カードの明細を今月分だけ表示。
- 入力補完:未入力の取引をまとめて反映(1分メモ→会計へ)。
- 請求/入金照合:滞留があればフラグ(次のアクションを1つ)。
- 税積立:自動振替の実行をチェック。必要なら手動で補正。
- サマリを見る:売上、経費、粗利を目視。先月との差だけ把握。
- 次月の予定:入金予定表を更新し、リマインドを設定。
重要なのは止めどころを決めること。15分を超えそうなら、疑問はメモ→LINEで質問へ。
事例:週末→専業でも“山”が消えた理由
週末起業から専業に移行したAさん(30代・スピ系講師)。以前はレシートが紙袋に溜まり、12月に毎年3日潰れていました。Day1〜2の設計後、次の3点だけ実行:
- 事業用口座+税積立口座を分離し、サブスクを事業カードへ集約
- レシートは即時撮影&命名規則、オンライン明細は自動振り分け
- 月次15分チェックリストをタイマーで実行、疑問は即LINEで質問
結果、年末の“山”は「月次の小石」に。未回収も早期に可視化され、年末は確認だけで完了しました。
配布:チェックリスト
今日から使える実務テンプレを配布します。あなたの環境に合わせて自由に調整してください。文末にあります
FAQ
- Q. 仕訳に自信がありません。
- A. 最初から完璧は不要です。8割パターンで揃えて、迷いはメモ→後で相談へ。年末まで放置する方が負担になります。
- Q. 家事按分の比率はどう決めれば?
- A. 代表的な基準(時間・面積・回線の利用割合など)をメモで残すだけでも十分に役立ちます。詳細の最適化はDay4で触れます。
- Q. 現金払いが混ざります。
- A. 事業ではなるべく現金を避け、カード/振込に寄せると追跡が簡単。現金使用時は即写真+メモでカバー。
- Q. 会計アプリはどれが良い?
- A. 使い慣れたものが最優先。目的は「溜めない」こと。スマホで即時入力できるかを基準に選びましょう。
つまずいたら15分の前に相談
チェックリストで進め、迷いが1つでも出たら、その場でLINEへ。数行の質問で、月末の30分が浮きます。
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の読者に対する税務・会計・法的助言ではありません。最新の制度や具体的な適用については、必ず公的機関や専門家にご確認ください。