
クライアントの幸せを願いながら、自分も幸せに活動できる講師であるために
ここまで4日間、クライアントとのかかわりについて考えてきました。
最初の問いは、とてもシンプルなものでした。
「クライアントとかかわることは、あなたの楽しみや幸せにつながっているのか?」
人の役に立ちたい。
自分が学んできたことを伝えたい。
クライアントが前に進むきっかけをつくりたい。
そんな思いで、スピリチュアル系の講師として活動を始めた人もいるでしょう。
ところが、活動を続けていくと、最初の思いだけでは仕事を続けられません。
集客を考える。
売上を考える。
継続してもらう方法を考える。
クライアントからどう思われているかが気になる。
ほかの講師の活動も気になる。
そして、いつの間にか、
「この人の役に立てたらうれしい」
という気持ちより、
「この人に必要とされ続けなければ」
という気持ちが大きくなることがあります。
反対に、
「クライアントのためだから」
と頑張りすぎて、自分自身が疲れ切ってしまうこともあります。
どちらも、長く続けば苦しくなります。
だからこそ、このシリーズの最後に考えたいのは、
「クライアントか自分か」ではなく、「クライアントも自分も大切にできる関係をどうつくるか」
ということです。
Day5では、これまでの内容を一つにまとめながら、これから講師として活動するときに持っておきたい判断基準を整理していきます。
目次
- まず、Day1からDay4までを振り返りましょう
- あなたは何のためにクライアントとかかわっていますか?
- クライアントの幸せは「あなたを必要とし続けること」とは限らない
- 依存させないことを目的にしすぎなくてもいい
- 目指したいのは「必要なときに頼れる関係」
- クライアントの幸せを考えることと、売上を考えることは両立できる
- 講師であるあなた自身の幸せも大切にする
- 迷ったときに戻りたい5つの判断基準
- 関係を見直したほうがよいかもしれないサイン
- 自分で整理できることと、誰かに相談してもよいこと
- これからどんな講師でありたいかを言葉にする
まず、Day1からDay4までを振り返りましょう
このシリーズでは、いきなり、
「こういう講師になりましょう」
という答えを出しませんでした。
まず、自分自身を見るところから始めました。
Day1で考えたこと
Day1のテーマは、
「クライアントとかかわることは、あなたの楽しみや幸せにつながっていますか?」
でした。
クライアントのために何ができるかを考える前に、
「私は、この人とかかわることを楽しめているだろうか?」
と自分自身に問いかけました。
そして、
「私は、この人の幸せを心から願えているだろうか?」
という問いについても考えました。
Day2で考えたこと
Day2では、
「役に立ちたい」と「必要とされたい」は同じなのか
を考えました。
必要とされることがうれしいと感じること自体を否定する必要はありません。
ただ、
「必要とされるとうれしい」
から、
「必要とされないと不安」
へ変わっていないかを確認しました。
Day3で考えたこと
Day3では、説明用の仮想ケースを使いながら、
「支えること」と「自分につなぎ止めること」の違い
を具体的に考えました。
答えをすべて講師が決める。
不安を強めて継続させる。
ほかの選択肢を選びにくくする。
こうしたかかわりではなく、本人が考え、自分で選ぶ余地を残すことについて見てきました。
Day4で考えたこと
Day4では、実際の自分の活動を振り返りました。
セッション。
講座。
継続サービスの提案。
メッセージ対応。
クライアントが卒業するときの対応。
そして、
「私は今、この仕事を楽しめているのか」
ということも確認しました。
ここまでを通して見えてくるのは、クライアントとの関係には、
相手を大切にする視点と、自分を大切にする視点の両方が必要だということです。
あなたは何のためにクライアントとかかわっていますか?
ここで、シリーズの最後にもう一度、原点へ戻ってみましょう。
あなたは、何のためにクライアントとかかわっているのでしょうか。
収入を得るため。
自分の知識を伝えるため。
自分の経験を誰かの役に立てるため。
人と話すことが好きだから。
自分の世界観を伝えたいから。
誰かが自分らしく生きるきっかけをつくりたいから。
理由は一つでなくても構いません。
仕事ですから、
「収入を得たい」
という理由があってもよいでしょう。
誰かに喜んでもらいたいという思いがあってもよいでしょう。
自分の活動を認めてもらいたいという気持ちが出ることもあるでしょう。
大切なのは、
「きれいな理由だけを持たなければならない」
と思うことではありません。
自分の中にあるいくつかの理由を、自分自身が分かっていることです。
そのうえで、一つ確認してみてください。
「私がこの人とかかわる目的の中に、この人自身の幸せは入っているだろうか?」
売上だけでもない。
必要とされることだけでもない。
感謝されることだけでもない。
自分の考えを認めてもらうことだけでもない。
目の前にいる人が、
「自分はどうしたいのか」
を考え、自分なりの選択ができるようになる。
その人が自分の人生を歩いていく。
そのことを大切にできているでしょうか。
クライアントの幸せは「あなたを必要とし続けること」とは限らない
クライアントが長くサービスを利用してくれれば、講師としてうれしいこともあるでしょう。
信頼してもらえていると感じるかもしれません。
継続的な売上にもつながります。
長くかかわることでできるサポートもあります。
だから、長く利用してもらうことそのものが悪いわけではありません。
ただし、
「長く利用している=良い関係」
と単純に考えることはできません。
長く利用しながらも、自分で考え、自分で選べる人もいます。
一方で、利用期間は長くなくても、必要なことを学び、自分で進めるようになる人もいるでしょう。
大切なのは期間だけではありません。
その関係の中で、
「自分で考えてはいけない」
「先生に聞かなければ決められない」
「ここから離れたら悪いことが起きる」
と感じるようになっていないか。
そこを見る必要があります。
クライアントの幸せが、
「ずっとあなたのクライアントでいること」
と一致する場合もあるかもしれません。
しかし、そうではない場合もあります。
あなたの講座を卒業する。
しばらく一人で取り組む。
別の講師から学ぶ。
別の方法を選ぶ。
もうサポートそのものを必要としなくなる。
それが本人にとって良い選択である場合もあります。
そんなとき、
「私のところにいなくても、この人が幸せならうれしい」
と思えるでしょうか。
これは、講師にとって簡単な問いとは限りません。
だからこそ、ときどき自分に問い直す価値があります。
依存させないことを目的にしすぎなくてもいい
ここまでの記事を読んで、
「絶対にクライアントを依存させてはいけない」
「頼られたら距離を取らなければいけない」
と思った人もいるかもしれません。
しかし、このシリーズで伝えたいことは、
「人に頼ってはいけない」
ということではありません。
人は、自分だけでは整理できないときに誰かへ相談することがあります。
分からないことがあれば、知識のある人に聞くこともあります。
講師から学ぶこともあります。
セッションを利用して、自分の気持ちを整理することもあるでしょう。
それらをすべて問題だと考える必要はありません。
確認したいのは、
「頼ることができる関係」なのか、「頼らなければ自分では何もできないと思わせる関係」なのか
という違いです。
「必要なときは相談できます」
と、
「私に相談しないと間違えます」
では違います。
「一緒に整理しましょう」
と、
「私が答えを決めます」
でも違います。
「また必要になったら来てください」
と、
「離れたらうまくいきません」
でも違います。
目指したいのは、誰にも頼らない人をつくることではありません。
必要なときには人を頼りながら、最後は自分の人生を自分で選んでいけることです。
目指したいのは「必要なときに頼れる関係」
クライアントとの関係を、
「ずっと私を必要としてもらう関係」
ではなく、
「必要なときに安心して頼ってもらえる関係」
と考えてみると、見え方が変わります。
困ったときには相談できる。
自分だけでは整理しにくいときには、一緒に考えることができる。
学びたいときには講座を利用できる。
でも、毎回講師の許可を取らなくてもいい。
自分で決められることは、自分で決めていい。
サービスが必要なくなれば、離れてもいい。
また必要になれば、戻ってきてもいい。
そんな関係です。
このような関係であれば、講師側も、
「ずっと必要とされ続けなければ」
と考えなくて済みます。
目の前の時間に集中しやすくなります。
「この人をどうやって残すか」
ではなく、
「今、この時間で何ができるだろう」
と考えられます。
その結果として、
クライアントとかかわることそのものを、講師自身も楽しみやすくなる可能性があります。
クライアントの幸せを考えることと、売上を考えることは両立できる
ここで、現実的な問題についても考えておきましょう。
「クライアントを卒業させていたら、売上がなくなるのでは?」
と思う人もいるかもしれません。
仕事として活動している以上、売上を考えることは必要です。
家賃や生活費がある人もいるでしょう。
広告費やシステム利用料など、事業を続けるための費用もあります。
学び続けるためのお金も必要です。
だから、
「お金のことを考えず、クライアントのことだけ考えればいい」
という話ではありません。
むしろ、
クライアント一人ひとりを必要以上につなぎ止めなくても続けられる仕事の形を考えること
も大切です。
たとえば、
自分が何を提供しているのかを分かりやすく発信する。
必要としている人に、自分のサービスを知ってもらう。
単発サービスと継続サービスの役割を分ける。
継続が必要な理由を分かりやすく説明する。
サービスの内容や対象者を見直す。
新しい人との出会いをつくる。
こうしたことも、事業を続けるための方法です。
一人のクライアントを、
「絶対に離してはいけない人」
にしなくてもよい仕事の形をつくる。
それは、クライアントの選択を尊重しやすくすることにもつながります。
講師であるあなた自身の幸せも大切にする
そして、このシリーズで忘れたくないもう一つのテーマがあります。
それが、
「あなた自身は幸せなのか?」
ということです。
クライアントの幸せを願う。
相手の選択を尊重する。
自分で考える力を大切にする。
それらは重要です。
しかし、そのために講師が自分を犠牲にし続ける必要はありません。
夜遅くまでメッセージに対応する。
休みの日にも相談を受ける。
断ったら嫌われると思って、何でも引き受ける。
料金に含まれていないことまで、申し訳なさから対応し続ける。
クライアントが落ち込めば、自分の責任のように感じる。
相手の人生まで背負おうとする。
この状態が続けば、
「クライアントのために始めた仕事なのに、クライアントとかかわることが苦しい」
ということにもなりかねません。
あなたにも生活があります。
休む時間があります。
家族や友人との時間がある人もいるでしょう。
仕事とは関係のない楽しみもあります。
そして何より、
講師である前に、一人の人としての生活があります。
人を幸せにする仕事だから、自分は我慢しなければならないということではありません。
自分の時間を守る。
できないことは断る。
休む。
対応できる範囲を決める。
自分が本当にかかわりたい人やテーマを考える。
これらも、長く活動していくためには大切です。
迷ったときに戻りたい5つの判断基準
クライアントとの関係には、いつでも同じ答えがあるわけではありません。
クライアントによって状況は違います。
サービス内容によっても違います。
講師自身の考え方も違います。
だからこそ、
「必ずこうする」
というルールだけではなく、迷ったときに戻れる判断基準を持っておくと考えやすくなります。
判断基準1:これは誰のための提案だろう?
継続サービスをすすめたい。
アドバイスをしたい。
もう少しかかわったほうがいいと感じる。
そんなとき、
「これは、この人にとって必要だから提案しているのか。それとも、自分の不安を小さくするために提案しているのか?」
と確認します。
もちろん、両方の気持ちが混ざっていることもあります。
その場合も、自分の気持ちに気づいたうえで、相手にとっての必要性を考え直すことができます。
判断基準2:本人が「いいえ」と言える状態だろうか?
サービスを案内するときは、
「申し込む自由」
だけでなく、
「申し込まない自由」
があるでしょうか。
講師とクライアントという関係では、クライアントが、
「先生に逆らってはいけない」
と感じる場合もあるかもしれません。
だからこそ、
「考えてから決めてください」
「今回は受けないという選択もできます」
といった形で、選べることを分かりやすく伝える方法があります。
判断基準3:このかかわりは本人が自分で考えることにつながっているだろうか?
クライアントから質問されたとき、毎回答えを渡すことが本当に必要でしょうか。
場合によっては、
「あなた自身はどう思いますか?」
「どちらを選びたい気持ちがありますか?」
と聞くことが役に立つこともあります。
講師が知識を伝えることと、本人が自分で考えることは両立できます。
判断基準4:私は無理をしていないだろうか?
クライアントのことだけではなく、自分の状態も確認します。
疲れていないか。
嫌なのに我慢していないか。
対応範囲を超えていないか。
休めているか。
「嫌われたくない」という理由だけで、無理な対応を続けていないか。
自分の状態を確認することも、仕事の一部と考えてみてください。
判断基準5:この人が私から離れても、その幸せを願えるだろうか?
最後は、このシリーズを通して何度も出てきた問いです。
クライアントが卒業する。
別の人から学ぶ。
自分で進む。
もうサービスを必要としなくなる。
そんなとき、
「寂しい」
「売上が減るのは困る」
という気持ちが出ても構いません。
そのうえで、
「それでも、この人が自分に合った道を選び、幸せならうれしい」
と思えるかを考えてみます。
この問いは、自分が何を大切にして活動しているのかを確認する一つの方法になります。
関係を見直したほうがよいかもしれないサイン
ここまでの内容を、日々の活動の中で確認できるようにしておきましょう。
たとえば、次のような状態が続いているなら、一度かかわり方を振り返ってみてもよいでしょう。
- クライアントから連絡が来ないと強く不安になる
- 継続してもらえないと、自分には価値がないように感じる
- ほかの講師を選ばれることが怖くて、相手を引き止めたくなる
- クライアントが自分で決めることより、自分の意見に従うことを求めてしまう
- 不安を強めることで、サービスを利用してもらおうとしている
- クライアントの問題を自分がすべて解決しなければならないと感じる
- 時間外の連絡にも対応し続けて疲れている
- 本当は断りたいのに、嫌われるのが怖くて断れない
- クライアントとの時間を楽しめなくなっている
- 仕事が終わっても、クライアントのことが頭から離れず休めない
一つ当てはまったからといって、すぐに問題があると決める必要はありません。
忙しい時期だけ一時的に疲れていることもあります。
特定のクライアントとの関係だけで困っていることもあります。
だから、
「私はダメだ」
ではなく、
「何が起きているんだろう?」
と具体的に見てみてください。
どんな場面で苦しくなるのか。
何を怖いと感じているのか。
どこまでなら無理なくできるのか。
何を変えたら少し楽になるのか。
そこまで分けて考えると、必要な見直しが見えてきます。
スピリチュアルな講師だからこそ「分からない」と言えることも大切
スピリチュアル系の講師として活動していると、
「先生なら答えが分かるはず」
と期待されることがあるかもしれません。
しかし、すべてのことに答えを出す必要はありません。
分からないことは、
「分かりません」
と言ってもよいのです。
自分のサービスでは扱えないことは、
「これは私が対応できる範囲ではありません」
と伝えることもできます。
スピリチュアルな解釈についても、
「私はこのように捉えています」
「この考え方では、このように解釈することがあります」
と、その位置づけを明確にすることができます。
特に、病気や強い心身の不調、安全にかかわる問題などについては、霊的な原因だけに結びつけて断定しないことが大切です。
医療や心理など専門的な支援が必要な場合には、適切な専門家への相談を検討してもらうことも必要です。
何でも自分で解決しようとしないことは、責任を放棄することではありません。
自分が提供できることと、提供できないことを理解していることも、相手を大切にする姿勢の一つです。
自分で整理できることと、誰かに相談してもよいこと
クライアントとのかかわり方については、自分で見直せることもたくさんあります。
たとえば、
メッセージの返信時間を決める。
サービスに含まれる対応範囲を書く。
セッション中に、相手へ質問を返す回数を増やす。
継続サービスの説明を分かりやすくする。
「受けない」という選択もできることを伝える。
こうしたことは、一つずつ試してみることができます。
一方で、自分一人では整理しにくいこともあります。
たとえば、
「クライアントに必要とされないと、自分の価値がなくなるように感じる」
「断られることが怖くて、必要以上に相手へ合わせてしまう」
「この仕事を好きなのか、もう分からなくなっている」
「どこまでがサポートで、どこからが抱え込みなのか分からない」
「クライアントとの関係を変えたいけれど、どう伝えればいいか分からない」
という場合です。
そのようなときは、誰かと話しながら状況を整理する方法もあります。
相談することは、
「自分では何も決められない」
ということではありません。
誰かとの対話を使って、自分自身の考えを整理することもできます。
大切なのは、相談相手にすべてを決めてもらうことではなく、
最終的に、自分がどうしたいのかを自分で選べることです。
これからどんな講師でありたいかを言葉にする
最後に、一つだけワークをして、この5日間を終えましょう。
紙やノートに、
「私は、クライアントとどんな関係をつくりたいのか?」
と書いてみてください。
そして、その下に自由に答えを書いてみましょう。
たとえば、
「何でも答えを教えるのではなく、一緒に考えられる講師でいたい」
「クライアントが自分で決められることを喜べる講師でいたい」
「必要なときに安心して相談してもらえる講師でいたい」
「卒業するときに、心から応援できる講師でいたい」
「相手を大切にしながら、自分の生活も大切にしたい」
「人に必要とされることだけを、自分の価値にしたくない」
「クライアントとかかわることを、私自身も楽しみたい」
という答えが出てくるかもしれません。
もちろん、これは例です。
あなたが同じ答えを書く必要はありません。
大切なのは、
「良い講師なら、こう書くべき」
ではなく、
自分は本当はどんな講師でありたいのか
を言葉にすることです。
そして、もう一つ書いてみてください。
「そのために、明日から一つだけ何を変える?」
大きなことではなくて構いません。
「すぐ答えを言う前に、一度本人の考えを聞く」
でもいいでしょう。
「夜のメッセージには翌日返信する」
でも構いません。
「継続をすすめるとき、なぜ必要だと思うのかを自分で確認する」
でもよいでしょう。
「セッションが終わったら、自分も楽しかったか確認する」
でも構いません。
考え方だけで終わらせず、一つ行動を変えてみる。
そこから、自分に合ったかかわり方を探していくことができます。
まとめ
この5日間のシリーズでは、
「クライアントとかかわることは、あなたの楽しみや幸せにつながっているのか?」
という問いから、講師とクライアントの関係を考えてきました。
クライアントの役に立ちたい。
必要とされたらうれしい。
継続してもらいたい。
売上も必要。
自分も幸せに働きたい。
これらは、どれか一つだけが存在するものではありません。
人とかかわる仕事をしていれば、さまざまな思いが同時に出てくるでしょう。
大切なのは、自分の気持ちをごまかさないことです。
そして、自分の不安や「必要とされたい」という気持ちのために、クライアントの選択を小さくしていないかを確認することです。
このシリーズで大切にしてきたことをまとめると、次のようになります。
- クライアントとかかわることを、自分自身も楽しめているか確認する
- クライアントの幸せを心から願えているか考える
- 「役に立ちたい」と「必要とされたい」を分けて考える
- クライアントが自分で考え、自分で選べる余地を残す
- 不安を強めることでサービスを継続させようとしない
- 自分以外の講師や方法を選ぶ自由も尊重する
- スピリチュアルな考え方や解釈を、確認された事実と同じように断定しない
- 自分では対応できないことまで抱え込まない
- クライアントを大切にすると同時に、自分の時間や生活も大切にする
- 必要なときに頼ってもらい、必要がなくなれば自分で進める関係を目指す
講師としての価値は、
「一人のクライアントに、どれだけ長く必要とされたか」
だけで決まるものではありません。
その人にとって必要な時期に、必要な範囲で誠実にかかわる。
そして、その人が自分で進めるようになったときには、その変化を喜ぶ。
必要がなくなったら、送り出す。
また必要になったら、相談してもらう。
そんな関係もつくることができます。
そして、講師であるあなた自身も、
「人のためだから」
という理由で自分を犠牲にし続ける必要はありません。
休んでいい。
断っていい。
できないことは、できないと言っていい。
自分が楽しめる仕事の形を考えていい。
クライアントの幸せを願えること。
そして、クライアントとかかわるあなた自身も幸せであること。
どちらか一方ではなく、この二つが重なるところに、自分らしい講師としてのかかわり方をつくっていくことができます。
もし今、その二つが大きく離れていると感じるのであれば、
「もっと頑張らなければ」
と考える前に、
「私は本当は、どんなふうにクライアントとかかわっていきたいのだろう?」
と、自分に問いかけてみてください。
その答えを見つけることが、これからの活動を見直す最初の一歩になります。
よくある質問
クライアントに長く利用してもらうことは良くないのでしょうか?
長く利用してもらうこと自体が良くないわけではありません。
継続することで学びを深めたり、時間をかけて取り組んだりするサービスもあります。
大切なのは、長く利用してもらうこと自体を目的にするのではなく、その人にとって継続する意味があるのかを考えることです。
本人が内容を理解し、自分で選んで継続できる関係を大切にしましょう。
クライアントから頼られることに喜びを感じてはいけませんか?
そのようなことはありません。
信頼されたり、必要とされたりして、うれしいと感じることはあるでしょう。
確認したいのは、
「必要とされるとうれしい」
から、
「必要とされなければ自分には価値がない」
へ変わっていないかという点です。
喜びを感じることと、必要とされ続けることを自分の価値にすることは分けて考えることができます。
クライアントを自分で考えられるようにすると、サービスが必要なくなりませんか?
サービスの目的や内容によっては、利用が一区切りになることもあるでしょう。
一方で、自分で考えられる人が、必要なときに学びや相談のためにサービスを利用することもあります。
「自分で考えられること」と「誰かから学んだり相談したりすること」は両立します。
サービスを必要とし続ける状態をつくることだけを、価値と考える必要はありません。
クライアントの幸せを考えていると、売上をつくることに罪悪感があります
仕事としてサービスを提供する以上、対価を受け取り、事業を続けることを考えるのは自然なことです。
売上をつくることと、クライアントを大切にすることは必ずしも反対ではありません。
サービスの内容や料金を分かりやすく伝え、本人が納得して選べるようにする。
そのうえで、提供したサービスに対して対価を受け取る。
「お金を受け取ること」と「不安を利用して申し込ませること」を分けて考えてみてください。
自分もクライアントも幸せになれる働き方が分かりません
最初から完成した答えを出す必要はありません。
まず、
「今、一番苦しいことは何か」
を一つだけ具体的にしてみてください。
時間外の連絡なのか。
断れないことなのか。
クライアントが離れる不安なのか。
売上への不安なのか。
扱う相談内容なのか。
仕事そのものを楽しめなくなっているのか。
原因によって、見直す場所は変わります。
一つずつ整理して、自分が無理なく続けられる形を探していきましょう。
5日間を終えて、最後に一つだけ問いかけます
このシリーズを読み終えた今、改めて考えてみてください。
あなたにとって、クライアントとかかわることは、楽しみでしょうか?
あなたにとって、クライアントとかかわることは、幸せでしょうか?
そして、
あなたは、クライアントがあなたを必要としなくなったとしても、その人の幸せを願えるでしょうか?
すぐに答えが出なくても構いません。
きれいな答えでなくても構いません。
今の自分が感じていることを、そのまま確認してみてください。
「もっと楽しくかかわりたい」
「少し疲れている」
「必要とされることに、自分の価値を求めていたかもしれない」
「クライアントが自分で進めることを、もっと喜べる講師になりたい」
「自分の幸せも、もっと大切にしたい」
どんな答えであっても、そこから考え始めることができます。
大切なのは、
「講師ならこうあるべき」
という答えに自分を合わせることではありません。
クライアントを一人の人として尊重しながら、自分自身も一人の人として大切にできる関係をつくることです。
それが、あなたにとってどんな形なのか。
この5日間をきっかけに、考えてみてください。