
スピ系講師が安心して相談できる相手は、どう選べばよいのでしょうか?
はじめに
クライアントから思いがけないほど重い悩みを打ち明けられたとき、 「誰かに相談したい」と思っても、実際には誰に話せばよいのかわからないことがあります。
友達に話すには内容が重すぎる。 家族に話しても仕事のことを理解してもらえない。 同業者に話したくても、うわさにならないか不安がある。
そのような迷いがあると、 結局は誰にも話さず、自分の中だけで考え続けてしまいます。
けれど、相談相手は、ただ親しい人であればよいわけではありません。 クライアントの情報を守りながら、 講師自身の迷いや負担を仕事として整理できる相手であることが大切です。
また、何でも肯定してくれる相手が、 必ずしもよい相談相手とは限りません。 ときには、講師としての対応範囲や、 クライアントとの距離について、落ち着いて意見を伝えてくれる人も必要です。
Day2では、安心して相談できる相手を選ぶための基準と、 実際に相談するときに気をつけたいことを、わかりやすく整理します。
目次
相談相手は親しさだけで選ばない
悩んだとき、最初に思い浮かぶのは、 いつも話を聞いてくれる友達や家族かもしれません。
親しい相手に話すと、気持ちが楽になることはあります。 しかし、クライアントから受けた相談について話す場合は、 親しさだけで相手を決めないことが大切です。
スピ系講師の仕事では、 人の心、家族関係、健康、仕事、お金、人生の選択など、 とても個人的な内容を聞くことがあります。
名前を出していなくても、 年齢、住んでいる地域、職業、家族構成、相談内容などが重なると、 誰のことか推測される可能性があります。
また、親しい人ほど、 講師であるあなたを守ろうとして、 クライアントを一方的に悪く言ってしまうことがあります。
「そんな人とは、もう関わらないほうがいい」 「あなたがかわいそう」 「そのクライアントはおかしい」 といった言葉を受けると、一時的には楽になるかもしれません。
しかし、それだけでは、 次に同じような相談を受けたとき、どう対応するかは整理できません。
仕事として相談するときに必要なのは、 ただ味方になってくれることではなく、 状況を落ち着いて見ながら、講師としての対応を一緒に考えてくれることです。
安心して相談できる相手の5つの条件
では、どのような人なら安心して相談できるのでしょうか。 ここでは、相談相手を選ぶときに確認したい5つの条件を紹介します。
1.話した内容を外に漏らさない
もっとも大切なのは、話した内容をほかの人に漏らさないことです。
相談相手自身が、 守秘の大切さを理解しているかを確認してください。
「名前を出していないから大丈夫」 「仲間内だけだから問題ない」 という考え方の人には、慎重になる必要があります。
守秘とは、名前だけを隠すことではありません。 本人が特定される可能性のある情報を含めて、 話の内容をむやみに広げないことです。
相談する前に、 「この話は外に出さないでほしい」 と伝えられる関係であることも大切です。
2.スピ系講師の仕事を否定せずに理解しようとする
スピリチュアルな仕事に対して、 強い思い込みや決めつけを持っている人もいます。
相談相手が、 あなたの仕事をすべて同じように信じている必要はありません。
ただし、 「そんな仕事をしているから問題が起きる」 「スピリチュアルだから仕方がない」 と、最初から仕事そのものを否定する人では、 本当の悩みを話しにくくなります。
大切なのは、 あなたがどのような考えで仕事をし、 クライアントにどう向き合っているのかを、 決めつけずに聞いてくれることです。
3.何でも肯定するのではなく、必要な意見を言ってくれる
相談するときは、 「あなたは何も悪くない」 と言ってほしくなることがあります。
もちろん、気持ちを受け止めてもらうことは大切です。 しかし、講師として今後の対応を考えるためには、 耳の痛い意見が必要になる場合もあります。
たとえば、 「少しクライアントとの距離が近くなりすぎているかもしれない」 「その内容は、あなた一人で対応する範囲を超えていると思う」 「次回は、最初にできることとできないことを伝えたほうがよい」 といった意見です。
あなたを責めるのではなく、 より安全に仕事を続けるための意見を伝えてくれる人は、 信頼できる相談相手になりやすいでしょう。
4.答えを押しつけず、一緒に整理してくれる
相談相手が強い考えを持っていると、 「こうするべき」 「絶対に断るべき」 「今すぐこの方法を使うべき」 と、答えを押しつけてくることがあります。
しかし、実際の状況は、 クライアントとの関係、これまでのやり取り、 講座やセッションの内容によって異なります。
よい相談相手は、すぐに結論を出す前に、 次のようなことを確認してくれます。
- クライアントは実際に何を話したのか
- あなたはそのとき、どう感じたのか
- これまでにどのような対応をしてきたのか
- 今、もっとも困っていることは何か
- 次にどのような選択肢が考えられるか
答えを与えるだけではなく、 あなた自身が状況を整理できるように助けてくれる人が、 長く相談できる相手です。
5.自分の専門外のことを専門家につなげられる
どれほど経験がある人でも、 すべての問題に対応できるわけではありません。
心の病気、命に関わる相談、暴力、深刻な家庭問題、 法律、お金、医療などは、 それぞれの専門家の助けが必要になる場合があります。
信頼できる相談相手は、 自分にわからないことを、わかったように話しません。
「これは私の専門ではない」 「この部分は、別の専門家に確認したほうがよい」 と言える人のほうが、安心して相談できます。
何でも答えられるように見える人よりも、 自分の限界を理解している人のほうが、 結果として安全な助言をしてくれることがあります。
相談相手として注意したい人の特徴
話しやすそうに見えても、 仕事上の相談相手としては注意が必要な人もいます。
次のような特徴がある場合は、 深い内容を話す前に、少し立ち止まって考えてください。
- ほかの人の相談内容をよく話題にしている
- 相談を聞くと、すぐに誰かを悪者にする
- 自分の考えだけを強く押しつける
- スピリチュアルな意味だけで、すべてを説明しようとする
- 医療や法律の問題にも、自信を持って断定する
- 相談内容を自分の商品や講座の勧誘につなげる
- あなたの不安を強めるような言い方をする
- クライアントの許可なく、誰かに話すことを軽く考えている
特に気をつけたいのは、 不安を強めてから、自分の助けが必要だと思わせる人です。
たとえば、 「そのままだと大変なことになる」 「あなた一人では絶対に無理」 「私の方法を使わないと解決できない」 といった言葉を繰り返す人です。
相談したあとに、 気持ちが整理されるのではなく、 さらに怖くなったり、強く依存したくなったりする場合は、 その関係を見直す必要があります。
よい相談相手は、 あなたの不安を利用するのではなく、 状況を落ち着いて見られるように助けてくれます。
クライアントの情報を守りながら相談する方法
信頼できる相手が見つかったとしても、 クライアントの情報を何でもそのまま話してよいわけではありません。
相談するときは、 本人を特定できる情報をできるだけ減らし、 講師としての対応を考えるために必要な内容だけを伝えます。
本人が特定される情報を外す
次のような情報は、 相談に必要でなければ伝えないようにします。
- 氏名や活動名
- 住所や詳しい地域
- 勤務先や具体的な職業
- 家族の氏名
- SNSのアカウント名
- 本人しか持っていない特別な経歴
- 日時や場所がわかる細かい出来事
「40代の女性」 「会社員」 「家族関係に悩んでいる」 など、相談に必要な範囲まで情報を広くすると、 特定される可能性を下げられます。
クライアントの評価ではなく、自分の対応を相談する
相談するときは、 「このクライアントは困った人です」 という話し方ではなく、 「私はこの場面で、どう対応すればよかったのか」 という形で話すことが大切です。
たとえば、次のように伝えます。
セッション中に、私の対応範囲を超えていると感じる話が出ました。 その場では話を聞きましたが、どの時点で専門家を案内すればよかったのか迷っています。
このように、 自分が迷っている点を中心に話すと、 クライアントの個人情報を広げずに相談しやすくなります。
相談する目的を最初に伝える
相談を始める前に、 何を整理したいのかを伝えておくと、 話が広がりすぎるのを防げます。
たとえば、次のように伝えます。
- 私の対応範囲を超えているか確認したい
- 次のセッションでの伝え方を考えたい
- 自分が抱え込みすぎていないか整理したい
- 専門家を案内する必要があるか考えたい
- クライアントとの距離感を見直したい
目的がはっきりすると、 相談相手も必要な部分に集中して話を聞けます。
相談先を一人だけに決めなくてもよい
相談できる相手は、 必ずしも一人に絞る必要はありません。
相談の内容によって、 話す相手を分けることもできます。
たとえば、次のような分け方があります。
| 相談したい内容 | 相談相手の例 |
|---|---|
| 講師としての対応や伝え方 | 信頼できる先輩講師、指導者 |
| クライアントとの距離感 | 対人支援の経験がある人 |
| 自分の心の疲れや不安 | カウンセラーなどの相談専門職 |
| 契約や料金、返金に関する問題 | 法律や契約の専門家 |
| クライアントの健康や治療に関する内容 | 医療機関や適切な専門窓口 |
一人の相談相手にすべてを求めると、 その人の考えに強く影響されすぎることがあります。
また、その相手が忙しいときや、 すぐに連絡が取れないときに、 相談できる先がなくなってしまいます。
内容によって相談先を分けておくと、 必要なときに、より適切な助けを選びやすくなります。
大切なのは、 たくさんの人にクライアントの話を広げることではありません。
何を、誰に、どこまで相談するかを決めておくことです。
今日からできる相談先づくり
安心して相談できる相手は、 問題が起きてから慌てて探すより、 落ち着いているときに見つけておくほうが安心です。
まずは、次の手順で考えてみましょう。
手順1.相談できそうな人を書き出す
すぐに相談する必要はありません。 まずは候補になる人を書き出してください。
- 以前学んだ講座の先生
- 経験のある先輩講師
- 守秘を大切にしている同業者
- 対人支援の仕事をしている知人
- 仕事の相談を受けている専門家
名前が一人も出なくても問題ありません。 今の時点で相談先がないとわかることが、 相談先をつくるための出発点になります。
手順2.5つの条件に当てはめる
書き出した相手について、 次の項目を確認します。
- 話した内容を外に漏らさないか
- 仕事を決めつけずに理解しようとしてくれるか
- 必要な意見を落ち着いて伝えてくれるか
- 答えを押しつけず、一緒に整理してくれるか
- 専門外のことを、適切な人につなげられるか
すべてが完璧でなくても構いません。 ただし、守秘を軽く考える人は避けたほうがよいでしょう。
手順3.相談できるか事前に確認する
候補になる人が見つかったら、 いきなり重い内容を話すのではなく、 相談が可能かを先に確認します。
たとえば、次のように聞くことができます。
講師として対応に迷うことがあったとき、 クライアントが特定されない形で、 私自身の対応について相談させていただくことはできますか。
この確認に対して、 相手がどのように答えるかも大切です。
守秘や相談範囲について丁寧に説明してくれる人なら、 安心して関係を作りやすいでしょう。
今日の小さなワーク
ノートに、次の表を作ってください。
| 相談したい内容 | 相談できそうな相手 | 事前に確認したいこと |
|---|---|---|
| 講師としての対応 | 守秘、相談できる時間、費用 | |
| 自分の心の負担 | どこまで話せるか、相談方法 | |
| 専門家につなぐ判断 | 対応できる範囲、紹介先 |
空欄があっても構いません。 何が足りていないかを見える形にするだけでも、 一人で抱え続ける状態から一歩進めます。
まとめ
クライアントの重い悩みについて相談する相手は、 親しいという理由だけで選ばないことが大切です。
安心して相談できる相手には、 守秘を大切にすること、 スピ系講師の仕事を決めつけずに理解しようとすること、 必要な意見を落ち着いて伝えられることが求められます。
また、何でも肯定する人や、 すぐに答えを押しつける人が、 必ずしもよい相談相手とは限りません。
クライアントを守りながら相談するには、 本人が特定される情報を外し、 クライアントの評価ではなく、 自分の対応や迷っている点を中心に話します。
相談先は一人に絞らなくても構いません。 講師としての対応、自分の心の負担、法律や医療など、 内容に応じて相談相手を分けることもできます。
問題が大きくなってから探すのではなく、 落ち着いている今のうちに、 「誰に、何を、どこまで相談できるのか」を考えておきましょう。
この記事の要約
- 相談相手は、親しさだけではなく守秘や仕事への理解で選ぶ
- 何でも肯定する人より、必要な意見を落ち着いて伝える人がよい
- 答えを押しつけず、一緒に状況を整理してくれる人を選ぶ
- クライアントを特定できる情報は相談時に出さない
- 相談内容に応じて、複数の相談先を持ってもよい
- 問題が起きる前に、相談できる関係を準備しておく
仕事として安心して話せる相談先を、今から作っておきませんか
クライアントの悩みが重いと感じても、 誰に話せばよいかわからず、 一人で考え続けている講師は少なくありません。
相談先を持つことは、 弱さを見せることではありません。
クライアントの情報を守りながら、 自分の対応を落ち着いて見直すための準備です。
今抱えていることや、 相談相手を選ぶときの迷いを、 仕事として整理したい方はLINEからご相談ください。
次回のDay3では、 実際に重い悩みを打ち明けられたとき、 その場でどのように受け止め、 どのような順番で対応を整理すればよいのかを具体的に解説します。
よくある質問
同業者なら、誰に相談しても大丈夫ですか?
同業者であっても、守秘への考え方や相談を受ける力には違いがあります。 ほかのクライアントの話をよく話題にする人や、 相談内容を仲間内で共有する人には注意が必要です。 同業者かどうかよりも、守秘を大切にし、 落ち着いて状況を整理してくれるかを確認してください。
相談相手には、クライアントの名前を伝えてはいけませんか?
基本的には、相談に必要がなければ名前を伝えないほうが安全です。 名前以外にも、地域、職業、家族構成、SNSの情報などを組み合わせると、 本人が特定されることがあります。 相談では、自分が迷っている対応を中心に話しましょう。
無料で相談できる友人ではなく、有料の相談先を持つ必要がありますか?
必ずしも有料でなければならないわけではありません。 ただし、仕事として定期的に相談したい場合は、 時間、守秘、相談範囲がはっきりしている有料の相談先のほうが、 安心して利用できることがあります。 無料か有料かだけでなく、相談のルールが明確かを確認してください。
相談相手が自分と違う意見を言った場合は、従うべきですか?
相談相手の意見に、必ず従う必要はありません。 意見は、状況を見るための一つの材料です。 なぜその意見になったのかを聞き、 自分の考えやクライアントとの関係も含めて判断してください。 医療や法律など専門的な内容は、適切な専門家に確認することが大切です。
相談相手に話したあと、かえって不安が強くなりました。どうすればよいですか?
相談後に不安が強くなった場合は、 その相手の言い方や助言が自分に合っていたかを振り返ってください。 不安をあおる、強い決断を急がせる、 特定の商品や講座に誘導するといったことが続く場合は、 別の相談先を探すことも必要です。
相談できる人が一人も思い浮かびません。
今すぐ相談相手が思い浮かばなくても問題ありません。 まずは、どのような内容を相談したいのかを分けてください。 そのうえで、先輩講師、過去に学んだ先生、 対人支援の専門家など、候補を一つずつ探していきます。 相談先がないと気づいたことが、準備を始める第一歩です。