
不平不満で終わらせない。改善を考え、行動する講師になるために
「受講者が取り組んでくれない」「講座の良さが伝わらない」「周囲が協力してくれない」。仕事をしていると、不満を感じる場面があります。
不満を口にするのは簡単です。しかし、そのあとに何も確認せず、何も変えず、同じ言葉を繰り返しているなら、仕事の進め方を見直す必要があります。
自分は、この問題について何を確かめたのか。どんな改善を試したのか。相手に何を伝え、何を相談したのか。
講師として大切にしたいのは、こうした問いを持ち、次の対応を選ぶ姿勢です。
このシリーズでは、不満の捉え方、期待と約束の違い、具体的な場面での対応、改善の手順を考えてきました。最終回のDay5では、それらを日々の仕事に取り入れる方法をまとめます。
不満を感じない講師を目指す必要はありません
講座や相談が思うように進まなければ、残念に感じたり、腹が立ったりすることもあるでしょう。
スピリチュアル系の講師だからといって、いつも穏やかで、前向きな言葉だけを使わなければならないわけではありません。
大切なのは、不満を感じた自分を隠すことより、その不満をどう扱うかです。
気持ちを整理するために話す。問題を報告する。必要な変更を求める。自分の説明を見直す。状況に応じて、取れる対応は違います。
不満があることと、不満を言うだけで終わることを分けて考えてください。
周囲に求める前に、自分の行動を確かめる
「もっと理解してほしい」「協力してほしい」と感じたら、そのために自分が何を行ったかを確認します。
- 相手に求める行動を、具体的に伝えたか。
- 目的や期限、対応する範囲を説明したか。
- 相手が理解し、対応できるかを確認したか。
- 困っている部分について、質問や意見を聞いたか。
- 自分が変えられる部分を、一つでも試したか。
確認すると、説明が足りなかった部分が見つかるかもしれません。反対に、双方で確認した約束を、相手が守っていないとわかる場合もあります。
どちらなのかを確かめず、相手への不満だけを強めても、必要な対応を選びにくくなります。
自分の行動を確認することは、すべてを自分の責任にすることではありません。問題のある部分を、具体的に見つけるための作業です。
自分で進める、協力を求める、条件を見直す
改善の方法は、自分がさらに頑張ることだけではありません。次の三つから、今の状況に合う対応を考えます。
自分で進めること
説明の順番を直す、案内文に必要な情報を加える、準備の時間を確保するなど、自分で変更できることがあります。
何を変えるかが明確で、無理なく実行できるなら、まず一つ試してみてください。
「もっと丁寧にする」だけでなく、「次の講座では、練習の前に一つの例を示す」のように行動を決めます。
協力を求めること
相手の理解や事情がわからない場合は、確認が必要です。仕事を分担する場合も、担当、期限、対応できる条件を話し合います。
「何とかしてください」ではなく、「資料のこの部分を、金曜日までに確認できますか」と具体的に依頼します。
方法が決まっていないなら、「ここで困っています。一緒に原因を確認したいです」と相談することもできます。
条件を見直すこと
工夫しても負担が大きい、約束が繰り返し守られない、対応範囲を超える依頼が続く。そんなときは、仕事の条件を見直します。
対応時間を調整する、役割を変える、依頼する範囲を絞る、引き受けられない内容を伝えるなどの方法があります。
すでにある約束を確認し、変更に必要な説明や調整を行ってください。
改善とは、負担を増やし続けることではなく、仕事を進められる方法と条件を選ぶことです。
不満を繰り返すだけでは、周囲もかかわりにくくなる
同じ不満を何度も話し、提案されてもすべて否定し、何を求めているかも伝えない。こうしたやり取りが続くと、周囲はどう手伝えばよいのかわからなくなることがあります。
何を言っても受け止めてもらえないと感じ、かかわりを控える人もいるでしょう。
ただし、困ったことを話しただけで、誰からも相手にされなくなるわけではありません。問題を伝えることや、助けを求めることは必要です。
自分が今求めていることを、相手にわかる形で伝えてみてください。
- 「今日は気持ちを整理したいので、話を聞いてほしいです。」
- 「この案内文で、講座の対象者が伝わるか意見がほしいです。」
- 「準備が間に合わないので、この作業を手伝ってもらえますか。」
求めていることが明確なら、相手も応じられるかどうかを判断できます。
助言をもらったときも、採用できない理由と、代わりにできることを伝えると、話を進めやすくなります。
講師自身が、改善する姿勢を示す
受講者に「自分で考えて行動しましょう」と伝えているなら、講師自身の仕事でも、その姿勢を確かめたいところです。
説明が伝わらなかったときに、受講者の理解力だけを責めていないか。申し込みがなかったときに、読者の関心の低さだけを理由にしていないか。
自分の説明や案内について、確認し、変更を試す姿勢を持ちます。
必要な場面では、「前回の説明では手順がわかりにくかったため、今回は例を加えました」と、変更した理由を伝えられます。
わからないことは確認し、守れない約束は調整し、誤りがあれば訂正する。そうした対応が、相手との理解や信頼を支えます。
講師として示すべきなのは、いつも問題なく進める姿だけではありません。問題が起きたときに、どう対応するかも大切です。
受講者からの不満も、改善の材料として聞く
自分の不満を整理すると同時に、受講者からの意見にも耳を向けます。
「説明がわかりにくかった」「質問する時間が足りなかった」と言われたとき、すぐに「本人の受け取り方の問題です」と片づけないようにします。
どの説明で迷ったのか、何を確認したかったのかを聞き、講座の内容や案内と照らし合わせます。
受講者が改善案を出せなくても、困っていることを伝える意味はあります。講師は、その内容から確認すべき部分を考えます。
一方で、すべての要望に応える必要はありません。対応できること、できないこと、確認が必要なことを分けて説明してください。
意見を聞くことと、要望をすべて引き受けることは別です。
改善を続けるために、短い振り返りを習慣にする
不満を感じるたびに、長い分析をする必要はありません。講座の終了後や週の終わりに、一つの出来事を短く振り返ってみてください。
- 何が起きたか。
- 何を確認し、どう対応したか。
- 対応したあと、何が変わったか。
- 次に続けること、変えることは何か。
たとえば、質問対応の時間を案内したなら、決めた目安を守れたか、相手に伝わっていたか、負担が増えていないかを確認します。
結果が変わらなかった場合も、何を試したのかが残っていれば、次の方法を考える材料になります。
「自分はだめだ」と評価するより、「説明のどの部分を直すか」「条件をどう調整するか」と、行動に戻ってください。
今日のワーク:次の一週間で、一つの対応を試す
このシリーズで考えたことを、仕事で一つ試してみましょう。次の項目を短く書いてください。
- 取り上げる不満:今、繰り返し困っていることは何ですか。
- 確認すること:期待、依頼、約束のうち、曖昧になっていることはありますか。
- 選ぶ対応:自分で進める、協力を求める、条件を見直す。どれが必要ですか。
- 最初の行動:何を、いつ行いますか。
- 伝える内容:誰に、何を確認したり依頼したりしますか。
- 振り返る日:いつ、結果と負担を確認しますか。
一週間ですべてを解決する必要はありません。確認の連絡をする、案内文を一か所直す、役割分担を相談するなど、最初の行動を実行する期間にします。
忙しくて試せなかった場合は、実行する内容が大きすぎなかったか、必要な時間を確保していたかを見直します。
自分を責めて終わるのではなく、実行できる形へ調整してください。
相談するなら、出来事と試したことを持ち寄る
一人で確認できる部分が明確なら、まず自分で進められます。
相手とのやり取りが複雑になっている、自分が変える範囲を判断できない、同じ問題が続いている。そんな場合は、第三者と整理する方法もあります。
相談するときは、次の内容をまとめると、話の出発点がわかりやすくなります。
- 実際に起きていること。
- 相手と確認している約束や条件。
- これまでに伝えたこと、試したこと。
- 困っていることと、望む状態。
- 判断に迷っている部分。
改善案がなくても相談できます。何が起きているかを整理するところから始めてもかまいません。
相談を、答えをすべて任せる場にするのではなく、自分が次に選ぶ行動を考えるために使ってください。
よくある質問
同じ不満を感じるのは、努力が足りないからでしょうか?
それだけでは判断できません。原因を確認できていない、方法が合っていない、仕事の条件に無理があるなど、見直す部分はさまざまです。努力を増やす前に、何を試し、何が変わらなかったのかを確かめてください。
前向きな意見を出しても、相手が受け入れなければ意味がありませんか?
提案が採用されなくても、相手の事情や合意できない部分がわかる場合があります。その情報をもとに、別の方法や条件の変更を考えられます。自分の案を受け入れてもらうことだけを、改善の基準にしないようにしてください。
不満を聞いてもらうだけの時間があってもよいですか?
あってもかまいません。今は気持ちを聞いてほしいのか、改善を一緒に考えたいのかを伝えると、相手もかかわり方を選びやすくなります。仕事の問題として対応が必要なら、落ち着いたあとに確認や行動を考えてください。
まとめ+要約
不平不満を言う前に、自分で改善や前向きな意見を考えられているか。その問いは、講師としての仕事の姿勢を見直すきっかけになります。
- 不満を感じることと、不満を言うだけで終わることを分けます。
- 期待、依頼、約束を確認し、実際の出来事について話します。
- 自分で進めること、協力を求めること、条件を見直すことを選びます。
- 提案したあとに行動し、結果と負担を振り返ります。
- 受講者の不満も聞き、必要な確認や説明につなげます。
Day1では、不満と改善の違いを整理しました。Day2では、不満の中にある期待を確認しました。Day3では、具体的な場面での対応を考えました。Day4では、改善の行動に変える五つの手順を紹介しました。
そしてDay5では、その姿勢を日々の仕事に取り入れる方法をまとめました。
「相手が変わらない」と言う前に、自分は何を確認し、何を伝え、何を試したのかを見てください。
そのうえで、必要な協力や変更を求めます。不満を我慢するだけでも、相手を責め続けるだけでもなく、具体的な対応を選ぶことが大切です。
まずは、今ある不満を一つ取り上げ、次に行うことを一つ決めてみてください。
不満を整理し、次の対応を考えたい方へ
「同じ問題を繰り返している」「自分が変える部分と、相手に求める部分を分けたい」「講座やクライアント対応の条件を見直したい」。そんな場合は、具体的な出来事から整理してみてください。
一人では整理しにくい方は、LINEからご相談ください。今困っていること、これまで試したこと、判断に迷っている内容をお伝えください。