
自分の嫌いな部分を受け止めるには?自分自身を認めるための実践方法
はじめに
Day1では、自分自身を認めるとは、自分を無理に好きになることではなく、 「私はこういう人なんだ」 と、自分の中にあるものを確認することだとお伝えしました。
Day2では、そのために、 「私は何を大切にしているのか」 という自分の価値観を見つけていきました。
そしてDay3では、もう少し踏み込んで、
自分の苦手な部分や、嫌いだと感じている部分をどう受け止めていくか
を考えていきます。
自分を認めたいと思っても、実際には、
- すぐに不安になる自分が嫌い
- 人と比べてしまう自分が嫌い
- 行動が遅い自分が嫌い
- 人の目を気にする自分が嫌い
- 自信が持てない自分が嫌い
という気持ちが出てくることがあります。
特に、人に何かを伝える立場にいると、
「講師なのだから、もっと自信を持たなければ」
「人を導く立場なのだから、自分が迷っていてはいけない」
と考えやすくなります。
しかし、苦手な部分を持っていることと、講師として価値がないことは同じではありません。
大切なのは、嫌いな部分を無理に好きになることではなく、
「今の自分には、こういう部分もある」と受け止めること
です。
受け止めることができるようになると、自分を責める時間が少しずつ減り、そのぶん必要な行動を考えやすくなります。
今日は、自分の嫌いな部分との向き合い方を、具体的に整理していきましょう。
目次
なぜ自分の嫌いな部分ばかり気になるのか
自分に自信が持てないときは、自分のできている部分よりも、できていない部分のほうが目につきやすくなります。
たとえば、
- 今日はきちんと講座を終えられた
- 相談者の話を丁寧に聞けた
- 必要な準備もできた
という事実があったとしても、
「途中で言葉につまってしまった」
という一つの出来事だけが強く残ることがあります。
すると、
「やっぱり私は話すのが下手」
「講師として向いていない」
と、自分全体を否定してしまいます。
ここで大切なのは、
一つの苦手な部分と、自分自身の価値を一緒にしないこと
です。
話すのが苦手な場面があることと、講師として価値がないことは別です。
行動が遅いことと、何もできない人であることも別です。
人の目を気にすることと、自分らしく生きられない人であることも別です。
自分の一部分を見て、自分の全部を決めないようにすることが大切です。
「受け止める」とは、そのままでいいと思うことではない
自分の嫌いな部分を受け止めるという話をすると、
「それでは成長できなくなるのでは?」
と思う人もいます。
たとえば、
「私は行動が遅いから、このままでいい」
「私は人前で話すのが苦手だから、努力しなくていい」
ということなのでしょうか。
そうではありません。
受け止めるとは、
「今はそういう状態なんだ」と、一度事実を否定せずに見ること
です。
たとえば、
「私は人前で話すと緊張しやすい」
とします。
これを受け止めないと、
「緊張してはいけない」
「こんな自分ではだめ」
と、自分を責めることに力を使います。
一方で、
「私は人前で話すと緊張しやすいんだな」
と一度受け止めることができれば、
「では、事前に話す内容を整理しておこう」
「最初の5分だけでも練習しておこう」
というように、次の行動を考えることができます。
つまり、受け止めることは、変化をあきらめることではありません。
むしろ、今の状態を正しく見ることで、必要な行動を選びやすくなります。
事実と自己否定を分けて考える
自分を受け止めることが苦手な人は、事実と自己否定が一緒になっていることがあります。
たとえば、
「今日は思うように話せなかった」
というのは、出来事についての言葉です。
しかしそこに、
「だから私はだめな講師だ」
という言葉が加わると、自己否定になります。
この二つは分けて考える必要があります。
| 起きたこと | 自分を責める考え | 受け止めた言い方 |
|---|---|---|
| 話している途中で言葉につまった | 私は話すのが下手な講師だ | 今日は言葉につまる場面があった |
| SNSを更新できなかった | 私は継続できない人だ | 今日は更新できなかった |
| 他の講師と比べて落ち込んだ | 私はいつまでたっても自信がない | 今日は人と比べて落ち込んでいる |
| 相談者の質問にすぐ答えられなかった | 私は知識が足りない | 今の自分では、すぐに答えられない質問だった |
同じ出来事でも、言葉の使い方で自分に与える影響は変わります。
特に気をつけたいのが、
- 私はいつもこうだ
- 私は何をやってもだめ
- 私は結局変われない
- 私には才能がない
というように、一つの出来事から自分全体を決める言い方です。
そのような言葉が出てきたときは、
「実際に起きたことは何だった?」
と考えてみてください。
起きたことだけに戻すと、自分を必要以上に責めにくくなります。
苦手な部分には理由があることもある
自分の嫌いな部分を見るときに、もう一つ知っておきたいことがあります。
それは、
今の自分の反応には、何かしらの理由がある場合もある
ということです。
たとえば、人の目を強く気にする人がいたとします。
その人は、自分で、
「私は気が弱い」
「もっと堂々としなければ」
と思っているかもしれません。
しかし、これまでの経験を振り返ってみると、
- 失敗すると強く注意された経験がある
- 人からどう見られるかを大切にする環境で育った
- 人に迷惑をかけないように意識してきた
- 周囲に合わせることで人間関係を保ってきた
という背景があるかもしれません。
すると、人の目を気にするという反応も、
「自分がおかしいから」
ではなく、
「これまで自分なりに周囲とうまくやっていくために身につけてきた考え方なのかもしれない」
と見ることができます。
もちろん、すべての行動に過去の大きな理由があるとは限りません。
無理に原因を探す必要もありません。
ただ、
「私はなぜこんな人なんだろう」
と責めるだけではなく、
「私はなぜこう反応するようになったのだろう」
と考えてみることで、自分への見方が少しやわらかくなることがあります。
嫌いな部分を別の角度から見てみる
自分が欠点だと思っている部分は、見方を変えると、別の特徴として見ることができる場合があります。
たとえば、
| 自分では嫌だと思う部分 | 別の見方 |
|---|---|
| 考えすぎる | 慎重に考えることができる |
| 人の目を気にする | 周囲の反応に気づきやすい |
| 行動が遅い | 準備してから動きたいタイプ |
| 傷つきやすい | 人の気持ちにも気づきやすい |
| 断れない | 人の期待に応えようとする気持ちが強い |
| 完璧を求める | 責任を持ってきちんと取り組みたい |
ここで注意したいのは、何でも無理に長所に変える必要はないということです。
苦手なものは苦手で構いません。
ただ、
「この特徴には悪い面しかない」
と思い込んでいると、自分を認めることが難しくなります。
一つの特徴にも、場面によって違う面があります。
たとえば、考えすぎることによって行動が遅くなる場合もありますが、その慎重さのおかげで大きな失敗を避けられることもあります。
人の目を気にしすぎると疲れてしまいますが、人の反応に敏感だからこそ、相談者の小さな変化に気づけることもあります。
大切なのは、
一つの面だけで自分を決めないこと
です。
スピ系講師だからこそ自分の弱さを隠しすぎない
スピ系講師として活動していると、
「いつも整っている人でいなければならない」
「迷ってはいけない」
「自信があるように見せなければならない」
と感じることがあります。
しかし、人に何かを伝える立場であっても、一人の人間であることに変わりはありません。
不安になることもあれば、迷うこともあります。
自信がなくなる日もあれば、人と比べて落ち込む日もあります。
そのこと自体が、講師として失格ということではありません。
むしろ、自分の弱さをまったく認められない状態のほうが苦しくなります。
自分の中にある不安を見ないようにして、
「私は大丈夫」
「私は自信がある」
と無理に思い込もうとすると、現実との間に大きな差ができてしまいます。
その差が大きいほど、少し失敗しただけで、
「やっぱり私はだめだった」
と大きく落ち込みやすくなります。
それよりも、
「私は人前では少し緊張する」
「私はまだこの分野について学んでいる途中」
「私にも自信をなくすときはある」
と、自分の状態を認めておくほうが、自分自身と安定した関係を作りやすくなります。
講師だから完璧でなければならないのではありません。
大切なのは、
自分の状態を理解したうえで、誠実に人と関わること
です。
受け止めることと変わらないことは別
自分の苦手な部分を受け止められるようになると、
「では、このままでいいの?」
という疑問が出てくるかもしれません。
答えは、
変えたいことは変えていけばいい
です。
ただし、順番が大切です。
自分を否定してから変えようとするのではなく、
「今はこうなんだ」
と受け止めてから、
「では私はどうしたい?」
と考えます。
たとえば、
「私は話すのが苦手だからだめ」
と考えるのではなく、
「私はまだ人前で話すと緊張する。それでも、もう少し落ち着いて話せるようになりたい」
と考えます。
すると、
- 事前に練習する
- 話す内容をメモする
- 少人数から経験を積む
- 毎回一つだけ改善点を決める
といった具体的な行動につなげることができます。
自分を責めることと、改善することは同じではありません。
自分を責めなくても、人は変わることができます。
むしろ、
「今の自分にはここが苦手なんだ」
と認められたほうが、落ち着いて改善策を考えられることもあります。
苦手な自分を受け止めると自信が安定していく
自信というと、
「私は何でもできる」
と思える状態を想像するかもしれません。
しかし、何でもできる人になることはできません。
誰にでも得意なことと苦手なことがあります。
そのため、
「苦手な部分がなくなれば自信を持てる」
と考えていると、自信を持てる日はなかなか来ません。
一方で、
「私はこれが苦手」
「でも、こちらはできる」
「ここは今、練習している途中」
「それでも私は私」
と考えられるようになると、自分に対する評価が一つの出来事で大きく揺れにくくなります。
たとえば、講座で少し失敗したとしても、
「今日の講座ではうまくいかないところがあった。でも、それだけで私のすべてがだめになるわけではない」
と考えることができます。
この感覚が、とても大切です。
自信は、
失敗しないことから生まれるのではなく、失敗した自分まで含めて扱えることから育っていく
ことがあります。
自分の嫌いな部分を受け止めることは、自信を失うことではありません。
むしろ、自信を安定させていくための土台になります。
今日の「受け止める」実践ワーク
今日は、自分の中で、
「ここが嫌い」
「ここを直したい」
と思っている部分を一つ選んでみてください。
一度にたくさん扱う必要はありません。
一つだけで大丈夫です。
ステップ1:嫌いだと思っている部分を書く
まず、
「私は〇〇なところが嫌い」
と書きます。
たとえば、
- 私は人と比べてしまうところが嫌い
- 私は自信がなくなるところが嫌い
- 私は行動が遅いところが嫌い
ステップ2:事実だけに言い換える
次に、その言葉から自分を責める部分を外します。
たとえば、
「私はすぐ人と比べるだめな人」
ではなく、
「私は人と比べることがある」
と書きます。
「私は何をしても行動できない」
ではなく、
「私は行動を始めるまでに時間がかかることがある」
と書きます。
ステップ3:どんなときに出やすいかを書く
次に、
「どんなときに、その特徴が出やすいのか」
を考えます。
たとえば、
- SNSで同業者を見たとき
- 初めての講座をするとき
- 結果がすぐ出ないとき
- 人から意見を言われたとき
というように、場面を書き出します。
ステップ4:その自分に一言かける
ここでは、無理に前向きな言葉を使う必要はありません。
たとえば、
- 今は不安なんだね
- 今日は人と比べてしまったんだね
- 今は少し怖いんだね
- すぐに決められないんだね
という程度で構いません。
大切なのは、
「そんな自分はだめ」
と続けないことです。
ステップ5:これからどうしたいかを書く
最後に、
「では、私はどうしたい?」
と考えます。
たとえば、
- 人と比べたら、自分の価値観を見直す
- 不安になったら、できていることも3つ書く
- 行動できないときは、一番小さな一歩だけ決める
- わからないことは、無理に知っているふりをしない
というように、具体的な行動を一つ決めます。
このワークの目的は、
嫌いな自分を好きになることではありません。
自分を責めるところで終わらず、
「今の私はこうなんだ」
と受け止めたうえで、
「では、これからどうしたいのか」
まで考えられるようにすることです。
まとめ
自分自身を認めるためには、自分の得意なところや好きなところだけを見るのではなく、苦手な部分や嫌いな部分についても向き合っていくことが大切です。
ただし、嫌いな部分を無理に好きになる必要はありません。
まずは、
「私はこういうところがある」
「今はこう感じている」
と、事実をそのまま受け止めてみてください。
そのときに大切なのは、一つの失敗や一つの苦手な部分から、
「私はだめな人」
「私は講師に向いていない」
と、自分全体を決めないことです。
話すのが苦手な場面があることと、講師として価値がないことは別です。
人と比べてしまうことと、自分自身に価値がないことも別です。
また、自分では嫌いだと思っている特徴にも、別の面がある場合があります。
考えすぎる人には慎重さがあり、人の目を気にする人には周囲の変化に気づきやすい面があるかもしれません。
無理に長所に変える必要はありませんが、
「悪い面しかない」と決めつけないこと
は大切です。
そして、受け止めることと、変わらないことは別です。
「今はこういう自分なんだ」
と認めたうえで、
「では私はこれからどうしたい?」
と考えることができます。
自信は、苦手な部分が全部なくなったときに初めて持てるものではありません。
苦手な自分、迷う自分、失敗した自分まで含めて、
「それでも私は私」
と扱えるようになることで、少しずつ安定した自信につながっていきます。
次回のDay4では、
「自分を受け入れることと、行動を変えることをどう両立するのか」
を考えていきます。
自分を認めたり受け止めたりするだけで終わらず、日々の行動や仕事の仕方にどうつなげていけばよいのかを具体的に整理します。
自分を責めることがなかなか止められない方へ
頭では、
「自分を責めなくてもいい」
とわかっていても、実際には、
「やっぱり私はだめ」
「もっとできるはずなのに」
「人より遅れている」
という言葉が何度も出てくることがあります。
長い間、自分を厳しく見ることが習慣になっていた場合、急に考え方を変えるのは難しいこともあります。
そんなときは、一人で何とかしようとせず、自分がどんな場面で自分を責めやすいのかを、誰かと一緒に整理する方法もあります。
話していく中で、
- 自分では当たり前だと思っていた思い込み
- いつも同じ場面で出てくる不安
- 自分を責めるときに使っている言葉
- 本当は大切にしたかった気持ち
が見えてくることがあります。
「自分の嫌いな部分とどう向き合えばいいかわからない」
「いつも自分を責めてしまう」
「講師としてもっと安定して活動したい」
という方は、LINEから相談してください。
よくある質問
自分の嫌いな部分を受け止めるとは、好きになることですか?
いいえ、好きになる必要はありません。
受け止めるとは、
「今の自分にはこういう部分がある」
と、否定せずに一度確認することです。
嫌いだと思う気持ちが残っていても構いません。
まずは、その特徴が自分の中にあることを認めるところから始めます。
自分を受け止めたら、成長できなくなりませんか?
受け止めることと、改善をやめることは別です。
今の状態を受け止めたうえで、
「では、私はどうしたいのか」
を考えることができます。
むしろ、自分を責めることに力を使わなくなることで、必要な行動を落ち着いて考えやすくなる場合があります。
自分の短所を長所に変えて考えたほうがいいですか?
必ずしも、すべてを長所に変える必要はありません。
苦手なことは苦手なままでも構いません。
ただし、
「この特徴には悪いところしかない」
と決めつけず、別の見方もあるかもしれないと考えることは、自分を理解する助けになります。
人と比べてしまう自分を受け止めるにはどうしたらいいですか?
まず、
「また比べてしまった。私はだめだ」
と考えるのではなく、
「今、私は人と比べて不安になっている」
と事実だけを確認してみてください。
そのあとで、Day2で整理した自分の価値観を見直し、
「私は何を大切にしたい人なのか」
に戻ると、自分の基準を取り戻しやすくなります。
講師なのに自信がない自分を認めてもいいのでしょうか?
講師であっても、不安になったり自信をなくしたりすることはあります。
大切なのは、自信がないことを隠して無理に強く見せることではなく、自分の状態を理解しながら誠実に活動することです。
「今はここに自信がない」
と認めることができれば、必要な学びや経験も具体的に見つけやすくなります。
自分を責める癖がなかなか変わりません
長く続いてきた考え方は、すぐに変わらないこともあります。
最初から自分を責めない人になろうとするのではなく、
「今、自分を責めているな」
と気づくことから始めてください。
そのうえで、
「実際に起きたことは何だった?」
と事実に戻す練習を繰り返していくことが大切です。
自分を受け止めることは、自信とどう関係していますか?
自分の苦手な部分を認められないと、少し失敗しただけでも、
「私はだめだ」
と自分全体を否定しやすくなります。
一方で、
「ここは苦手だけれど、それだけで私のすべてが決まるわけではない」
と受け止められるようになると、一つの出来事で自分への評価が大きく揺れにくくなります。
その安定感が、自分に対する信頼や自信の土台になっていきます。