
「高額が怖い」「お金を受け取るのが申し訳ない」と感じているのに、 どこかで「もっと売らなきゃ」「結果を出さなきゃ」と焦ってしまう。 スピ系講師として活動していると、そんな ブレーキとアクセルを同時に踏んでいるような感覚 を覚えることがありませんか。
Day2では、そのモヤモヤの正体である 「お金のブロック」と「独りよがりな講座設計」の関係 を、心理面から丁寧にほどいていきます。
結論から言うと、 お金にブロックのある講師が、売る気満々で独りよがりな商品・サービスを提供しようとしても、構造的に売れにくい という現実があります。 それは、あなたの能力や人柄の問題ではなく、 仕組みの問題です。
このDay2は、あなたを責めるための内容ではありません。 「なぜそうなってしまうのか?」を理解することで、 自分を責めるループから抜け出し、冷静に講座を整えられる土台をつくる回です。
目次
はじめに:お金のことを真面目に見る勇気
スピリチュアルな世界では、「お金」にネガティブなイメージが乗りやすくなります。 「お金に執着するのは良くない」「お金よりも光や愛が大事」といった価値観に触れる機会も多いでしょう。
その一方で、現実的には家賃や生活費、自己投資の費用も必要です。 クライアントが増えれば、Zoomやツール、サポート体制を整えるための費用もかかります。
このギャップが大きくなるほど、 お金の話をすること自体に罪悪感や怖さ を感じやすくなり、それが「お金のブロック」と呼ばれる状態につながっていきます。
お金のブロックがあると、 本来なら冷静に考えるべき 「価格」「内容」「サポートの範囲」 といった講座設計の要素を、感情だけで決めてしまいやすくなります。
その結果、 講座の中心がクライアントではなく、自分の不安や不足感になってしまう のです。 ここから、「独りよがりな商品・サービス」が生まれていきます。
「お金のブロック」とは何か?スピ系講師ならではの特徴
ここで、一度「お金のブロック」という言葉を整理しておきましょう。 一般的には、 「お金に対してネガティブな思い込みがある状態」 と説明されることが多いですが、スピ系講師ならではの特徴があります。
スピ系講師に多い3つのお金のブロック
受け取ることへの罪悪感
「こんなに高額を受け取っていいのだろうか」「相手の生活を圧迫してしまうのではないか」と、
高額になるほど罪悪感が強くなるタイプです。
その結果、価格設定が常に揺れたり、必要以上に値下げしてしまったりします。
お金=汚いもの・欲深いものというイメージ
過去の経験や環境から、「お金の話をする人=ガツガツしていて苦手」というイメージを持っているケースです。
この場合、
「売ります」「高額です」とはっきり言うこと自体に強い抵抗を感じます。
高額=すごい人、安価=たいしたことない人という二極思考
自分が高額を取れない状態を「まだすごくないから」と結びつけてしまうタイプです。
そのため、無理をしてでも高額をつけようとし、内側の準備と外側の価格のギャップが大きくなりがちです。
これらのブロックがあること自体は、悪いことではありません。 大切なのは、 どんなブロックが、自分の講座設計にどう影響しているのか を、冷静に見られるようになることです。
お金のブロックが「売りたい気満々」を生み出す3つの流れ
では、お金のブロックがあると、なぜ「売りたい気満々」「独りよがりな講座」になりやすいのでしょうか。 ここでは、その流れを3つのステップに分けて見ていきます。
流れ1:不足感から「一発逆転」を狙いたくなる
お金への不安や不足感が強いと、 「この講座が売れなかったらどうしよう」という恐れから、 無意識に 一発で状況を変えるような高額商品 に意識が向かいやすくなります。
その結果、
- 今の自分の提供体制を超えたボリュームの講座
- クライアントの状況に対して急激すぎる変化を約束するプログラム
- 「とにかく高額なコース」をつくること自体が目的になったパッケージ
が出来上がってしまうことがあります。
流れ2:「売れなかったら怖い」から売り込みが強くなる
無理をしてでも高額の商品をつくると、 当然ながら「売れなかったらどうしよう」という恐怖も大きくなります。
恐怖が大きくなるほど、 「何とかして売らなきゃ」というエネルギー が前に出てしまい、 メッセージやトークが 「売るために相手を説得するモード」 に入りやすくなります。
たとえば、
- 相手の不安やコンプレックスに強く触れる表現が増える
- 「今決めましょう」と強く迫ってしまう
- 相手の事情よりも、自分の売上目標を優先してしまう
といった言動が出てきます。 受講生から見ると、ここで 「売りたい気満々の講座だな」 と感じられやすくなります。
流れ3:クライアントの変化ではなく「売れたかどうか」が基準になる
売上へのプレッシャーが強くなると、 講座の評価基準が 「受講生がどれだけ変化できたか」ではなく、 「いくら売れたか」 に偏りやすくなります。
その結果、
- クライアントの現状や準備段階を細かくヒアリングしなくなる
- 合わない人にも、とりあえず高額講座を勧めてしまう
- 講座の内容を、クライアントではなく自分の満足感で決めてしまう
という流れが起こり、 講座の中心が完全に講師側の都合になってしまう のです。
ここまでの3つの流れをまとめると、
お金のブロック → 不足感・恐怖 → 一発逆転を狙った高額商品 → 売らなきゃという焦り → クライアントではなく売上基準の講座設計
という構造になっていることがわかります。
独りよがりな商品・サービス設計の具体例
ここからは、もう少し具体的に 「独りよがりになりやすい講座設計」 の例を見ていきましょう。 あなたの講座と照らし合わせながら読んでみてください。
例1:ボリュームだけ盛りだくさんの講座
不安から「これだけ入っているなら高額でも納得されるはず」と考え、 コンテンツを足し算で増やしていくパターンです。
- 動画講座×○本+グループセッション×○回+個別セッション×○回+チャットサポート…
- 実際には、受講生がすべてを消化しきれないほどの量になっている
- 「たくさんある」ことが価値だと思い込んでしまう
これは、 講師の「高額に見せたい」という安心のための設計 になってしまいがちです。
例2:講師の自己探求が中心になっている講座
「私がここまで来られた方法を全部教えます」「私の宇宙とのつながり方をそのままお伝えします」 というタイプの講座です。
自己開示自体は素晴らしいのですが、
- 受講生の現状やゴールが、講師と同じとは限らない
- 講師の物語がメインで、受講生の物語が脇役になってしまう
ことで、 「講師の自己実現のための講座」に見えてしまう ことがあります。
例3:バックエンドありきで作られた講座
「まず体験セッションで入口をつくり、そのあとに○○万円の講座を売る」といった 流れだけが先に決まっているケースです。
- 体験セッションの時点で、相手の状況よりも「どう高額につなげるか」が頭の中心にある
- 結果として、必要以上に高額講座を勧めてしまう
こうした設計は、 講師の売上計画を達成するための構造 になりやすく、 受講生からは「売りたい気満々」と受け取られてしまいます。
繰り返しになりますが、これらは 「ダメな講師の例」ではなく、 お金のブロックと不足感から自然に生まれてしまうパターン です。 問題は、気づかないまま続けてしまうことにあります。
クライアント視点を取り戻す3つの問いかけワーク
ここからは、独りよがりになりかけた講座を クライアント視点に戻していくための3つの問い をご紹介します。 ノートを開いて、一つひとつ書き出してみてください。
問い1:この講座は「誰の」「どんな現実」を変えるためのものか?
「スピ系講師全般」や「女性全般」のような広い表現ではなく、 具体的な一人を思い浮かべて書きます。
- その人は今、何に悩んでいるのか
- お金・仕事・人間関係・自己肯定感など、どんなテーマを抱えているのか
- この講座を受けたあと、どんな日常になっていてほしいのか
ここが曖昧なままだと、 「とりあえず高額を売るための講座」 になりやすくなります。
問い2:その人は、どんなペース・どんなサポートなら無理なく変化できるか?
講師側の都合(今月の売上目標やスケジュール)ではなく、 クライアントの現実に合わせて考えます。
- 子育てや仕事との両立を考えると、どれくらいの頻度が現実的か
- 動画視聴より、対話の時間が多いほうが良いタイプではないか
- 一度に大きく変えるより、小さな変化を積み重ねる方が安全ではないか
こうした視点を入れることで、 「講師の安心のためのボリューム」から「クライアントの変化のための設計」 に切り替えることができます。
問い3:もしお金の不安がなかったら、この講座はどう変わるか?
最後の問いは、 お金のブロックを一度脇に置いて考えるための質問 です。
「もし今、生活の心配が一切なかったとしたら…」
という前提で、
- 価格はどうしたいか
- サポートの期間や内容はどう変えたいか
- どんな人に、どんな気持ちで届けたいか
を書き出してみてください。
そこに出てきた答えが、 あなたの本音に近い講座設計 です。 実際にそのまま実行するかどうかは別として、 一度「お金の不安」と切り離して考えることで、 独りよがりの要素が浮かび上がりやすくなります。
今日できる整理ワーク:数字と感情の棚卸しシート
最後に、今日から取り組める 数字と感情の棚卸しシート をご紹介します。 ノート1ページを使い、次のように2つの欄をつくってみてください。
- 左側:数字の欄(現実的な必要金額・提供できる時間など)
- 右側:感情の欄(怖さ・不安・罪悪感・理想の状態など)
それぞれに、以下の項目を書き出していきます。
数字の欄
- 毎月の最低限必要な生活費
- スピ系の活動にかけている経費(ツール・家賃・通信費など)
- 講座にかけられる自分の時間(1人あたり)
- その時間に対して、現実的に受け取りたい金額の目安
感情の欄
- 「この価格を受け取るのが怖い」と感じる理由
- 「この価格なら安心して受け取れる」と感じるライン
- お金のことで一番怖い未来のイメージ
- お金のことで本当は望んでいる未来のイメージ
書き出したあと、 左右の欄を眺めながら、 「講座の価格と内容は、数字と感情のどちらを基準に決めていたか」 を振り返ってみてください。
もし、ほとんどを感情だけで決めていたと気づいたら、 それは 「独りよがりな講座」から「現実と調和した講座」へシフトするスタートライン です。
よくある質問
Q. お金のブロックがあるまま活動していても、うまくいく人はいるのでしょうか?
A. まったくブロックがない人の方が少ないので、多くの人は何らかのブロックを持ったまま活動しています。 ただ、 ブロックに気づいているかどうか の違いは大きいです。 気づいていれば、講座設計や価格設定のときに「これは不安からの選択かもしれない」と立ち止まることができます。 気づかずに進めると、「売りたい気満々」の構造に飲み込まれやすくなります。
Q. お金のブロックを外さないと、高額講座を売ってはいけませんか?
A. 「完全にブロックが外れないと売ってはいけない」ということはありません。 大事なのは、 今の自分の状態を自覚し、そのうえでクライアントにとって誠実な設計になっているか を確認することです。 不安が強いときは、サポート体制を手厚くしたり、価格や人数設定を調整したりすることで、少しずつ安全に広げていくこともできます。
Q. 「売る気がないように見える」と言われたこともあります。どうバランスを取れば良いですか?
A. 「売りたい気満々」と同じくらい、「売る気がない」ように見えることも、受講生を不安にさせます。 ポイントは、 「押す・引く」ではなく「情報を整えて、安心して選べる状態をつくる」 ことです。 価格の根拠やサポート範囲、リスクや注意点も含めて誠実に伝えることで、売り込みではなく「丁寧な案内」になっていきます。
まとめ:構造が変われば、売れ方も変わる
Day2では、 スピ系講師のお金のブロックが、 どのようにして 「売りたい気満々」で独りよがりな講座設計 を生んでしまうのか、その流れを見てきました。
- お金のブロックは、「一発逆転」を狙う高額講座を生みやすい
- 不足感と恐怖から「何とか売らなきゃ」というエネルギーが強くなる
- 講座の中心がクライアントではなく、講師の不安や売上目標になってしまう
- その結果、お金にブロックのある講師が売る気満々で独りよがりな商品・サービスを提供しようとしても、売れにくい構造 ができあがる
逆に言えば、 構造が変われば、売れ方も変わる ということでもあります。
次回のDay3では、 「売りたい気」ではなく 「クライアントの変化」から逆算して講座を設計する具体的なテンプレート をお届けします。 今の講座をそのまま使いながら、誠実で伝わりやすい形にリライトしていく方法を、一緒に見ていきましょう。
\ お金のブロックと講座設計を一度整理したい方へ /
「自分の講座は、もしかしたら独りよがりかもしれない…」
そう感じたとしても、それは
見直しのタイミングに気づけたサイン
です。
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