
自分を受け入れる・受け止めるために、実際に何をすればいいのか?
ここまでの記事では、講師自身が自分を認めているかどうか、なぜ自分に厳しくなりやすいのか、そして自分を認めることで何が変わるのかを見てきました。
ここまで読んで、
「考え方は分かった。でも、実際にはどうすればいいの?」
と思っている人もいるかもしれません。
自分を認めることは、頭で理解するだけでは続きにくいものです。
大切なのは、日常の中で少しずつ、自分への接し方を変えていくことです。
今回は、特別な準備をしなくてもできる方法を紹介します。
この記事の要約
自分を受け止めるときに大切なのは、すぐに答えを出したり、前向きになろうとしたりしないことです。まず「今、何を感じているか」を確認し、次に「私は自分に何と言っているか」を見ます。そのうえで、「では、本当はどうしたいか」を考えます。受け止める、認める、次を選ぶ。この順番を繰り返すことで、自分を責めるだけではない関わり方を少しずつ身につけていけます。
目次
まずは順番を変える
自分に厳しくなりやすい人は、何か問題を感じたときに、すぐに「どう直すか」を考えることがあります。
たとえば、
「今日はやる気が出ない」
と感じたとき、
「もっと気持ちを整えなければ」
と考える。
SNSを見て落ち込んだとき、
「比較しないようにしなければ」
と考える。
受講生とのやりとりでモヤモヤしたとき、
「講師なんだから、もっと広い心を持たなければ」
と考える。
もちろん、改善することは大切です。
ただ、その前に一つ入れてほしいものがあります。
「今の私は、どうなっている?」
という確認です。
先に自分を直そうとするのではなく、まず自分の状態を知る。
この順番が、自分を受け止めるときの基本になります。
1. 今の状態を言葉にする
最初にすることは、今の状態を短い言葉にすることです。
立派な言葉でなくて構いません。
たとえば、
- 疲れている
- 焦っている
- うらやましい
- 不安
- イライラしている
- 少し寂しい
- 認めてもらいたい
- うれしい
- ほっとしている
など、自分に一番近い言葉を選びます。
ここで大切なのは、
「こんな感情を持ってはいけない」
と判断しないことです。
たとえば、
「私は嫉妬している」
と気づいたとしても、
「嫉妬するなんて最低」
まで進まなくていいのです。
最初はただ、
「私は今、うらやましいんだな」
で止めます。
自分を認めることは、自分の状態を正確に知るところから始まります。
2. 自分に何と言っているかを見る
次に、自分が自分へどんな言葉をかけているかを見ます。
感情そのものよりも、この「自分への言葉」が自分を苦しくしていることがあります。
たとえば、
「今日は疲れている」
という状態に対して、
「こんなことで疲れるなんてダメ」
と言っているかもしれません。
「思ったほど申込みがなかった」
という出来事に対して、
「やっぱり私には価値がない」
と言っているかもしれません。
「他の講師がうらやましい」
という気持ちに対して、
「そんなことを思う私は心が狭い」
と言っているかもしれません。
このとき、
感情と、自分への評価を分けてみてください。
「疲れている」は状態です。
「ダメな私」は評価です。
「うらやましい」は感情です。
「心が狭い私はダメ」は評価です。
この違いに気づくだけでも、自分への厳しさが見えやすくなります。
3. 事実と解釈を分ける
次に、「実際に起きたこと」と「そこから自分が考えたこと」を分けます。
これは、講師として活動しているときに特に役立ちます。
たとえば、
事実:
「今日の投稿には、反応が3件だった」
解釈:
「私の発信には価値がない」
この二つは同じではありません。
また、
事実:
「今回の講座には申込みがなかった」
解釈:
「私は講師に向いていない」
これも同じではありません。
事実は、改善を考えるための材料です。
解釈は、自分の中で生まれた意味づけです。
この二つを分けることで、
必要以上に自分全体を否定しにくくなります。
「今回は反応が少なかった」
だから、
「タイトルを変えてみよう」
「届けたい人が明確か確認しよう」
と考えることはできます。
でも、
「だから私はダメ」
と結論づける必要はありません。
4. 今の自分を一度受け止める
ここで、今の自分に短い言葉をかけてみます。
難しく考えなくて構いません。
たとえば、
- 今はそう感じているんだね
- 今日は疲れているんだね
- うまくいかなくて、悔しかったんだね
- 本当は認めてもらいたかったんだね
- 今は答えが出ていないんだね
この言葉で、問題が解決するわけではありません。
しかし、すぐに自分を責めることを少し止めることができます。
「受け止める」というと、何でも許すように感じる人もいるかもしれません。
ですが、そうではありません。
受け止めるとは、
「今の自分の中に、これがある」と確認することです。
変えるかどうかは、そのあとに決めればいいのです。
5. 次にどうしたいかを選ぶ
ここまで来たら、最後に、
「では、私は次にどうしたい?」
と考えます。
大きな決断でなくて構いません。
たとえば、
- 今日は早く休む
- 明日もう一度考える
- 投稿の内容だけ見直す
- 信頼できる人に話す
- 今回はやめる
- もう一度やってみる
- 自分が本当に届けたい人を考える
などです。
大切なのは、
「ダメな自分を直すために行動する」
のではなく、
「今の自分を知ったうえで、次を選ぶ」
ということです。
この違いは小さく見えますが、続けていくと自分への接し方が変わっていきます。
講師の日常で使える3つの場面
場面1:SNSを見て焦ったとき
他の講師の投稿を見て、
「この人はどんどん進んでいる」
「私は遅れている」
と思ったとします。
そのときは、
- 今の感情は何かを確認する
- 自分に何と言っているかを見る
- 事実と解釈を分ける
- 今の気持ちを受け止める
- 自分は本当は何をしたいか考える
という順番で見てみます。
「私は遅れている」のではなく、
「私は今、あの人を見て焦っている」
というところまで戻れると、自分のペースを考えやすくなります。
場面2:受講生への対応でイライラしたとき
講師だからといって、いつも穏やかでいられるわけではありません。
受講生とのやりとりで、
「どうして分かってくれないんだろう」
と感じることもあります。
そのとき、
「講師なのにイライラするなんてダメ」
と責めるのではなく、
「私は今、イライラしている」
「何にイライラしているんだろう」
と見てみます。
もしかすると、
「同じ説明を何度もして疲れている」
「自分の時間を守れていない」
「相手に変わってほしい気持ちが強くなっている」
など、別の理由が見えることがあります。
自分を受け止めることによって、必要な境界や対応を考えやすくなることもあります。
場面3:講座がうまくいかなかったとき
講座で話がまとまらなかったり、思うように進まなかったりしたとき、
「私は講師に向いていない」
と考えてしまうことがあります。
そんなときは、
「今日、何がうまくいかなかったのか」
を具体的に見てください。
たとえば、
- 説明が長くなった
- 時間配分がずれた
- 質問への答えがまとまらなかった
ということであれば、改善できます。
一つの失敗を、
「自分には価値がない」
にまで広げないことが大切です。
自分を認めるためのセルフチェック
一日の終わりに、次の5つを確認してみてください。
- 今日、私はどんな感情を感じた?
- そのとき、自分に何と言っていた?
- 実際に起きた事実は何だった?
- 私は今の自分を一度受け止められた?
- 明日、一つだけ選ぶとしたら何をする?
全部答えなくても構いません。
一つだけでも、自分に聞いてみてください。
自分を認めることは、一度できたら終わりというものではありません。
日常の中で何度も自分の状態に戻ることです。
できない日があっても、それもまた、
「今日はできなかった」
と受け止めれば十分です。
うまくできない日も、自分を認める練習になる
この方法を始めても、
毎回うまくできるとは限りません。
また自分を責めることもあります。
人と比べることもあります。
感情的になることもあります。
そんなときに、
「やっぱり私はできない」
と考えるのではなく、
「今、また自分を責めているな」
と気づいてみてください。
その気づき自体が、自分を受け止める練習になります。
大切なのは、完璧に自分を認められる人になることではありません。
自分を否定していることに気づいたら、何度でも戻ってくることです。
今日持ち帰ってほしいこと
自分を受け止めるときは、
「どう直すか」
から始めなくても大丈夫です。
まず、
「今、私は何を感じている?」
「自分に何と言っている?」
と確認します。
そして、
「今はそうなんだね」
と一度受け止めます。
そのあとで、
「では、次にどうしたい?」
を考えます。
受け止める。 認める。 そして、次を選ぶ。
この順番を日常の中で何度も繰り返してみてください。
まとめ
- 問題を感じたら、すぐ直そうとせず最初に自分の状態を確認する
- 感情と、自分への評価を分けて考える
- 起きた事実と、自分がつけた意味を分ける
- 「今はそうなんだ」と一度受け止めてから次の行動を考える
- うまくできない日も、自分を責めず気づくところから戻ればよい
- 自分を認めるとは、完璧になることではなく、自分への接し方を少しずつ変えること
よくある質問
毎日このワークをしないと意味がありませんか?
毎日続けなければならないものではありません。自分を責めていると気づいたときや、気持ちが大きく動いたときだけでも構いません。続けること自体を新しい義務にしないことも大切です。
感情を言葉にするのが苦手です。どうすればいいですか?
最初から細かく言葉にする必要はありません。「嫌な感じ」「モヤモヤする」「少し疲れた」程度でも十分です。自分の状態を確認できれば、それが入口になります。
受け止めても気持ちが変わらないときはどうすればいいですか?
気持ちを変えることを目的にしなくても大丈夫です。受け止めたあとも不安や怒りが残ることはあります。その場合は休む、人に相談する、距離を取るなど、自分に必要な行動を考えてください。
自分を受け入れることと、行動しないことは違いますか?
違います。自分を受け入れることは現状にとどまることではありません。今の状態を否定せず確認したうえで、必要であれば改善や行動を選ぶことができます。
スピリチュアルなワークを使わないと自分を認められませんか?
特別な方法が必須ということはありません。今回紹介したように、自分の感情や考えを言葉にして確認することからでも始められます。スピリチュアルな方法を取り入れる場合も、自分に合うかどうかを大切にしてください。
自分の気持ちを一人では整理しにくいときは
自分を受け止めようとしても、同じところを何度も考えてしまったり、自分では何を感じているのか分からなくなったりすることがあります。
そのようなときは、誰かに答えを決めてもらうのではなく、自分の考えや気持ちを言葉にして整理するために相談を利用する方法もあります。
今の自分を否定するためではなく、自分の現在地を知り、次にどうしたいかを考える時間として使ってみてください。