
クライアントとのかかわり方を見直す|スピ系講師のためのセルフチェック
ここまでの記事では、クライアントとの関係について、いくつかの角度から考えてきました。
Day1では、
「私は、クライアントとかかわることを楽しめているだろうか?」
「クライアントの幸せを心から願えているだろうか?」
という問いから始めました。
Day2では、
「役に立ちたい」という気持ちと「必要とされたい」という気持ちは、似ているようで違うことを整理しました。
Day3では、具体的な仮想ケースを使って、
「クライアントを支えること」と「知らないうちに自分につなぎ止めること」の違いを考えました。
では、あなた自身は今、クライアントとどのような関係をつくっているでしょうか。
ここから必要なのは、
「私は大丈夫」
と思うことでも、
「もしかしたら私はダメな講師なのかもしれない」
と自分を責めることでもありません。
必要なのは、実際の自分の行動を見てみることです。
クライアントとの関係は、講師として何を考えているかだけではなく、日々どのような言葉を使い、どのような選択をしているかによってつくられていきます。
Day4では、セッション、講座、継続提案、メッセージ対応、卒業時の対応などを振り返りながら、自分のかかわり方を確認していきます。
紙やノートを用意して、気になるところだけでも書きながら進めてみてください。
目次
- セルフチェックを始める前に大切なこと
- ワーク1:セッション中の自分を振り返る
- ワーク2:クライアントに答えを与えすぎていないか確認する
- ワーク3:継続サービスのすすめ方を振り返る
- ワーク4:メッセージや時間外対応を振り返る
- ワーク5:クライアントが離れるときの自分を見る
- ワーク6:「必要とされたい」が強くなる場面を探す
- ワーク7:クライアントとかかわることを楽しめているか確認する
- 自分の幸せを後回しにしない
- クライアントとの境界を言葉にする
- 明日から変えることを一つだけ決める
- 総合セルフチェック
セルフチェックを始める前に大切なこと
最初に、一つ覚えておいてほしいことがあります。
今回のセルフチェックは、
「依存させている講師かどうか」
を判定するテストではありません。
点数をつけて、自分を評価するためのものでもありません。
人とかかわる仕事をしていれば、いろいろな感情が出てきます。
クライアントに感謝されれば、うれしい。
継続してもらえれば、安心する。
サービスを断られれば、残念に感じる。
長くかかわった人が離れれば、寂しい。
売上が減れば、不安になる。
そのような気持ちがあること自体を否定する必要はありません。
大切なのは、
「その気持ちによって、私はクライアントにどんな行動をしているだろう?」
と見ることです。
たとえば、
「離れてほしくない」
と思ったとしても、その気持ちを自分で分かっていて、本人の選択を尊重できているなら、感情と行動を分けることができます。
反対に、自分の不安に気づいていないと、
「あなたのためだから」
と思いながら、実際には自分の不安を小さくするために引き止めてしまうこともあります。
今回のワークでは、自分の中に出てくる気持ちを良い悪いで判断せず、その気持ちと行動を分けて見ていきましょう。
ワーク1:セッション中の自分を振り返る
まずは、最近行ったセッションや講座を一つ思い出してください。
特定のクライアントについて詳しく書く必要はありません。
個人が分かる情報は書かず、自分の行動だけを振り返ってみましょう。
次の質問について考えてください。
- 私は相手の話を最後まで聞いていただろうか?
- 相手が話している途中で、すぐに答えを出そうとしていなかっただろうか?
- 「私はこう思う」だけでなく、相手がどう感じているのかを確認しただろうか?
- 自分の考え方を唯一の正解として伝えていなかっただろうか?
- 相手が自分で考える時間をつくっていただろうか?
- クライアントが望んでいることと、自分が提供したいことがずれていなかっただろうか?
一つずつ思い出してみてください。
たとえば、クライアントから、
「仕事を変えようか迷っています」
と言われたとします。
そのとき、
「それは転職するタイミングですよ」
とすぐに答えていたでしょうか。
それとも、
「何が一番迷っているところですか?」
「今の仕事を続けたい気持ちもありますか?」
「変えたいと思ったきっかけは何でしたか?」
と、本人の考えを確認していたでしょうか。
講師として意見を伝えることが悪いわけではありません。
ただ、
「私は答えを与えることを急いでいないだろうか?」
と振り返ってみてください。
ワーク2:クライアントに答えを与えすぎていないか確認する
次に、クライアントから質問されたときの自分を思い出してみましょう。
スピリチュアル系の講師として活動していると、
「これはどういう意味ですか?」
「今、動いたほうがいいですか?」
「この人との出会いには意味がありますか?」
「どちらを選べばいいですか?」
といった質問を受けることがあるかもしれません。
ここで確認したいのは、
クライアントが「自分の答え」より「講師の答え」を優先する関係になっていないか
ということです。
次の質問を考えてみてください。
- クライアントは何か決めるたびに私へ確認していないだろうか?
- 私は「自分でどう思う?」と聞く機会をつくっているだろうか?
- 私の解釈を、確認された事実のように伝えていないだろうか?
- クライアントが私と違う考えを持ったとき、それを否定していないだろうか?
- 私の意見に従わなかったとき、不機嫌になったり態度を変えたりしていないだろうか?
スピリチュアルな考え方や解釈を伝えること自体を否定する必要はありません。
ただし、スピリチュアルな見方は、客観的に確認できる事実とは分けて伝えることが大切です。
たとえば、
「これは絶対に魂からのメッセージです」
と断定するのではなく、
「私はスピリチュアルな視点では、このように捉えています」
と伝えることもできます。
そのうえで、
「あなた自身はどう感じますか?」
と本人に返すことができます。
自分の考えを伝えることと、相手の考える力を奪うことは同じではありません。
ワーク3:継続サービスのすすめ方を振り返る
次は、継続セッションや講座、次の商品を案内するときの自分を振り返ります。
仕事として活動している以上、サービスを案内することは必要です。
クライアントにとって役に立つサービスがあるなら、その存在を伝えることもできます。
ここで確認したいのは、
「案内している」のか、「不安にさせて離れにくくしている」のか
という違いです。
最近、サービスを案内した場面を思い出してください。
そして、次の質問について考えてみましょう。
- その人に継続をすすめた理由を、自分の言葉で説明できるだろうか?
- 「売上が欲しいから」以外に、その人にとっての具体的な意味があっただろうか?
- サービスを受けると何をするのか、分かりやすく説明しただろうか?
- 受けないという選択もできる雰囲気だっただろうか?
- その場ですぐに決めるよう必要以上に迫っていなかっただろうか?
- 相手の不安を大きくする言葉を使っていなかっただろうか?
特に、最後の質問は大切です。
たとえば、
「今やめたら、せっかくの変化が全部なくなります」
「このままだと、また同じことを繰り返しますよ」
「まだあなたには私のサポートが必要です」
といった言葉を、相手を不安にさせて契約につなげる目的で使っていないでしょうか。
本当に継続をすすめる理由があるなら、
「次の期間では、この部分を扱う予定です」
「今まで取り組んだ内容を、次はこういう形で深めていきます」
というように、具体的な内容を説明できます。
そして、
「一度自分で取り組んでみるという選択もあります」
と伝えることもできます。
クライアントが十分な情報を受け取ったうえで、自分で決められる状態になっているか。
ここを確認してみましょう。
ワーク4:メッセージや時間外対応を振り返る
クライアントを大切にしようとするあまり、講師側が疲れてしまうことがあります。
たとえば、
夜遅くてもメッセージに返信する。
休日でも相談に答える。
サービスの範囲外でも無料で対応する。
長い相談が届けば、毎回答える。
最初は、
「困っているから答えてあげよう」
という気持ちだったかもしれません。
しかし、それが当たり前になってくると、
「いつ連絡が来るか分からない」
「返信しないと嫌われるかもしれない」
「休んでいても仕事が頭から離れない」
という状態になることがあります。
ここで次の質問を確認してみてください。
- サービスで対応する範囲を決めているだろうか?
- メッセージへの返信時間について、自分なりの基準があるだろうか?
- 本当は休みたいのに、嫌われたくなくて返信していないだろうか?
- 無料で対応する範囲が広がり続けていないだろうか?
- クライアントから連絡が来ると、すぐに対応しなければと焦っていないだろうか?
- 「ここまではできます」「ここからはできません」と言えているだろうか?
クライアントを大切にすることは、24時間いつでも対応することではありません。
たとえば、
「メッセージは確認後、営業時間内に返信します」
「個別のご相談は、次回のセッションで扱います」
「このサービスに含まれるサポートは、ここまでです」
と伝えることができます。
対応できる範囲を明確にすることは、冷たいことではありません。
講師自身が無理なく活動を続けるためにも必要なことです。
ワーク5:クライアントが離れるときの自分を見る
次は、少し答えにくいワークかもしれません。
過去に、継続しなかった人や、卒業した人がいるなら、そのときの自分の気持ちを思い出してみてください。
もし思い当たる人がいなければ、想像でも構いません。
クライアントから、
「しばらく自分でやってみます」
と言われたとします。
その瞬間、あなたの中にはどんな気持ちが出てくるでしょうか。
「ここまで進めてよかった」
でしょうか。
「また必要なときに来てもらえたらいいな」
でしょうか。
それとも、
「売上が減ってしまう」
「もう必要とされていない」
「ほかの先生に行くのかな」
「何とか引き止めなければ」
でしょうか。
どんな感情が出てきても、まずはそのまま書いてみてください。
ここでは、きれいな答えを書く必要はありません。
次に、その感情と実際の行動を分けます。
たとえば、
「寂しかった。でも、本人の選択を尊重して送り出した」
ということもあります。
これは、寂しさを感じなかったということではありません。
寂しさを感じながらも、相手の選択と自分の感情を分けたということです。
反対に、
「不安になったので、必要以上に次のサービスをすすめた」
ということに気づくかもしれません。
その場合も、自分を責めるために振り返るのではありません。
次に同じ場面が来たとき、どうしたいのかを考えるために振り返ります。
ワーク6:「必要とされたい」が強くなる場面を探す
Day2では、
「役に立ちたい」と「必要とされたい」は違うことを考えました。
では、あなたの場合、「必要とされたい」という気持ちは、どんなときに強くなるでしょうか。
次の中で、思い当たるものがあるか確認してみてください。
- 新しい申込みが少ないとき
- 売上が下がっているとき
- 自分に自信がないとき
- ほかの講師が活躍しているのを見たとき
- クライアントからの反応が少ないとき
- 長く利用していた人が卒業するとき
- クライアントがほかの講師について話したとき
- 自分のアドバイスと違う選択をされたとき
当てはまるものがあれば、
「私はダメだ」
ではなく、
「私はこういうときに不安になりやすいんだな」
と理解してみてください。
自分が不安になりやすい場面を知っておけば、その場でクライアントに反応する前に、
「今の私は、相手のために話そうとしているのかな。それとも、自分の不安から話そうとしているのかな」
と確認できます。
感情をなくすのではなく、感情に気づいたうえで行動を選ぶ。
それだけでも、かかわり方は変わっていきます。
ワーク7:クライアントとかかわることを楽しめているか確認する
ここまで、クライアントの選択や幸せについて考えてきました。
しかし、このシリーズでもう一つ大切にしているのは、
講師であるあなた自身の楽しみや幸せ
です。
クライアントに依存させない。
本人の選択を尊重する。
境界を守る。
これらを考えることは大切です。
でも、それだけではありません。
あなたは今、この仕事を楽しめているでしょうか。
次の質問に答えてみてください。
- クライアントと話すことを楽しみにしているだろうか?
- 講座やセッションを終えたあと、心地よい充実感があるだろうか?
- 自分の知識や経験を伝えることに喜びを感じているだろうか?
- クライアントの変化や気づきを一緒に喜べているだろうか?
- 仕事のために、自分の生活を犠牲にしすぎていないだろうか?
- 「やらなければ」ばかりになっていないだろうか?
- 今のクライアントとのかかわり方を、この先も続けたいと思えるだろうか?
ここで「いいえ」が多かったとしても、すぐに、
「この仕事を辞めたほうがいい」
という話ではありません。
もしかすると、仕事そのものが嫌なのではなく、今のかかわり方に無理があるのかもしれません。
セッション数が多すぎる。
時間外対応が多すぎる。
自分が本当に扱いたいテーマと違う相談ばかり受けている。
断ることができず、何でも引き受けている。
クライアントの人生まで背負おうとしている。
そうした状態が、楽しさを小さくしている可能性もあります。
「仕事を続けるか、辞めるか」だけではなく、「どんなかかわり方なら私はこの仕事を楽しめるのか」と考えてみてください。
自分の幸せを後回しにしない
スピリチュアル系の講師や、人の心にかかわる仕事をしている人の中には、
「人のために」
という思いを大切にしている人もいるでしょう。
それは、この仕事を始めた理由の一つかもしれません。
しかし、
「クライアントを幸せにしたい」
という気持ちが、
「そのためなら自分は我慢しなければならない」
に変わっていないでしょうか。
自分が休みたいときにも対応する。
本当は断りたい相談も受ける。
料金以上のことをしなければ申し訳ないと感じる。
相手の気分を損ねないように、自分の気持ちは言わない。
それが長く続けば、クライアントとかかわること自体が苦しくなることがあります。
すると、
「人の役に立ちたくて始めた仕事なのに、人とかかわるのがつらい」
という状態になるかもしれません。
だからこそ、
クライアントの幸せだけではなく、自分の幸せも関係の中に入れて考えることが大切です。
自分の時間を守る。
休む。
対応できないことは断る。
自分が本当に届けたい人を考える。
自分が提供したいサービスを見直す。
そうすることは、クライアントを大切にしていないという意味ではありません。
講師自身が無理なく活動できる状態をつくることは、仕事を長く続けるためにも必要です。
クライアントとの境界を言葉にする
クライアントとの関係で疲れやすい場合、対応範囲があいまいになっていることがあります。
そこで、自分なりの境界を言葉にしてみましょう。
たとえば、次の項目について考えてみてください。
- セッションで扱うこと
- セッションでは扱わないこと
- メッセージで答えること
- メッセージでは答えないこと
- 返信する時間帯
- 休日の対応
- 無料で対応する範囲
- 追加料金が必要になる範囲
- 自分では対応できない相談
- 必要に応じて専門家への相談を案内するケース
たとえば、
「セッションとセッションの間は、簡単な確認のみメッセージで受け付けます」
「個別の詳しいご相談は、セッション内で扱います」
「営業時間外に届いたメッセージは、次の営業時間に確認します」
というように決めることができます。
大切なのは、厳しいルールをつくることではありません。
自分が無理なく守れる範囲を、自分で理解しておくことです。
境界が分かっていれば、クライアントに何かを求められたときも、その場の感情だけで判断しにくくなります。
医療や心理などの専門的な支援が必要な相談を抱え込まない
クライアントを大切に思うほど、
「自分が最後まで何とかしなければ」
と感じることがあるかもしれません。
しかし、スピリチュアルな講座やセッションですべての悩みに対応できるわけではありません。
特に、病気や強い心身の不調、安全にかかわる問題などについては、医療や心理など適切な専門的支援が必要になる場合があります。
そのような問題について、
「これは魂の問題です」
「エネルギーを整えれば大丈夫です」
などと決めつけて、必要な専門的支援から遠ざけないよう注意が必要です。
講師としてできることと、できないことを分ける。
必要に応じて、適切な専門家への相談を検討してもらう。
それも、クライアントの幸せを願うからこそできる対応の一つです。
「私が全部できなければならない」と考えないことは、クライアントにとっても講師にとっても大切です。
明日から変えることを一つだけ決める
ここまでいくつもの項目を振り返ってきました。
もしかすると、
「あれも変えなければ」
「これもできていなかった」
と思っているかもしれません。
しかし、一度に全部変えようとする必要はありません。
むしろ、明日からできることを一つだけ決めてみてください。
たとえば、
- すぐに答えを言う前に「あなたはどう思いますか?」と一度聞く
- 継続サービスを案内するとき、受ける場合の内容を具体的に説明する
- 継続しない選択もあることを伝える
- 夜に届いた仕事のメッセージは翌日に返信する
- サービスに含まれる対応範囲を書き出す
- 自分では対応できない相談を整理する
- セッション後に「今日の私は楽しめていた?」と自分に聞く
大きな変化でなくても構いません。
一つ実践してみて、そのとき自分がどう感じるのかを確認します。
たとえば、
「あなたはどう思いますか?」
とクライアントに返してみたら、今までとは違う答えが返ってくるかもしれません。
時間外の返信を翌日にしてみたら、
「思っていたほど問題は起きなかった」
と気づくかもしれません。
反対に、やってみて、
「これは私のサービスには合わない」
と分かることもあります。
その場合は、また調整すればよいのです。
正しい講師になるためではなく、自分とクライアントの両方にとって心地よい関係を探すために試してみてください。
総合セルフチェック
最後に、ここまでのDay1からDay4までをまとめて確認してみましょう。
次の質問を読みながら、「はい」「少し気になる」「今は分からない」など、自分なりの答えを出してみてください。
- 私は、クライアントとかかわることを楽しめているだろうか?
- クライアントとかかわる仕事は、私自身の幸せにもつながっているだろうか?
- クライアントの話を聞く前に、自分の答えを押しつけていないだろうか?
- クライアントが自分で考え、自分で選べる余地を残しているだろうか?
- 「役に立ちたい」と「必要とされたい」を分けて考えられているだろうか?
- クライアントから必要とされないと、自分には価値がないように感じていないだろうか?
- クライアントの不安を強めることで、サービスを継続してもらおうとしていないだろうか?
- サービスを利用するかどうかを、本人が選べる状態にしているだろうか?
- クライアントが私以外の講師や方法を選ぶ自由を尊重できているだろうか?
- スピリチュアルな考え方や自分の解釈を、絶対の事実として押しつけていないだろうか?
- クライアントが自分で進めるようになることを喜べるだろうか?
- クライアントが私のサービスを卒業するとき、その選択を尊重できるだろうか?
- クライアントを大切にするために、自分を犠牲にしすぎていないだろうか?
- 自分の時間、生活、休息を守れているだろうか?
- 自分が対応できることと、対応できないことを分けられているだろうか?
- 必要に応じて、医療や心理など適切な専門家への相談を検討してもらえるだろうか?
- もしクライアントが二度と私を必要としなくても、その人が幸せならうれしいと思えるだろうか?
- 私はこれからも、この仕事を自分らしく楽しんでいきたいと思えているだろうか?
全部に「はい」と答える必要はありません。
むしろ、
「ここは自信がある」
「ここは少し気になる」
「これは考えたことがなかった」
と分かれるほうが自然でしょう。
「少し気になる」と感じたところがあれば、そこがこれから見直せる場所です。
自分を責める材料にするのではなく、
「私はこれから、どんな講師でありたいのだろう?」
と考える材料にしてください。
まとめ
クライアントとの関係を良くするために必要なのは、「正しい講師」になろうとすることではありません。
自分の気持ちと行動を、ときどき振り返ることです。
クライアントのために行動しているつもりでも、
「必要とされなくなるのが怖い」
「売上がなくなるのが不安」
「嫌われたくない」
という自分の気持ちが影響していることがあります。
一方で、
「クライアントのために」
という気持ちが強すぎて、自分を犠牲にしていることもあります。
今回のワークでは、次のことを確認しました。
- セッションで相手の話や考えを尊重できているか
- 答えを与えすぎず、本人が考える余地を残しているか
- 継続サービスを不安で選ばせようとしていないか
- メッセージや時間外対応で自分を無理させていないか
- クライアントが離れるとき、自分にどんな感情が出るか
- どんな場面で「必要とされたい」が強くなるか
- クライアントとかかわることそのものを楽しめているか
- 自分が対応できる範囲を決められているか
大切なのは、
クライアントの幸せか、自分の幸せか、どちらか一方を選ぶことではありません。
クライアントには、自分で考え、自分で選ぶ自由がある。
講師にも、自分の時間や生活を守り、無理のない形で働く自由があります。
相手を自分につなぎ止めなくてもいい。
自分を犠牲にしてまで助け続けなくてもいい。
必要なときに、自分ができる範囲で誠実にかかわる。
必要がなくなれば、その人が自分で進んでいくことを応援する。
そして講師自身も、
「この仕事が好き」
「この人とかかわる時間を大切にしたい」
と思える働き方をつくっていく。
クライアントの幸せを願いながら、自分自身も幸せに活動できること。
その両方を大切にすることが、クライアントとの関係を見直す一つの基準になります。
よくある質問
セルフチェックで気になる項目がたくさんありました。講師として問題があるのでしょうか?
このチェックだけで、そのように判断する必要はありません。
今回の質問は、自分のかかわり方を振り返るためのものです。
気になる項目が見つかったなら、
「次からどうしたいか」
を一つ考えてみてください。
一度に全部変える必要はありません。
クライアントに自分で決めてもらうと、講師として何もしていないように感じます
本人に選択を返すことと、何もしないことは違います。
講師として、知識や考え方、判断材料を伝えることはできます。
そのうえで、人生にかかわる選択については本人が考えられるように支えるという方法があります。
「答えを決める人」だけが講師の役割とは限りません。
クライアントに断られるのが怖くて、継続を強くすすめてしまいます
まず、「断られるのが怖い」と感じていることに気づけたことが大切です。
サービスの価値を説明することと、必ず申し込んでもらうことは別です。
自分は必要な情報を分かりやすく伝える。
その情報を受け取ってどうするかは、相手が選ぶ。
この二つを分けて考えてみるとよいでしょう。
クライアントとの境界をつくると、冷たいと思われませんか?
境界をつくることは、相手を拒絶することとは違います。
「いつ返信するのか」「どこまで対応するのか」「何がサービスに含まれているのか」が分かることで、クライアント側も利用しやすくなる場合があります。
大切なのは、相手を責める形ではなく、分かりやすく伝えることです。
クライアントの幸せと自分の幸せが両立しないと感じるときはどうすればいいですか?
まず、何が負担になっているのかを具体的に分けてみてください。
セッションそのものが負担なのか。
人数が多すぎるのか。
時間外対応なのか。
扱う相談内容なのか。
「断れないこと」が負担なのか。
原因によって見直すところは変わります。
仕事そのものを否定する前に、「どの部分を変えれば、自分も相手も無理が少なくなるのか」を考えてみましょう。
次回は「どんな講師でありたいのか」を一つにまとめます
Day1からDay4まで、クライアントとの関係を少しずつ見てきました。
Day1では、
「クライアントとかかわることは、自分の楽しみや幸せにつながっているのか」
という原点を考えました。
Day2では、
「役に立ちたい」と「必要とされたい」の違いを考えました。
Day3では、
「支えること」と「自分につなぎ止めること」の違いを、具体的な仮想ケースから見てきました。
そしてDay4では、自分自身のセッション、サービス案内、連絡方法、卒業時の対応などを振り返りました。
最後のDay5では、ここまでの内容を一つにまとめます。
テーマは、
「クライアントの幸せを願いながら、自分も幸せに活動できる講師であるために、何を大切にするのか」
です。
「依存させないようにしなければ」
という禁止事項だけで終わるのではなく、
どんな関係を目指すのか。
何を自分の判断基準にするのか。
どんなときに相談や見直しが必要なのか。
そして、自分はこれからどんな講師でありたいのか。
シリーズ全体を統合しながら、これからの活動につながる形にしていきます。