
その信念は自分を支えていますか?他人に流されないための考え方の見直し
「自分の信念を持ちたい」と思っていても、誰かの言葉を聞くと迷ってしまう。反対に、自分の考えを守ろうとして、人の意見を聞けなくなる。そんな場面はありませんか。
他人に流されずに活動するためには、自分が何を大切にしているかを知ることが役立ちます。ただ、長く信じてきた考えが、今の自分にも合っているとは限りません。
Day1では、人の意見を聞いたあと、自分の基準で選ぶことを考えました。今回は、自分を支える信念と、選択を狭めている思い込みを見分けていきましょう。
信念とは、自分の判断の前提になる考え
この記事では、信念、つまりビリーフを「自分が大切にしている考えや、判断の前提となるもの」として扱います。
たとえば、「受講者が自分で選べるようにしたい」という考えがあれば、講座で選択肢を示し、参加を無理に勧めない行動につながります。
一方で、「講師なら、どんな質問にもすぐ答えなければならない」と考えていると、分からないことまで答えようとしてしまうかもしれません。
どちらも自分の中にある考えですが、仕事への表れ方が違います。信念を持つときは、その言葉だけでなく、どのような行動につながっているかも確かめてみてください。
大切にしたいことと、守らなければならない決まりを分ける
「相手を大切にしたい」という思いが、いつの間にか「依頼は断ってはいけない」という決まりに変わっていないでしょうか。
相手を大切にする方法は、一つではありません。対応できる範囲を説明する、別の日程を提案する、自分では扱えない相談について適切な相談先を案内することもできます。
それでも「断る講師はよくない」と決めてしまうと、必要な判断がしにくくなります。
私は、自分の信念を確かめるとき、「何を大切にしたいのか」と「そのための方法」を分けることが大切だと思います。大切にしたいことを保ちながら、方法は変えてよいのです。
その考えは、自分で選んだものですか?
今信じていることの中には、以前教わった言葉や、尊敬する人の助言が含まれているかもしれません。人から学んだ考えでも、自分が納得して選んでいるなら、大切にできます。
ただ、「あの先生が言ったから」「周りの講師がそうしているから」という理由だけで続けているなら、今の自分に合うかを確かめてみましょう。
たとえば、「毎日発信しなければ講師として認められない」という考えがあるとします。そのとき、次の問いを使えます。
- 私は何のために発信していますか?
- 毎日の投稿は、今の目的や生活に合っていますか?
- 回数を変えても、必要な内容を届ける方法はありますか?
助言を否定する必要はありません。教わった方法を、自分の活動に合わせて選び直すことができます。
自分を支える信念かどうかを確かめる三つの問い
ここでの問いは、信念の正しさを判定するテストではありません。今の判断を整理するために使ってみてください。
1.その考えの理由を説明できますか?
「相手が納得して申し込めるように、内容を具体的に伝えたい」なら、仕事の目的とつながっています。
「そうしないと、なんとなく認めてもらえない気がする」なら、何を心配しているのかを、もう少し確かめる余地があります。
2.事実が変わったとき、見直せますか?
大切な考えでも、新しい情報や相手の反応を受けて、見直せる部分があります。説明が伝わっていないなら、言葉や順番を変えることができます。
考えを見直すことは、必ずしも他人に流されることではありません。何を確認し、なぜ変えるのかを自分で説明できるなら、それも自分の判断です。
3.その考えは、選択肢を残していますか?
「私は丁寧に対応したい」という考えには、時間を決めて返信する、確認してから回答するなど、複数の方法があります。
「すぐ返信しなければ、よい講師ではない」と決めると、方法が一つに狭まります。自分や相手の状況に合わせて選べる余地があるかを見てみましょう。
過去の経験を、これからの自分への決まりにしない
過去に自分の意見を伝えて、否定された経験があるとします。その経験から「意見を言うと嫌われる」と考えることがあるかもしれません。
ただ、「以前、ある相手に否定されたこと」と「これから誰に話しても否定されること」は同じではありません。
相手、話題、伝え方、関係は、そのときによって違います。過去の出来事をなかったことにする必要はありませんが、その一つの出来事だけで、これからの選択を決めなくてもよいのです。
過去から学べることを確認したうえで、「次はどのように伝えたいか」を考えてみてください。未来を考えるとき、今の自分が選べる行動を加えていきましょう。
今日のワーク:一つの考えを、選べる言葉にする
仕事でよく浮かぶ「こうしなければならない」を一つ書き、その奥にある大切にしたいことを探してみます。
説明用の例です。
- 最初の考え:相談には、いつでもすぐ答えなければならない
- 大切にしたいこと:相談者を待たせたままにせず、丁寧に対応したい
- 選び直した言葉:返信の目安を伝え、対応できる時間に内容を確認して答える
無理に前向きな言葉へ変える必要はありません。仕事上の約束や現実の条件を確かめながら、自分が実行できる言葉に整えてください。
最後に、「今週、この考えに沿って何をするか」を一つ決めます。返信時間を案内する、講座の説明を見直す、助言を受けても一度持ち帰って考えるなど、小さな行動で構いません。
よくある疑問
自分の信念が、人と違っていてもよいのでしょうか?
大切にしたいことが違う場合はあります。ただし、自分の信念があることだけで、事実確認や仕事上の責任が不要になるわけではありません。相手への影響も確かめながら判断しましょう。
信念を変えると、自分がなくなる気がします。
すべてを変える必要はありません。大切にしたいことを残し、負担になっている方法だけを変えることもできます。何を守り、何を見直すかを分けてみてください。
未来を自分でつくるなら、過去は忘れるべきですか?
忘れる必要はありません。過去を参考にしながら、次に試す方法を選べます。過去の結果だけで未来を決めず、今の条件と望む方向も含めて考えることが大切です。
まとめ
自分の信念を持つためには、何を大切にしたいのかと、そのための方法を分けて考えてみましょう。教わった考えや過去の経験も、今の自分に合うかを確かめ、必要なら選び直せます。
他人に流されないことと、考えを変えないことは同じではありません。理由を確かめ、自分で納得して選ぶ。その積み重ねを、これからの活動につなげていきましょう。
次回は、ほかの講師の発信、身近な人の助言、クライアントの要望に迷った場面を例に、自分の判断を保つ対応を考えます。
自分が大切にしたいことと、仕事で守らなければならないと思っている決まりを整理したい方は、LINEからご相談ください。今の活動や迷いを言葉にするところから、一緒に考えていきましょう。