
クライアントの「口癖」から無意識の前提を読む方法
はじめに:クライアントの「いつもの口癖」にこそ、鍵がある
Day1では、まずはスピ系講師であるあなた自身の「口癖」を整えることが、 無意識(潜在意識)にアプローチするうえで大切だというお話をしました。 「ネガティブな言葉を発しない」ではなく、 「自分の未来を楽しくワクワクできるように考えてみる」という 未来を前提にした言葉選びを、一緒に見てきました。
Day2のテーマは、「クライアントの口癖から無意識の前提を読む」ことです。 セッションの中で、クライアントさんは本音を隠しているようでいて、 実は何気ない口癖の中に、無意識の前提や信じている世界観をたくさん表現しています。
たとえば、次のような言葉です。
- 「失敗しないように準備しておきたいんです」
- 「迷惑をかけないように気をつけて生きてきました」
- 「傷つかないように、あまり期待しないようにしています」
どれもまじめで、周りを思いやる人がよく口にする言葉です。 ですが、その奥には 「世界は簡単に失敗してしまう場所」「迷惑をかけたらダメ」 「期待すると傷つく」といった前提が隠れていることがあります。
この記事では、スピ系女性講師としてクライアントの言葉をどう聴けばいいのか、 そして「〇〇しないようにする」という前提から、 「こうなったらうれしい未来」へと、 やさしく視点を移してもらうためのステップをまとめました。
読み終わる頃には、クライアントさんの何気ない一言が、 これまでよりも立体的に聞こえてくる感覚が生まれているはずです。
なぜ「言葉を聴く力」がスピ系講師にとって重要なのか
ヒーリングやチャネリング、カードリーディングなど、 スピリチュアルな手法はさまざまありますが、 どのスタイルであっても、最後にクライアントさんに届くのは 「あなたの言葉」です。
セッションの中で、クライアントさんはたくさん話をしてくれます。 その中には、次のような情報が含まれています。
- ・その人がどんな世界観を信じているか
- ・自分のことをどう評価しているか
- ・人との距離感をどう感じているか
- ・未来をどうイメージしているか
こうした情報は、長い説明の中だけではなく、 短い口癖の中にもぎゅっと詰まっています。
そして、無意識の前提は本人にとって「当たり前」になっているため、 クライアントさん自身はそれが前提だと気づいていないことが多いのです。 だからこそ、外側にいるあなたが、 やさしく「前提」に光を当てる役割を担っていきます。
「言葉」と「無意識の前提」のつながりをシンプルに理解する
ここで一度、「言葉」と「無意識の前提」の関係を、 とてもシンプルなイメージで整理してみましょう。
日常で出てくる言葉は、氷山の上に見えている部分のようなものです。 その下には、水面の下で見えにくい 「前提」「思い込み」「当たり前だと思っている世界観」 が広がっています。
たとえば、 「迷惑をかけないように気をつけてきました」という言葉の下には、 こんな前提が眠っているかもしれません。
- ・迷惑をかけたら人から嫌われる
- ・人に頼ることはよくない
- ・自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先するべき
これらをすべて一度に変える必要はありませんが、 少なくとも「そういう前提があるかもしれない」と 一緒に見ることができれば、クライアントさんの中で 新しい選択肢が生まれてきます。
大切なのは、「この前提はダメです」とジャッジすることではなく、 「この前提のままだと、クライアントさんの未来がどうなりそうか?」 を一緒に眺めて、必要なら少しずつ書き換えていく視点です。
クライアントの「〇〇しないようにする」口癖パターン例
ここからは、実際によく出てくる 「〇〇しないようにする」タイプの口癖を例に、 その奥の前提と、未来側の視点を見ていきましょう。
例1:「失敗しないように準備しておきたい」
・表に出ている言葉:失敗しないように準備しておきたい
・考えられる前提:
- ・失敗は良くないこと、避けるべきもの
- ・一度失敗したら取り返しがつかない
- ・周りはミスを許してくれない
・未来側からの問いかけの例:
「もし、失敗も含めて学びになるとしたら、 どんな準備ができたら安心して一歩踏み出せそうですか?」
例2:「迷惑をかけないように、あまりお願いしないようにしています」
・表に出ている言葉:迷惑をかけないように、あまりお願いしないようにしています
・考えられる前提:
- ・人にお願いすることは迷惑になる
- ・自分はなるべく負担をかけない存在でいるべき
- ・頼ると嫌われるかもしれない
・未来側からの問いかけの例:
「もし、お互いに助け合える関係が自然に続いていく未来があるとしたら、 どんなお願いの仕方なら心地よく感じられそうですか?」
例3:「期待しすぎないように、なるべく冷静でいようと思っています」
・表に出ている言葉:期待しすぎないように、なるべく冷静でいようと思っています
・考えられる前提:
- ・期待すると、どうせがっかりする
- ・感情が大きく動くと、あとで痛い目にあう
- ・喜びやワクワクよりも、冷静さを優先するべき
・未来側からの問いかけの例:
「もし、期待しても大丈夫な人間関係や状況が増えていくとしたら、 どんな自分でそこに関わっていたいですか?」
こうした問いかけは、クライアントさんから 「間違った考えを直させる」ためのものではありません。 あくまで、「前提を一緒に眺めて、未来の選択肢を増やす」ための やわらかい誘導です。
前提をそっと見直してもらう質問のコツ
クライアントの前提に触れるときは、少しの工夫で、 相手の心の安心感が変わってきます。 ここでは、日常のセッションですぐに使える質問のコツを 分かりやすくまとめておきます。
1. 「間違い探し」ではなく「未来の選択肢探し」として扱う
「その考え方はよくないですね」と修正するような雰囲気になると、 クライアントさんは守りの姿勢になってしまいます。
代わりに、こんな雰囲気の言葉を意識してみてください。
- ・「もし、別の見方もあるとしたら、どんな見方がありそうですか?」
- ・「この前提のまま行ったときの未来と、少し変えたときの未来、両方見てみましょうか」
- ・「これまでよく頑張ってきた前提だと思うので、必要なら新しいものも足していきましょう」
2. 「事実」と「前提」をやさしく分けてあげる
クライアントさんは、自分の前提を「事実」だと思っていることがあります。 そこで、 「実際に起きていること」と「その解釈」を そっと分けてあげると、視野が広がります。
たとえば、こんな質問が使えます。
- ・「実際に起きた出来事を、もう一度だけシンプルに教えてもらえますか?」
- ・「そのとき、どんな解釈や意味づけをしましたか?」
- ・「もし、その出来事を別の人が体験したとしたら、どんな意味づけをしそうですか?」
3. 「こうなったらうれしい未来」から逆算して問いかける
Day1でもお伝えしたように、 「〇〇しないようにする」ではなく、 「こうなったらうれしい未来」を 先にイメージしてもらうのがポイントです。
具体的には、次のような質問が役立ちます。
- ・「1年後、どんな状態になっていたら『うまくいった』と言えそうですか?」
- ・「その未来のあなたは、どんな口癖をよく使っていそうですか?」
- ・「その口癖を今から少しだけ取り入れるとしたら、どの言葉がしっくりきますか?」
クライアント観察用ミニワーク:言葉・感情・前提を書き出す
ここからは、スピ系講師であるあなた自身の学びとして、 クライアントさんの言葉を整理するためのミニワークをご用意しました。 次のセッションから、少しずつ取り入れてみてください。
ステップ1:気になった「口癖フレーズ」をそのまま書く
セッション後のメモとして、クライアントさんがよく使っていた 言葉や表現を、そのままの形で書き出します。
【クライアントの口癖メモ】
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ステップ2:そのときの表情・感情の雰囲気もセットで書く
言葉だけでなく、そのときの表情や声のトーン、 感じ取れた感情の雰囲気も一緒にメモしておきます。
【そのときの表情・感情の印象】
・表情:
・声のトーン:
・伝わってきた感情:
ステップ3:考えられる「無意識の前提」を仮で書いてみる
ここで大事なのは、 「正解を書くこと」ではなく、「仮のメモを書いてみること」です。 こんな前提があるかもしれない、と感じたものを素直に書いてみてください。
【仮の無意識の前提メモ】
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ステップ4:未来側の質問・言葉かけの案を考える
最後に、そのクライアントさんに向けて、 次回のセッションで使ってみたい質問や言葉かけを考えておきます。
【次回のセッションで使いたい質問・言葉】
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ここまで書き出しておけば、 次のセッションでは「どこから話を聴き始めると良いか」が とても分かりやすくなります。
セッション設計への落とし込み:Day2で意識したいポイント
Day2では、クライアントの口癖から無意識の前提を読み取る視点を 見てきました。ここでは、実際のセッション設計に落とし込む際の 大事なポイントを3つにまとめます。
1. いきなり「前提を変えましょう」と言わない
クライアントさんにとって、その前提はこれまで自分を守ってきた 大切なルールであることが多いです。 いきなり「変えましょう」と言うのではなく、 「これまで守ってくれた前提でもあるね」と一度ねぎらうことが大切です。
2. 「禁止」ではなく「選択肢を増やす」方向で話す
「その考え方はやめたほうがいい」という禁止ではなく、 「こういう見方も足してみてもいいかもしれませんね」と、 選択肢を増やすイメージで伝えます。 そうすると、無意識も「新しい前提」を受け取りやすくなります。
3. クライアントの言葉そのものを使いながら未来を見る
クライアントさんが実際に使っている言葉を引用しながら、 未来の話につなげると、ぐっと腑に落ちやすくなります。
例: 「先ほど『迷惑をかけないように』とおっしゃっていましたよね。 もし、お互いにちょうどよく頼り合える未来があるとしたら、 どんな状態が一番しっくりきそうですか?」
このように、クライアントの言葉を未来の扉として使うイメージで セッションを設計していくと、「言葉」から「無意識」への橋が生まれていきます。
まとめ:言葉を変えようとする前に「前提」を一緒に見に行く
クライアントの「口癖」は、その人の無意識(潜在意識)が どんな世界を信じているのかを教えてくれる、大切なヒントです。
「ネガティブな言葉を言わないようにしよう」と表面を整えるだけでなく、 その奥で働いている 「失敗してはいけない」「迷惑をかけてはいけない」 といった前提にそっと光を当てていくことが、 スピ系講師としての深いサポートにつながります。
そして、その前提を責めるのではなく、 「これまで守ってくれていたルール」としていったん受けとめたうえで、 「こうなったらうれしい未来」 から問いかけていくことがポイントでした。
次回Day3では、今回の視点をもとに、 実際のセッションで使える「口癖チェンジ」の流れを、 具体的な会話例とともに整理していきます。 あなたのセッション全体の流れを見直すきっかけとして、ぜひ楽しみにしていてください。
小さな一歩:クライアントの「口癖メモ」を1件だけ作ってみる
Day2の学びを、今日から実践に変えるために、 まずはたった1人のクライアントさんで構いませんので、 「口癖メモ」を作ってみてください。
そのうえで、もしよければ、 そのメモ(匿名でOK)をLINEで送ってみてください。 あなたのメモをもとに、 「どんな前提が隠れていそうか」「どんな質問が合いそうか」を 一緒に整理していきましょう。
LINEでは、 ・口癖メモのフィードバック ・次回Day3の公開情報 ・スピ系講師向けの補足ワーク などもお届けしています。
「口癖メモのシェアです」と一言添えて送っていただければ、 スムーズにやりとりが始められます。
よくある質問
Q. クライアントの前提を読み違えてしまいそうで不安です。
前提の読み取りは、「当てること」が目的ではありません。 むしろ、「こういう前提もありそうに感じますが、どうでしょう?」 とクライアントさんに確認しながら、一緒に見ていく姿勢が大切です。 迷った場合は、決めつけずに質問の形にして返してみてください。
Q. セッション中にメモを取ると、クライアントさんに失礼ではないですか?
「大事なお話なので、忘れないようにメモしながら聴いてもいいですか?」 と一言添えたうえで、 クライアントさんの目の前で丁寧にメモを取ることは、 むしろ「きちんと受け止めてもらえている」という安心にもつながります。 事前に了承を得るひとことがポイントです。
Q. 前提の話をすると、クライアントさんを責めているように感じられませんか?
前提を伝えるときは、 「これまであなたを守ってきた考え方でもありますよね」 「過去には必要だったかもしれないこの前提を、今後も持ち続けるかどうか、 一緒に選び直してみましょうか」と、 過去の自分をねぎらう言葉を添えると、 責められている感じがぐっと減ります。